財産となった経験
先日、インナーブランディングのコンペに呼ばれたとき、私のセールスポイントは何?とう話になりました。(というか、そうした話を自分からしました)
私のprofileには、過去の制作実績や賞歴、取材歴、講師歴などをずらずらと並べています。これはこれで自分の事実であり、少しだけ誇らしかったりします。でも、それ以上にインナーブランディングの案件にジョインする場合、「事業経験がどのくらいあるか」「事業をどのくらい知っているか」が大事だと思っています。
なぜなら、企業で働く人の困りごとや悩み、現場から管理職までが体験する現実がわかっていれば、ミッション・ビジョン・バリューやスローガンが絵空事ごとで終わりません。ファシリテーションに軸足を置いたインタビューもできます。
幸いにも?私は30歳からの10年間、新規案件の仕掛けや営業支援、マネジメントからリストラまで、一通り経験してきました。「?」を付けたのは、リストラフェーズでは自分の部下の肩を叩いたり(事業部長からのご指名でした。こういうのはトップがやるものでは?とは思いましたが)、愛する業務をアウトソーシングの名の下に取り上げられる部下から総スカンをくらってみたり。望んでもいない経験を散々したからです。一時期は午前1時と3時に部下とそれぞれ面談を行って、4時に帰って9時に出社。そのサイクルを30連勤とか、よく生きてたなと思うくらいです。
けれどその時の経験があるからこそ、現場の人や中間管理職といった働く人の気持ちを自分事化できるわけです。「そこはわかるけど、ここまで行こうよ」という主張もできるわけです(これ、インナーブランディングではとっても大事)。ただ、自分自身は経営層まではとてもたどり着けませんでしたので、トップインタビューの経験から補填するようにしています。聞きかじりでも、経営者目線に触れていれば気持ちにも共感できます。
ではでは明日も、とある企業様のバリューをどうするか、ミーティングに行ってきます。もともとは売るコピー、反応を取るコピーが得意だったのですが(今でもそう)、ここ数年はすっかりファシリエイター件インナーブランディング・ライターになってますね。2019年度は合計1000本以上のスローガンを提案しましたし。これはこれで楽しいですし、私の新しい柱になっています。