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間違いなく今年の俺のトップ3となるであろう「新譜」たち
若かりし頃は、「今年のベストアルバム」みたいな、その年にリリースされたアルバムでどれがいちばん良かったかなんて選出をしていたけど、だんだんと古いモノばかり聴くようになって、いわゆる「新譜」の中でそういうものを選ぶことができなくなってしまった。
だからブログでも年末には「2023年、よく聴いた曲とかアルバムとか」というタイトルで、再生回数の多かったものをまとめたりしている。調べてみたら2017年からその手のを書き始めていた。
しかし、2024年は何かが違う。
今年新譜としてリリースされたアルバムで、いまとっかえひっかえ聴きまくっているものが「3枚」もある。
ここで言う「新譜」とは、純粋に今年リリースのために録音されたものであり、例えばニール・ヤングのアーカイブシリーズとして70年代のライヴ音源がリリースされたというものを新譜として含むつもりはない。
そのようなアルバムが3枚もあるなんて、自分にとっては大変珍しいことだ。2024年はまだあと3か月残っているが、これからこの3か月で、この3枚を上回るものには出会えないと思う。
Claude Fontaine / La Mer
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クロード・フォンテーヌというアメリカのシンガーソングライター。名前だけ見るとフランス人と思いたくなるが、アメリカ生まれ、アメリカ育ちだそうだ。
まだ今月の話だがBandcampでこのアルバムがリリースされる直前のリスニング・パーティみたいなイベントがあって、その時にこの人の名前を知った。このアルバムは当然その時は未聴で、何気なく2019年にリリースされた1stアルバムを聴いてみた。
そしたら冒頭の数十秒を聴いた瞬間に好きになってしまった。
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レゲエのリズムに乗ったラヴァーズ・ロックで、しかもそのヴォーカルはウィスパー系。なんだこれ、こんなの初めて聴いたとなってしまい、即このCDを入手。しかも、10曲中前半5曲がレゲエ、後半5曲がボサノヴァという、俺の好みを突いてくるではないか。もうすっかりこのアルバムに夢中になってしまい、2枚目となるアルバム "La Mer"のリリースとなった。
"La Mer"も基本路線は変わらず、レゲエ、ボサノヴァ、そこにフレンチポップ的な要素も加わって、最近は1日に3回か4回は聴いているような感じである。
そして何が凄いかって、この2枚のアルバムにはスティール・パルスのロニー・ステッパー・マックイーンとかジギー・マーリーのバックで叩いていたロック・デッドリックとか、ガチもんのレゲエ・ミュージシャンだったり、ブラジル音楽側からはアイアート・モレイラ(1stに参加)とか、セルジオ・メンデス(R.I.P.)に参加していたギビ・ドス・サントスとか、こんな若い子がよくこのメンバーを集めたなと思ってしまう。
なんでも、10代の時から曲を作ってはインターネットにアップしては消していたなんてことを繰り返していたらしく、なぜ消しちゃうかというと「後世に残したい音楽じゃなかった」かららしい。そして恋愛がらみでロンドンに渡ったけど失恋し、その時に立ち寄ったレコード店でレゲエやブラジル音楽に出会って「これだ」と思ったらしい。
自分はなんとなくラヴァーズ・ロック系な曲に惹かれることがあり、もしかして好きなジャンルなのだろうかと思って、いろいろ聴いてみるが、そればかりだと飽きてしまうようだ。その点、クロード・フォンテーヌはブラジル音楽も含まれているからそのバランスがとても良い。
まだタワレコ等ではフィジカルリリースされていなくて、はやくモノが欲しいんだけど。レコードで欲しいけど高くてね・・・。
Thee Marloes / Perak
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アジアのポップ・ミュージックも熱い。よく台湾のミュージシャンとか、タイのミュージシャンとかいうと「どんな音楽なの?」と言ってくる人がいるが、日本だってロックやったりヒップ・ホップやったりR&Bやってるでしょうに。それと変わらないよと思うのだけど、民族音楽でもやってると思うのかね。
まあそれはさておき、このThee Marloes(ジ・マーローズ)はインドネシアのグループで、待ちに待った1stアルバムである。このバンドもコロナ禍真っ最中の頃にBandcampで知って、その時は確かシティ・ポップをキーワードに探していて見つけたと記憶している。
このアルバムは8月にリリースされたばかりで、レコードで入手した。
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帯に「チカーノ・ソウル」なんて書いてあるが、確かにそういう雰囲気がある。基本英語で歌われているが、4曲ほどインドネシア語で歌われているのも良い。アジアだけでなく、もっと広い範囲で聴かれてるべきバンドだと思う。
なお、アルバムの1曲目はレオン・ラッセルの"Song For You"が始まるのかと思ってしまった。余談ですが。
Clairo / Charm
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そして、これもまだ聴いて1週間だが、アルバム全体を聴いて惹かれてしまった1枚。クレイロというシンガーソングライターの5月にリリースされた3rdアルバム。
何が惹かれるのか、正直まだ自分でも「なんとなく」でしか分かっていなくてうまく整理できない。このアルバムはSpotifyで"Discover Picks For You"とかで勝手にオススメされていたのだけど、このジャケットが良いなと思い聴いてみたらドンピシャだったというわけ。
70年代ミュージシャンに通じるところもあるし、オルタナティブでローファイな感覚もあるし、過去2枚のアルバムが「ベッドルームポップ」みたいな形容をされていて、要するに宅録みたいなものだろうけど、そこはベックみたいなところもある。そしてちょっと気怠いヴォーカルも気に入っている。
アルバムで最も好きな曲がこれ、スタジオでの笑い声が何度も入っているが、これがマルコス・ヴァーリの"Ele E Ela"を思い出させる。全然タイプは違う曲なんだけど。
グラミー賞とかを見ていると、アメリカの若いミュージシャンはみんなヒップホップかR&Bか、何か主張してなきゃみたいな雰囲気を受けてしまうが、こういう人たちもいるじゃんと、当たり前だけど改めて認識させてくれる。もっとこういう人たちを見つけて聴いていきたいものだ。