最近SEO業界に参入した人向けにGoogleのアップデートをわかりやすくまとめます
いつの間にかSEO業界に入って10年くらいになりました。
これくらいになってくるといつの間にか自分よりも若いプレイヤーが増えて、逆に自分より先輩が減ってきたように感じます。
数年前は先輩の方が多い印象でしたが、自分より前からいるプレイヤーはもはや古参に感じてしまうようになりましたね。
というわけで本ページでは最近SEOに参入してきた方のために、私が知る限りの範囲でGoogleのアップデートについて感想を交えながらまとめます。
【アップデート年表】
・~2011年は被リンク、中古ドメイン全盛期。ブラックSEOが主流
・2011年~2012年頃にパンダ及びペンギンアップデートにより検索が焼け野原に
・2012年頃~コンテンツ重視、コンテンツSEO、長文SEOの到来
・2017年頃~フレッドアップデートにより長文SEOが効かなくなる。最近のコアアップデートのようなイメージ
・2017年12月に健康、医療分野のアップデート。このあたりからEAT、YMYLとか言われるようになる
・2018年~現在コアアップデートの繰り返し。被リンクの質とコンテンツの質の評価基準がどんどん複雑になる
2011年頃まではブラックSEOが主流だった(らしい)
僕が参入したのは2012年頃なので、あまり詳しくは知らないのですが、2011年~12年頃まではブラックSEOが主流だったようです。
今でこそSEO業者からバックリンクを大量に買うという選択が間違っていることは当たり前すぎる話となっていますが、当時は国内外のサイトから無数にリンクを送るのが主流で、個人アフィリエイターでも数百単位でバックリンクサイトを持っていることは多々あったようです。
ただ、2012年に低品質な被リンクを大量に送るサイトに粛清を与えるペンギンアップデートが開始され、被リンクを大量に送って上位表示を目指すSEO対策は徐々に通用しなくなってきます。
同じ頃に低品質なページを量産しているサイトに粛清を与えるパンダアップデートも開始され、コンテンツと被リンクともにいわゆる「スパムサイト」が飛ばされるようになったようです。
僕がSEOに参入したのはこの直後くらいで、当時はわかりませんでしたが、今思えば2012年はスパムサイトが飛んだ後の焼け野原のようになっていたようです。
2012年頃からコンテンツ重視、コンテンツSEO、長文SEOの到来
スパムサイトが通用しなくなり、Googleはページの品質を重要視するようになりました。
この頃から被リンク対策ではなくコンテンツ対策、つまりコンテンツSEOと呼ばれる時代に突入します。
コンテンツSEOといっても当時のGoogleは(というか今も)日本語を全然わかってらっしゃらないので、とにかく文字を詰め込んだだけの長文SEOが結構通用していました。
また、被リンクをあまり重要視していなかったので、コンテンツに注力すれば結構誰でも上位表示が可能で、今思えば考えられないですが、個人が開設したはてなブログでも「リュックおすすめ」とか「漫画おすすめ」みたいなキーワードで1位表示されていました。
2017年頃~フレッドアップデートにより長文SEOが効かなくなる
とにかくある程度まともな文章でまともな情報を入れて長文を入れとけば簡単に上げられていたのですが、2017年の始め頃にフレッドアップデートと呼ばれるアップデートがあって以降、ただ単に文字を入れるだけでは簡単に上げられなくなりました。
このアップデートは今となってはマイナーなアップデートに思いますが、対策が非常に難しいためここで退場した個人ブロガー、アフィリエイターは結構多かったように思います。
SEO研究所の記事には、
と書いており、単純にこれを対策すればOKという明確な正解がありません。
今で言うコアアップデートに近いというか、それそのもののように思いますね。
2017年12月の健康アップデート(俗称)で時代が変わる
僕が参入して10年で一番インパクトのあったアップデートはやはり健康アップデートです。
この頃からサイトのEAT(権威性、信頼性、専門性)が重要だとか、YMYL(お金や生活に関する分野)は個人ブログでは上位表示できないとか言われるようになりました。
当時の検索結果はまさに焼け野原で、健康や医療に関するキーワードではユーザビリティが無視されたものも多かったです。
例えば「めなり」という視力アップに関するサプリメントの商品名ではコトバンクやweblio(翻訳サイト)などが上位表示していました。
当時SEO業界は大混乱で、このタイミングで退場した人も多いと思います。
アップデート直後の検索結果はひどいものでしたが、その後徐々に改善されていきます。
しかし後ろ盾のない個人ブログやサイトが上位表示する機会はなく、少なくとも新しいSEO対策が見出されるまではSEO業界はかなり冷え込んでいたんじゃないかと思います。
2018年~現在コアアップデートの繰り返し
健康アップデート以降はコアアップデートによってサイトの質とページの質の評価を微調整し続けている印象です。
また、健康アップデートは俗称通り健康や医療に関連するクエリという限定的なものでしたが、YMYL(your money your life)のマネー部分にも同様の動きがあり、早い段階で金融分野(キャッシングやクレジットカード、投資、貯金、口座開設など)も一掃されました。
やはりここで大ダメージを食らって撤退した人も多いと思います。
YMYLはお金と生活ですから、健康と金融だけでなく、検索クエリの大部分が絡んでくることは予想されていました。
多くの人が推測した通り、2023年現在、多くの分野で後ろ盾てのない個人サイトは主要なキーワードで上位表示が困難になっています。
それでもSEOプレイヤーはなんとか稼げる主要キーワードで上位表示をしようと対策を考えました。
自治体リンクからサブディレクトリSEO時代の到来
2018年以降、多くのジャンル、正確にはキーワードでサイトのEAT(わかりにくいので以降は信頼性と表記します)をGoogleに認めてもらえないと上位表示ができない状況となりました。
信頼性を認めてもらうのはかなり困難でしたが、まず最初に公的機関(主に自治体サイト)からの被リンクを獲得するというシンプルな対策から始まりました。
これを早い段階で行ったSEOプレイヤーは1人目立って稼ぐことができましたが、検索で目立ちすぎるためか、同様の対策をSEOプレイヤーがこぞって行い、Googleにかなり早い段階で対策されました。
次に始まったのが現在も多数見かける「サブディレクトリSEO」です。
このサブディレクトリによるSEO対策を見かけるようになったのは、2019年頃だったかと思います。
サブディレSEOの初期は自社運営のサービスに、自社メディアをくっつけてオウンドメディアとして運用するものでした。
これは健康アップデート以前からあったものですが、サイトの信頼性が厳しく見られるようになった時代に目立つようになったので必然的に、
「ベンダー(商品やサービスの提供業者)のサブディレクトリは上位表示できる」
ということがわかってきました。
そこで最初に始まったのは大規模サイトのディレクトリ貸し(ドメイン貸し)です。今でこそ全く有名とは言えない歯医者やクリニックなどのドメイン貸しをよく見かけますが、初期は超有名なメディアサイトや報道系のメディアサイトのサブディレクトリSEOが中心でした。
その後、SEO業界ではサブディレクトリSEOが主流になり、アフィリエイトの広告代理店やASP、広告主などが優良アフィリエイターにサブディレ貸しを促すほどになりました。
ちなみに僕にも2件ほど相談がありましたが、当時はSEOから身を引きたかったため、お断りしました・・・
~現在
2019年頃から現在までサブディレクトリSEOはかなり有効ですが、現在は一時期よりもサブディレクトリサイトの独占が緩和されたように思います。
というのもやはりGoogleも黙ってみているわけではなく、サブディレクトリSEOを対策するようになったからです。
とは言っても、サブディレクトリサイトの代わりに上がってきたのはサービスを提供している会社のドメインや、中古ドメインで、後ろ盾のない個人サイトの上位表示は非常に難しいことに変わりはありません。
また、サブディレクトリだからといって有利とも限らず、ベンダーのドメインであっても上げられるとは限りません。
たとえ脱毛サロンのドメインを持っていたとしても、競争相手はすべてすでに信頼性を持っているドメインですから・・