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レアなロードバイクフレーム

Tecnotrat SARRONI Cuneo

ヤフオクで今まで聞いたことのないメーカーのフレームを落札しました
このフレームに興味を持ったのは、前三角チューブに六条の凹み加工は施してあるためです

このような加工が施されているのはコルナゴのマスターやアラベスクなどが有名ですが、それとはまたちょっと違った加工になっています。コルナゴで使われているのはColumbusのGilco S4 というもので、そのためジルコ加工などと呼ばれていますが、これは Gilberto Colomboさんがデザインしたためで、Gilco加工と呼ばれています。
届いたフレームを見ると総クロームメッキが施されているものの塗装のない部分に関してはポツポツ錆が見られ、特にフロントフォークはかなり見苦しい状態でした。

錆の状態を確認するために、塗装を剥離剤で全て落としてみました。前三角に関してはちょっと磨けばなんとかなりそうな感じ、フォークに関してはちょっとムリ><な感じでした。
早速、クレンザーで粗落としをして、コンパウンドで磨いてみましたが、錆+メッキ剥がれが散見されるので、ラグ部分を残して前三角に車用のラッピングシートを貼ってみました。
フォークはITA規格のアルミフォークを買って装着しました。

結果、なかなかいい感じに仕上がりしばらくはそれで乗っていました。
しかしながらやはりメッキ部分の錆が気になり、グラインダーナイロンホイールなどで磨いてみましたが、硬いクロームメッキはどうしようもなく諦めていました。
ある時、自転車フレームに格安でクロームメッキをしてくれる工場を見つけ、メッキ剥離の見積もりを出したところかなり安い値段でしたので、メッキを剥離してもらうことにしました。メッキさえ剥がれればサビを落として塗装すればなんとかなる!と思ったからです。
二週間ほどでメッキの剥離が終わりフレームを引き取ってきて状態を見ると思ったよりも状態は悪く、塗装できるまでにはなかり時間がかかりそうな状態でした。特に錆の酷かったフォークは下地に銅メッキがなされていましたが錆びによる凹凸が酷く連日ヤスリがけをし、なんとかプラサフすれば凹凸がわからなくなる位になりました。

塗装もDIYで行ったのですが、数々の失敗を塗り重ねたようなものになってしまいましたw
その後、塗装を施し、やっと乗れる状態になりました

さて、このフレームは先にも述べたように、六条の凹み加工がなされています。もちろんこの目的はチューブの横方向の強度UPが目的です。
通常、スチールフレームは「しなり」があるのが特徴でその「しなり」が他の材質に比べてのメリットでもあるわけです。
そのため長時間のライドでも疲れにくいとか、重いギアでも踏めるとかそんな評価がされています。
さて、この凹み加工を施されたフレームはどうなのでしょうか?
ちなみにこのフレームのチューブはClumbus社のAELLEと言われるチューブが使われています。
現在ではスチールフレームといえば殆どがクロモリと言われる、クロームモリブデンが多く使われていますが、このAELLEはカーボンマンガンという、鉄に炭素とマンガンを少量加えた材質で、主に硬度を上げるために作られています。
硬度を上げた材質に、凹み加工をして剛性を上げるとどうなるか?お察しの通りかなり硬い乗り心地のフレームになっています。
このフレームの後輪のハブ幅は126mmですが、普通のクロモリフレームなら指でちょっと広げて130mmハブでもほとんど問題なく入れることができるのですが、このフレームはかなり力を入れないと入ってくれません。というよりかなり無理があるような状態です。このことからもかなり硬い作りになっているのがわかります。
先程述べたクロモリの「しなり」はこの後ろ側のステー部分のしなりですので、このことからも「しなり」を感じないのがわかります
アルミフレームもこの「しなり」が無く、かなり乗り心地の硬いフレームですが(最近のアルミフレームは柔らかくなっていますが)それと同じように路面の振動をすべてお尻に伝えてくれるような乗り心地です。
そのため、普通のクロモリフレームよりちょっとタイヤの空気圧を下げて乗るほうがいいかと思います。
このフレームが作られた年代は1980年代前半だと思います。ですので使用する部品もこの年代のものを中心に使用しています。但し、ブレーキとタイヤは現代のものを使っています。
整備重量として9Kgジャストくらいの重量感です。
現在言われているスチールフレームのいいところが全く無いフレームですがw
レアで他人とかぶるところがないという利点?もあるのでこれから大事に乗っていこうと思います^^


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