写真じゃなく、ゴールの話をしよう(副業撮影を始めてみようという方への超基本)その1.
こんにちは、あなたのココロのスキマ♡ライカでお埋めします、hirotographerです。1億総副業時代の今、これから写真の副業やバイトを始めてみようという方も多いと思いのではないでしょうか?テクニック的な部分は私よりも上手な方や知識のある方がいらっしゃるかと思いますが、大手企業勤めの経験や知見を活かして簡単に写真のお仕事初心者の方へのアドバイスと考え方のノウハウをまとめてみました。本業フォトグラファーの方にとっては「知っているよ」「やってるよ」という内容だったりする内容だと思いますが、ちょっとヒントになることはあるかもしれません。
先に簡単ですが過去の写真のお仕事実績を載せておきます。もちろん以下の撮影に当てはまらない場合でも参考になるポイントがあると思いますので是非読んでいただければ嬉しいです。
【過去のお仕事】
1.Ourphotoでのファミリーフォト
・0歳児〜海外からのゲスト(英語対応)撮影まで60回撮影し、59回最高評価をいただきました(現在休止中)。リピーターも複数。
2.イベントでの撮影
・海外eコマースサービスプロバイダー企業国内イベント(英語対応含む)
・医療系イベント
・都内職人展用のプロフィール写真撮影
3.受付サイネージ用のスライドショーの提供
・2パターン作成し、両方とも大手町パークビルディングの某企業受付にて現在も上映中です。
4.スタチューパフォーマーの撮影
・作例を見たパフォーマーからも紹介して欲しいとリクエスト・リピートいただきました。
5.インフルエンサーとのコラボレーション
こちらも有償案件として元声優・歌手のmycoさん※の映像作品向けポートレート・イメージ写真を昨年7月から継続的に撮影・提供しています。
※2021年2月現在Instagram 5.6万フォロワー Youtube 7200フォロワー
https://www.instagram.com/myco0227/
基本はどんな仕事でも「ゴールを確認すること」。これに尽きると思います。ゴールも確認せず、盗んだバイクで行く先もわからず暗い夜のとばりの中へ走り出していいのは15歳の夜までです。ただし、ゴールにもいくつか種類があり、それぞれ確認すべき項目が異なるので主な内容と種類について実例を交えて記載してみました。
要件に関するゴールの確認
写真をリクエストされたから、いい写真撮って渡せばいいよね?と考えてしまう時点で実はお仕事としてはつまづいてしまっています。
雑誌やWebのような媒体に写真を提供するのであれば文字やタイトルがどこにどれくらいのサイズ・分量で載るのか?そのあたりを意識したアウトプットが求められますし、あえて黒つぶれやハイライトを文字を入れるスペースとして残しておく、ということも考える必要がありますよね?
もっとシンプルに、写真自体が最終アウトプットになるプロフィール撮影でも最終的な表示形式が正方形なのか、丸なのか、それとも多角形だったりするのか?結構変わってきます。例えばSNS用プロフィールであればアプリやサイトにそれぞれに求められる写真が円形だったり、スクエアだったりの違いがありますし、このnoteのバナーのように横長のパターンもあります。横長の比率のアウトプットで縦長のポートレートを撮ったら、まあ100%間違いなく死亡確定です。数枚の立て写真を横に並べるという荒業もありますが、撮り直しですね。その他のプロフィールの場合も全身なのか、バストアップなのか、首から上だけでいいのか、などいろいろなパターンがありますし、クローズアップOKの方、プライバシーの観点からできるだけアップを避けたい方などもいらっしゃいますのでこうだったら基本的にOK、といったシンプルな話ではなく、しっかりとした事前確認が必要です。
3:2や1:1などはあくまでカメラメーカーが決めたアスペクト比なので、写真を納品してもらう側にとっては知ったこっちゃない話で、最終的にどんなアウトプットでその写真が使われるかを確認する必要があります。
必要な枚数や納品すべきフォーマット、納品の形式、納期、予算など、比較的数値に置き換えられるような項目の確認がこの要件に関するゴールの確認です。これらを確認できて、かつちゃんと納品できれば「基本的には」仕事としては完遂です。
満足度を上げるためのゴールの確認
「基本的には」という含みのある言い方をしましたが、納品物には直接関係ないけれども知っておくと顧客満足度を上げられることがあり、それも副次的なゴールとなります。数値にはしづらい内容だったりするので確認をついつい忘れてしまいますが、的確な質問をすることで引き出すことができます。例えば、こんな内容です。
・なぜ自分に依頼をしていただいたのか?(期待値の確認)
・写真を撮ってほしいのは誰なのか?(案件オーナーの確認)
・誰がお金を払うのか?(発注者の確認)
・どんな写真が好きなのか?(方向性の確認)
・NGな写真はあるか?(範囲の確認)
・絶対に抑えて欲しい1枚はあるか?それはどんなものか?(必要条件の確認)
・こういうのがあるとよいという1枚はあるか?(十分条件の確認)
etc...
ビジネスよりの質問っぽいですが、これは個人の撮影でも一緒です。例えば七五三やお宮参りの撮影などでは大体ご依頼者が奥様の方で、旦那さんはとりあえずやってきた、みたいなパターンが多々あります。そういう場合に写真を見せて確認すべきは発注者=奥様です。逆に奥様の指示で旦那さんがフォトグラファー探して依頼した、みたいなパターンもあり、その場合は「旦那さんの顔を立てる必要がある」のですが、そのためにも奥様のOK・高評価が出るかどうかが重要です。最悪なのはフォトグラファーのせいで本人も旦那さんも駄目だしされる、というケースです(みんな不幸)。
さらに踏み込むと、おじいちゃん、おばあちゃんが同行される場合は足腰の不安がないかの事前確認とそれを配慮した撮影の段取りが求められたりします。予め家族構成やそれぞれのキャラクターを聞いておき対策を示しておくと安心感も与えられますし、会う前から信頼関係を築けるというのは大きなメリット。当日の撮影がスムーズになります。
撮影に慣れていない方も多いので「不安なことや気になることはありますか?」と確認しておくのも大事なポイントかと思います。
質問は撮影の形式ごとにある程度テンプレート化して最初の挨拶と一緒に毎回送付していました。なお、全く答えてもらえない場合はちょっと注意信号です。
・依頼者が忙しいなどの事情がある
⇒コミュニケーション不足で当日合うことになる
・「それくらい言わなくてもわかってよ」という意思表示
⇒質問自体の重要度や背景が理解されていない、もしくは質問が悪い
・事情分からず誰かから言われてとりあえず頼んだ
⇒オーナーではなく、情報も持っていないのでゴールがわからないまま進む
・それとも何か裏があるか
⇒・・・
ちなみに人数を聞いても一切答えてくれなかったお客様がいらっしゃったのですが、当日行くと15人くらいのパーティになっており、30枚納品の予定が「撮影した写真全部」とリクエストされたことがあります。納品配分を相談するために、と人数と構成を聞いたのですが・・・ね。
質問が自体が悪いと基本台無しなのでそこは注意が必要です。
また、絶対に抑えて欲しい1枚、などのように依頼の段階で意識していない場合でも質問することで依頼者の頭の中で整理され、形のある要求=ゴールとして出てきます。これに答えることで「ちゃんとリクエストに答えてくれた」という満足感につながるものです。
写真を撮ることだけをゴール設定にすると10点満点という枠組みの中で勝負しなくてはいけなくなります(要件に関するゴールの範囲)。これは他のフォトグラファーとも比較されやすく、かつ差別化が難しため、どうしても減点方式に近くなります。ちゃんと要件をクリアして成果物を納品する、ということは大前提ですが、ゴールを広げることで10点満点から20点、30点満点、場合によっては100点満点に土俵を広げることができますし、総合点が高いほうが満足度があがります。
ミシュランの三つ星になれるお店は料理が単に美味しいだけでなく、コースの流れや量、サービスや空間演出など、総合的に評価されて決まります。例えば誰かがトイレに行ったらすぐに清掃が入っていたり、席を外したタイミングで料理を出してしまったら作り直したり!とものすごいレベルと切り口で満足度の向上を目指しています。さすがにそこまでではなくとも、ゴールが広がったほうがより高い評価・満足度・単価につながる、というのをイメージいただけるかと思います。
「食事そのものの価値→予約から退店までの全体の体験価値」への変換が行われる、といえばわかりやすいでしょうか?写真も「写真そのものの価値→問い合わせから納品までの全体の体験価値」で勝負できるようになります。
ただし、繰り返しますが、基本ゴールがちゃんと達成できることが大前提です。
というわけでまずは基本のゴール、加えて満足度を上げるためのゴールについて基本的な考え方を書いてみました。次回は「お客様の問題を解決するためのゴール」について写真と自分ができることは何か?をお伝えしたいと思います。え?写真で問題解決なんてできるの?と思う方もいらっしゃると思いますので簡単な実例を交えてお伝えする予定です。
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