昔の上司をふと懐かしむ
かつて住友銀行にお世話になり国際関連部門で働いていた時、国際部門のトップにいらしたのが、森川敏雄さんでした。当時は、常務取締役だったと思いますが、後に、イトマン事件という大事件の後頭取になれれました。
私がベルギーのブラッセル支店に転勤が決まり、頭取に挨拶にいく際に、秘書の人からは「頭取はお忙しいから、戸田君、長居は禁物」ときつく言われたのですが、部屋に通されると頭取の方から色々話を聞いていただき、昔話をひとしきりされた後、「頑張って来い」と送り出していただいた記憶があります。小一時間は、お部屋にいたように思います。
後に、アムステルダムに来られた際に、お付きで街を案内するよう支店長から命を受けてお伴することになったのですが、「君の面倒だろう。俺のことはほっといていいから」と言っていただいて肩の荷が降りた記憶があります。
大学の授業であるテーマを追っていた時に、ふと森川頭取のことを思い出し、ネット検索すると、新聞記事が出てきました。あのお人柄は、その育ってこられた環境の影響があったのだと思いました。
同時に、彼の就活当時の逸話も思い出しました。片親であったことをハンディに思っていたところ、その事情を住友銀行の人事担当に話した際に、「それがどうしたん」と言われて入行を決めたこと。自分の勤めていた銀行のいいところを思い出しました。(とても厳しく人を育てるところで、周りには優秀な人が多く、とても太刀打ちできないといつも思っていたことも、同時に思い出しましたが...)
英語については、森川さんで思い出すのは、銀行に入ってしばらくして国際部門に関わるようになって初めて本格的に勉強をしなおされたそうです。(ご本人にうかがったようにも思いますが、記憶が定かではありません)しかし、私の知る彼は、非常に上手な英語の使い手でした。目標を定めた勉強すれば使えるようになる、そんなお手本のような方でした。