
ドラムの始め方・後編
スタジオに初めて来たガキ御一行は、Marshallアンプからギターを鳴らしたくて手こずっていた。鳴らない。
初めてスタジオに来る事を察した店長がすぐに来てくれて、説明しながらセッティングしてくれた。
店長「音楽好きなん?何聴くの?」
シュン「Green Dayとか好きです!」
店長「そうか!良いな!」
- 店長、American Idiot のイントロ弾く -
ガキ&シュン「スゲー!カッコいいー!!」
店長「練習頑張ってな!」
なんて粋な人や、カッコええ。
そんな事を思って心躍らせていたが、店長の去り際のドヤ顔が後から段々ムカついてきて黙々と練習を開始した。
練習を開始したは良いものの、初めて触るドラムセットに人見知りが発動中の俺は、マリオが小ジャンプするBボタンの押し方ぐらい軽く、ハジくように叩きだした。
全然気持ち良くない、むしろダルい。
やっぱり大きく叩こうと思う。叩く。
最高にうるさい耳障りな高音と革の音。
気持ち良い!楽しい!
そっからのめり込むのは早かった。
スタジオに1人でも通い、叩き続けた。
2ヶ月ぐらい経った時、店長が「バンド組まへんの?」と言ってきた。その頃にはBreedも60%ぐらいの完成度で出来ていた。
バンドかーー、組みたいなー。
特に理由も無く、漠然と思った。
すると店長が、高校でメンバー見つけてきてライブハウスに来い。と言ってくれたのでそうする事にした。
シュンとは別の高校へ進学したので、その後一緒にやる事は無かった。Breedも結局一緒には演奏出来なかった。
そして、ドラムを続けながら高校に進学し見つけたのが今のTHE PERRYのメンバー。
ライブハウス(スタジオに併設されている)に戻って来る約束も守り、メンバーを連れて店長に挨拶しに行くと「ホンマに連れてきたんか!アホやな〜」って言うてた。殴ろうかと思った。良い意味でね。良い意味。

恵まれた環境では無かったけど人脈運だけあった俺は、メンバーも見つかり、後に師匠バンドにも出会い、ちゃんとした叩き方と練習方法を教わった。
それまで独学でやってきたので変な癖が付いてたりして、治すのが大変やった、1年以上かかった。
癖ってゆうのは、腕、足の使い方・姿勢とか諸々。
時間をかけてまで治すのには意味があって、ドラムは全身を使うからこそ病気になり易い。
腱鞘炎やヘルニア・肩凝り・関節痛などキリがないぐらいある。だからこそ早めに治す。まぁそんな事最初は知らんかったけどね。
今は小学生でもスマホを持っている時代。
ドラムの始め方なんて調べればすぐ出てくるやろうけど、それはあくまで一方通行の指導。
動画を観て始めても、そのプレイを客観的に見て指導してくれる人が居ないと意味がない。(そんな事はない!)
独学でスタートした俺は少なくともそう思った。
もしドラムを始めようと思っている人が居れば、是非近くのスクールに通う事をオススメします。
それか近しいバンドマンに教えてもらえばいい。
あ、あと「もっと上手くなりたいんですけどどうしたらいいですか?」って質問してくる奴がたまに居るけどアホか?
ひたすら練習せえ。
あと俺もまだ修行中の身。上手くなんてないから聞くな。
うちのスクールに通ってる子にはちゃんと教えてるよ。
以上が、俺のドラムの始め方。
なにも参考になりまへんのに読んでくれてありがとう。
10年後ぐらいに、この記事を読んでドラムを始めたってやつに出会ったら養っていこうと思います。
じゃあ、また。
