スポルティング守田英正のリーグデビュー
今シーズンからポルトガルのスポルティング・リスボンに移籍した守田英正選手のポルトガルリーグ初戦の1節ブラガ戦について書きたいと思います。
まず初めにスポルティングはポルト、ベンフィカと並びポルトガルリーグでは三強と呼ばれています。フィーゴ、クリスティアーノ・ロナウド、ナニ、クアレスマなどがユースに所属していたことで知られています。そして対してブラガは上記の3強に次ぐクラブ。いきなり上位対決となりました。
この試合はスポルティングの守田は先発。スポルティングは3421。対してブラガは442でした。守田はダブルボランチの一角。バルセロナにいたトリンカオンは右のシャドー、スペイン代表にも選出され、マンチェスターシティにいたことでも知られるペドロポロは右のウイングバック。彼は今シーズンから完全移籍でシティからスポルティングに移籍しました。そして1番の注目は8番のマテウスヌネス。ボランチ起用ながら推進力のあるドリブルで持ち運べ、ビッククラブからの関心があるとされています。
ざっくりとした試合展開
攻守の入れ替わりが多く、早く、シュートまで行くシーンが多い。3-3の乱打戦。守田は60分に交代したのですがその前後くらいから両チームヒートアップして荒れ模様。イメージではブラジルリーグのような感じでした。
スポルティングのビルドアップ
キーパーからのビルドアップでは3センターバックの中央のウルグアイ代表コアテスがボランチの位置にポジションを上げ4バック。そこで守田とダブルボランチ。元々守田とダブルボランチを組んでいた8番のマテウスヌネスは左のサイドハーフ、右シャドーのトリンカオンが右のサイドハーフ、左シャドーの28番とワントップの20番がツートップ。この時両サイドハーフとツートップはほぼ横並び。4トップのようで424のような立ち位置でした。
パスで相手を避けながら回避したり、ドリブルで独力で突破することもあり、個人での解決が多いように感じました。それは中盤のフィルターの薄さから来ているのかもしれません。基本的に前からプレスをかけているのですが、スパッと縦にいかれてバックラインしかいない、ということがよく起こっていました。
ファーストライン回避後
ファーストラインを超えたあたりから陣形がまた変わっていきます。ボランチの位置にポジションを上げていた4番のコアテスは元の位置に戻り3バック。その前の守田はワンアンカー。その前は8番のマテウスヌネスとトリンカオンのインサイドハーフ。両ウイングバックはほぼウイング。28番と20番はツートップ。3142(3124)の立ち位置。守田は中継役で一つ前のインサイドハーフに縦パスをつけたり、サイドへロングボールを展開。両チーム共にサイドバック裏を第一選択肢のようにバンバン蹴り込んでいました。
守備
両チーム撤退時はコンパクトで自陣の3分の1くらいの狭さ。前残りは基本なしで全員守備。マンマークかスペース埋めを優先か曖昧さがあり、ドフリーや置いて行かれて裏という状況も頻発。
スポルティングの前からのプレッシングは相手の2ボランチの内の下がってくる人にフォワード、左右のセンターバックにシャドーがマンマーク。マテウスヌネスがもう片方のボランチ。左はウイングバックがサイドバックへ。センターバックがずれて4バックっぽくなる。守田はスペース埋め兼余っている相手を見る役。相手のキーパーから左サイドバックへ飛ばしのボールが出たらトリンカオンがプレスバックが基本なので時間が生まれ、そこから突破されることが多く、その場合守田は抜かれると形勢が一気に変わるのでファールで止める場面が多数。
交代
守田と交代し同じポジションに入った15番のみに焦点を絞る。彼は明確に守田のライバル。8番のマテウスヌネスは別ポジション。ざっくりとした試合展開にも書いたが、この交代あたりから両チームヒートアップ。その結果試合が別物になってしまったので並列に評価はできないが、守田とほぼ同列。ただ守田の方がパスの散らしが的確かなという印象。強力なライバルになりそう。
最後に
1人での解決が必要な場面も多く、ボールを受ける立ち位置もまだすり合わせが必要そうだった。でも十分やれていたしこのまま続ければスタメンも獲得できると思う。W杯まで、そしてこれからも、もっと成長していって欲しい。