鹿島アントラーズ vs 横浜F・マリノス
開幕から4連敗の常勝軍団鹿島がどうして不調が続くのか。それは新加入選手を獲得することで選手の組み合わせの答えが見つからず探り探りの部分が多かった。 ★この試合の鍵となったのは鹿島ザーゴ監督の采配である。ここまでの4試合は左SHに和泉、STにアラーノ、エヴェラルドを起用。しかし、この試合ではタメで時間を作れてボールを失なわい遠藤康、スピードと高さがありアグレッシブな上田綺世、SHにエヴェラルド、アラーノを起用した。 そして、マリノスの印象としてはディフェンスラインが高くその背後に広大なスペースがある為、シンプルに迷えばスペースへ蹴る。鹿島両CB町田と犬飼はこれを徹底していた。 もう1つ、マリノスの攻撃は脅威を感じる為、絶対に1対1は作らない。例えばマルコスや仲川がボールを持つと抜かれてもカバーががいけるような距離間をとっている。 この試合も含めてリーグ戦全ての試合でマリノスは支配率を70%超えている。しかし、今日の試合は支配はできているものの、鹿島のハイプレスによって自分たちが目指すビルドアップを阻止されリズムが作れない。 開始4分、三竿が喜田に激しくアプローチをかけボールを奪取し、左SHエヴェラルドヘパス。エヴェラルドが喜田と松原をドリブルで破りクロスをあげる。マリノスはゾーンで守る為、上田綺世はマークを剥がしフリーになる。そして落ち着いて決めて鹿島が先制。エヴェラルドをサイドに置くことでドリブルやロングシュートとマリノスからは脅威となっていただろう。 しかし11分にはマリノスに追いつかれてしまう。 前半終了時に疲労があると感じたマリノス、ポステコグルー監督はCBマルチンスとFWのE・ジュニオをベンチへ下げた。この時点でマリノスはビルドアップの軸となるマルチンスを失ってしまったのだ。 後半50分からマリノスにミスが増える。そこで鹿島はMF三竿を替えて永木を投入。三竿と永木のプレースタイルは似ていて前半からボール奪取の軸となっていた三竿とフレッシュな永木を替えることで強度が衰えることはなかった。57分には鹿島が勝ち越しに成功する。
レオ・シルバからSB広瀬へパス。広瀬がワンタッチでクロスを上げ上田が飛び込んでゴール。広瀬がワンタッチでクロスを上げることでスピードのある上田のMARCを確認できない。それに畠中と伊藤の間に走り込むという上田の素晴らしいポジショニングである。
さらに67分、鹿島に3点目が入る。マリノスは攻撃時、両SBは高い位置をとる為、守備が手薄になる。オナイウ阿道がボールを失い、そのボールを繋ぎ遠藤へ。この時点で鹿島は数的優位だが遠藤がタメを作ることでアラーノの上がりを待つ。そして走り込んできたアラーノにパス、アラーノから逆サイドのエヴェラルドへパスを送りゴール。 70分にマリノスはマルコスのゴールで1点を返す。 すると鹿島は70分から80分にかけて和泉、土居、白崎、伊藤の前線の選手を全員替える。そして81分、伊藤が畠中にプレスをかけることでパスミスを招き白崎のスーパーゴールがうまれダメ押しとなる4点目。交代した選手はフレッシュな為、ハイプレスを貫くことでマリノスのミスを誘ったのだ。 鹿島、ザーゴ監督の采配は見事に的中し鹿島は長いトンネルを抜けた。 一方でマリノスのマルコスは「攻撃的なサッカーで優勝したので今年は私たちを研究する多くのチームはディフェンシブな戦いをしてカウンターを狙ってくるのでやりにくい」と述べている。ここからマリノスがどう修正していくのかということも更に見物である。