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きっと成功を掴む未来【第11話】
【登場人物】
主役:佐々木隼人(横須賀大学・4年生:経済学部)
《勤務先:ジャパンファイナンス(金融会社)》
同級生:宮崎ひとみ(横須賀大学・4年生:経済学部)
《勤務先:グローバル保険(保険会社)》
同級生:石原勇気(横須賀大学・4年生:社会学部)
《勤務先:日本開発不動産(不動産会社)》
同級生:木内早苗(横須賀大学・4年生:商学部)
《勤務先:アジアパシフィック証券(証券会社)》
【第11話】仕事への活力
伊豆の旅館へ来て2日目の朝を向かえた。
4人は朝食を食べるために再び2階のオープンレストランへと集まっていた。
天候にも恵まれ昨日話し合っていた本日の予定を再確認していた。
宮崎:
『佐々木君・石原君、おはよう!』
石原:
『おはよう!昨日はよく眠れたかい!?』
宮崎:
『早苗と遅くまでお話をしていたから少し寝不足だけど!大丈夫よ』
石原:
『今日はモンキーパークへ行ってみよう!』
木内:
『楽しみにしているからエスコートをよろしくね!』
石原:
『朝から沢山の料理を取ってきたね』
宮崎:
『朝からお刺身なんて豪華よね!』
佐々木:
『昨日の夜、モンキーパークについて下調べたから任せてよ!』
木内:
『宜しくお願いします。あ・な・た!』
宮崎:
『早苗、朝から何を言ってんのょ!!もう知らない』
佐々木もまた困惑な表情を浮かべていた。
石原:
『まぁ~まぁ~、楽しくいきましょう!』
佐々木:
『それでは、AM9時に旅館のロビーに集合ね!』
木内:
『はぁ~い!』
4人は食事を終えるとそれぞれの部屋に戻って行った。
佐々木:
『石原、この辺りは良く来るのか?』
石原:
『この近くに会社の研修所があって一度来たけど観光では来ないな!』
佐々木:
『そうなんだ!仕事、大変そうだな』
石原:
『地域を熟知しないと仕事にはならないからな』
佐々木:
『一緒に仕事ができたら楽しそうだな!』
各自が部屋に戻り支度をしていたが、集合する時間が一刻と近づきいてきた。
宮崎:
『早くしなさいよ!先に行くからね』
木内:
『何をそんなに怒っているのよ!』
宮崎:
『怒ってなんかないわよ!』
木内:
『佐々木君ってしっかりしているじゃない!』
宮崎:
『朝からあんな言い方をすることはないんじゃない!?』
木内:
『やっぱり、怒ったんだ』
そのころ旅館のロビーでは佐々木と石原がすでに待機をしていた。
宮崎:
『良かった、間に合ったわ!』
石原:
『木内はどうしたの?』
宮崎:
『もたもたしていたから先に来ちゃった!』
石原:
『そっか、少し待ってみるか』
時刻はAM9:10を回っていた。
木内:
『ごめん、準備で遅くなりました』
佐々木:
『随分とまた沢山の荷物を持ってきたね』
石原:
『よし、モンキーパークへ向けて出発しよう!』
4人は佐々木が借りてきたレンタカーに乗込み一路モンキーパークへと車を走らせた。
石原:
『モンキーパークって自然をテーマにしているから楽しそうだよ』
佐々木:
『だいたい20分位で付きそうかな』
木内:
『動物もいるんでしょう』
佐々木:
『サルのほかにもたくさんの動物はいるみたいだよ』
4人は車内の中で楽しそうな会話を繰り広げていた。
佐々木:
『間もなく到着するよ』
宮崎:
『看板が見えたわ、随分広そうね!』
4人はモンキーパークに着くと興奮気味に園内へと入って行った。
石原:
『入口からトロッコで森の中へ入って行くみたいだね』
宮崎:
『トロッコに乗りましょうょ!』
4人はモンキーパークの入り口付近にあるトロッコ駅からトロッコの最後部へと乗り込んだ。
佐々木:
『すげぇ~、トロッコが動き出したぞ!』
木内:
『見て見て、このトロッコってゾウが引っ張っているよ』
石原:
『段々、森の奥に入って行くね』
間もなくすると森の奥にあるトロッコ駅に到着した。
辺りはまるでジャングルのような木々で囲まれていた。
近くには小川が流れており4人は小川に沿って歩き出した。
佐々木:
『この小川に沿って歩いて行こう!』
間もなくすると大きな池が現れた。
石原:
『ここで釣りができるんだね!』
宮崎:
『男性陣と女性陣に分かれて勝負をしてみない』
佐々木:
『面白そうだね!やってみよう、時間は30分で!』
さっそく4人は竿を片手にそれぞれが散らばって行った。
4人は釣りを開始しをしてから10分がたったがなかなか魚を釣り上げる事が出来なかった。
すると、宮崎が叫んだ!
宮崎:
『釣れたわ!』
佐々木と石原が宮崎の元に駆け寄ると、15cmほどの魚を宮崎が釣り上げていた。
石原:
『ニジマスだね、これは負けられないぞ!』
その時、木内が叫んだ!
木内:
『何かに引っ掛かったみたい』
佐々木と石原は木内のもとに駆け寄った。
石原:
『根がかりでもしたんじゃないか!』
木内:
『全然、糸がまけないよ』
佐々木:
『あまり引っ張ると糸が切れるから慎重に!』
木内:
『少し軽くなったよ』
石原:
『糸を巻き上げて見なよ』
木内:
『重いけどなんとか糸を巻くことができるよ』
佐々木:
『ゴミでも釣り上げたかな!?』
すると水面から大きな魚が上がってきた。
石原:
『でかい!』
佐々木:
『なんだサクラマスだよ!』
木内が釣り上げた魚は40cmほどの大きさがあった。
佐々木と石原は焦りに代わっていた。
石原:
『やばい!負けてしまう』
開始からはかなくも30分が経過をしてしまった。
その時、女性陣の勝利が確定した。
宮崎:
『勝ったわ!』
木内:
『ご褒美は何かしらね!?』
佐々木:
『なにか考えておくから楽しみにしていてょ』
石原:
『よし、身体も動かしたことだし温泉でも行ってみよう!』
4人は、森林の更に奥にある露天風呂を目指し歩き出した。
木内:
『森に囲まれていて何もないわね』
佐々木:
『大きな建物が見えてきたぞ!』
4人は大きな建物へ近づくと露天風呂の入り口だった。
佐々木:
『分かれて入ろう、1時間後にまた再開だ!』
男性陣と女性陣が共に分かれて建物の奥へと入って行った。
木内:
『なんだかすごい温泉ね、まるで密林のジャングルね!』
うっそうとした木々の中にところどころ大きな湯舟が広がっていた。
宮崎と木内は一番奥にあるとても大きい湯舟につかることにした。
宮崎:
『暖かくて気持ちいいわね!』
木内:
『ジャングルの中で入るお風呂は不思議ね!』
すると奥からサルの声が聞こえてきた。
宮崎:
『早苗、見てサルが湯舟につかっているよ!』
木内:
『そばに行ってみようよ!』
二人はサルがいる方へと近づいて行った。
宮崎:
『やっぱりサルだ!』
木内:
『サルも気持ちよさそうね!』
サルと女性陣との間には1枚のガラスで仕切られていたが湯舟は繋がっているようにも見えた。
宮崎:
『ガラスがあってこちらには来れないようになっているんだね』
木内:
『でもサルとの混浴をしているみたい!』
あっという間に1時間が経過していった。外では佐々木と石原が火照った身体を落ち着かせるようにコーヒー牛乳を飲んでいた。
木内:
『お待たせ~!』
石原:
『どうだった?』
宮崎:
『大自然の中でお風呂に入っているみたいだったよ!』
4人の興奮した会話はしばらくの間続いていた。
佐々木:
『そろそろドライブをしながら旅館へと帰ろうか』
木内:
『とっても楽しかったね!』
石原:
『確かこの近くに美味しいケーキ屋があったと思うよ』
佐々木:
『ではそこに寄って帰ろう!』
4人は再び佐々木が運転する車に乗り込み女性陣の勝利を祝うために「ケーキ屋」を目指して車を走らせた。
木内:
『パ・リ・ス・・何とかって書いてあるお店があるわ』
石原:
『多分あそこがケーキ屋だよ!』
佐々木は「Paris・・・」と書いてあるお店の横に車を停めた。
木内:
『美味しそうなケーキが並んでいるね、どれにしようかな!』
宮崎:
『2階にテラスがあるみたいだよ!』
佐々木:
『ここでケーキを食べていこう!』
4人は思い出話を語らいながらこのケーキ屋でしばらくの間会話を楽しんでいた。
宮崎:
『もう、休みも終わっちゃうね』
木内:
『久しぶりに楽しかったわ』
宮崎:
『また、どこかに連れて行ってほしいな!』
佐々木:
『そうだね!また、一緒に出掛けたいね!』
木内:
『私も寂しいから連れて行ってほしい!』
石原:
『そりゃ、4人に決まっているでしょ!』
佐々木:
『そっ、そうだよ!4人だよ』
宮崎:
『ずっとこのままが続くと良いね!』
~翌朝~
あっという間の楽しい旅行だったが、朝一番で城ヶ崎海岸駅を離れる事を決めていた。
木内:
『楽しかったね!』
石原:
『また仕事を頑張らないといけないな!』
宮崎:
『近いうちにまた再開したいね!』
一人一人が短い間の幸福感を噛みしめていた。
佐々木:
『電車が来たよ、乗り込もう!』
電車は城ヶ崎海岸駅を離れあっという間に横浜駅へと到着した。
宮崎:
『久しぶりの再会でとても楽しかったです。』
木内:
『石原君、素敵な旅行をありがとう!』
石原:
『また、時間が合えばみんなで再会しましょう』
佐々木:
『いつでもみんなを応援しているから頑張って!』
久しぶりの再会ではあったが4人はとても幸せな気分のままそれぞれが帰路に着いた。
~ 続く ~