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きっと成功を掴む未来【第10話】
【登場人物】
主役:佐々木隼人(横須賀大学・4年生:経済学部)
《勤務先:ジャパンファイナンス(金融会社)》
同級生:宮崎ひとみ(横須賀大学・4年生:経済学部)
《勤務先:グローバル保険(保険会社)》
同級生:石原勇気(横須賀大学・4年生:社会学部)
《勤務先:日本開発不動産(不動産会社)》
同級生:木内早苗(横須賀大学・4年生:商学部)
《勤務先:アジアパシフィック証券(証券会社)》
【第10話】かけがえのない友
卒業以来一人ひとりが人生の道を歩みだしているが『つかの間の夏休み』に再び4人は出会う事となった。
4人は伊豆の温泉宿に泊まる計画で楽しそうな一時を過ごしていた。
石原:
『着いた、着いた。今回お世話になる旅館だ!』
木内:
『大きくて素敵な旅館ね!』
佐々木:
『立派な旅館だな!さっそく中に入ろうよ!』
旅館従業員(女性):
『本日は、お越しいただきありがとうございます』
『どうぞゆっくりとお寛ぎください』
宮崎:
『本当に素敵なところね!』
佐々木:
『石原、よくお前こんなところを見つけたな!』
石原:
『海の見える露天風呂があるから後で行こうぜ!』
旅館従業員(女性):
『間もなくお食事の時間となります。どうぞ2階のオープンレストランへお越しください』
石原:
『お腹がすいたから荷物を置いて食事をしようぜ!』
木内:
『男性陣の部屋は6階で私たちの部屋は別館の5階らしいわ』
佐々木:
『そうか!では荷物を置いたら2階のオープンレストランに集合だね』
佐々木・石原と宮崎・木内はそれぞれの部屋に向かった。
木内:
『大きな旅館だから迷っちゃうね!』
宮崎:
『私たちのお部屋は「楓」だからしっかり探してね』
木内:
『え~と、どこかなお部屋はぁ~』
宮崎:
『早苗!』
木内:
『何よ!』
宮崎:
『お部屋を通り過ぎているよ!』
木内:
『おっと行きすぎてしまったか、バック・バック・・』
宮崎:
『どんなお部屋かしらね』
木内:
『ドキドキするね』
宮崎:
『扉を開けるよ!』
宮崎はゆっくりと部屋の扉を開けると趣のある和室が広がっているのが見えた。
木内:
『すてき~!ゆっくりできそうだね』
宮崎:
『お茶でも飲もうか!?お茶菓子もあるし』
木内:
『そうだね!折角だし』
宮崎:
『私がお茶を入れるね』
木内:
『ところでさぁ、ひとみって佐々木君と手を繋いでいたけど付き合っているの?』
宮崎:
『付き合ってなんかいないよ!灯台から落ちそうだったから佐々木君の手を掴んだだけだよ』
木内:
『それにしても長くない!?ずっ~と手をつないでいたよね、写真の撮影中に!』
宮崎:
『ずっとなんか繋いでないよ』
木内:
『佐々木君の事が好きなの!?』
宮崎:
『好きだけど只の友達だよ!』
木内:
『正直に言ってみて!』
宮崎:
『まだわからないな!?』
木内:
『わからないってどういう事よ、まるで告白をされるのを待っている見たいじゃない』
宮崎:
『早苗は好きな人いないの?』
木内:
『私は佐々木君が好きかな!』
宮崎:
『佐々木君はやめといた方が良いよ』
木内:
『何でよ、良い男じゃない!』
宮崎:
『きっと佐々木君には好きな子がいるんだよ』
木内:
『付き合っているのかな!?』
宮崎:
『わからないけど、やめた方が良いよ!』
2階のレストランでは佐々木と石原が食事を食べ始めていた。
石原:
『遅いな!あの二人、何やってんだよ!』
佐々木:
『そのうち来るだろ!先に食べてようぜ!』
石原:
『そうだな!、佐々木とは久しぶりだからな』
佐々木:
『ところで良くこんなすごい旅館を予約することが出来たな!』
石原:
『実はこの旅館は俺の叔父さんの会社なんだ』
佐々木:
『叔父さんって、お前が今勤めている「日本開発不動産」の社長かよ!』
石原:
『そうなんだ!社長(叔父)に相談したらこの旅館の社長に連絡をしてくれて話がまとまったんだ!』
佐々木:
『なんだよグループ会社かよ、石原ってすごい一族だったんだな!』
石原:
『俺の父親の弟が今の会社の社長だからいろいろと助けてもらっているよ』
佐々木:
『おやじさんも会社を経営してなかったけ!?』
石原:
『俺の親父はゼネコンの会社を経営しているけど、社会勉強のために叔父さんの会社へ入社させれられたんだ』
佐々木:
『行く行くは親父さんの所を引き継ぐのか?』
石原:
『俺は叔父さんのところで勉強したら独立を目指すつもりだ!』
『佐々木はどうなんだ!?』
佐々木:
『俺は今の会社で上を目指す、やれるところまでやってみるょ!』
石原:
『そうか!お互い頑張らないとな!』
佐々木と石原が食事をしている所に宮崎と木内がようやくレストランへとやってきた。
宮崎:
『ゴメン、遅くなっちゃった!』
石原:
『このレストランはバイキングだから料理を取ってきなよ!』
木内:
『美味しそうな料理が沢山並んでいたよ!お寿司でもたべようかな!』
佐々木:
『鉄板でシェフが焼いている伊勢エビも美味しかったよ!』
宮崎:
『早苗、早くお料理を取りに行こう!』
宮崎と木内は空腹を満たすために小走りでお料理を取りに行った。
石原:
『随分とまた沢山の料理を取ってきたな!』
木内:
『どれも美味しそうで目移りしちゃって!』
石原:
『何度取りに行ってもかなわないんだぜ!』
宮崎:
『しかし、この旅館を予約するのは大変だったでしょ!』
石原:
『この宿は露天風呂が自慢だからさ、ゆっくりと寛いで過ごしなよ』
木内:
『なんか、石原君の経営している宿みたいだね』
石原:
『そんなんじゃ~ないよ、たまたまラッキーだったんだよ』
宮崎:
『さっき旅館の入り口で見つけたんだけど近くにモンキーパークがあるみたいだよ、明日行ってみない!』
石原:
『確か、ジャングルの中にサルと一緒に入れる温泉があったと思うよ』
木内:
『では決まった、明日はそこに出かけましょう!』
4人は再び楽しい一時を昔話を交えながら夜遅くまで語らい合っていた。
~続く~