
いつまでも切ない恋の思い出に【Vol.2】
【出演者】
主役:高橋健司(川崎:明星高校・2年生)
相手方:井上さくら(横浜:旭ヶ丘高校・2年生)
【バスケット部員】
キャプテン(3年生):市川
部員(3年生):吉田・金子・角田・田村
部員(2年生):小林・佐藤
【友達】
主役 友達:小林智樹(川崎:明星高校・2年生)
主役 友達:佐藤勇気(川崎:明星高校・2年生)
相手方友達:三上由紀(横浜:旭ヶ丘高校・2年生)
二章 《再 開》
~転校~
バスケットボールの大会が3日後に近づいてきた。
健司たちは、日ごろの練習の最終段階に差し掛かっていた。
バスケットボールの大会が3日後に近づいてきた。
健司たちは、日ごろの練習の最終段階に差し掛かっていた。
市川キャプテン:
『今日は、オフェンスフォーメーションについての連携を確認する』
『各自、ポジションに付け』
市川キャプテンはガードを担当し、チーム全体の動きを見渡しながら的確にサイン(指示)を出していた。
そして、健司は、シューター兼フォワードというポジションを担当していた。
市川キャプテンは、天井に左の人指し指を高々と指示した。
金子(3年生):
『フォーメーションAの合図だ』
全員が緊張の趣きでフォーメーションAの準備に入った。
最初は、右エンドライン付近にいた吉田(3年生)が、フリースローラインに上がりゴールに背を向け立ち止まり、左45度付近にいた金子が右エンドライン付近に移動した。
右エンドライン付近にいた金子と左エンドライン付近にいた佐藤(2年生)がそれぞれ右45度付近・左45度付近に向かう。
ボールを持った市川キャプテンが、フリースローラインにいた吉田にボールをパスしたとたん、左45度付近にいた健司が、吉田の左脇を交わしながら右エンドラインへ切れ込んでいく。健司の動きをみて市川キャプテンは、吉田の右脇を交わしながら左エンドラインへ向かう。
ボールを持った吉田は、リングが見えるよう振り返り、ディフェンスを交わしながら、右エンドライン付近にいた健司にパスをする。
そして健司は、右エンドラインから3ポイントシートを放った。
審判: 『カウント』
見事、3ポイントシュートが決まった。
市川キャプテン:
『集合、本日の練習はこれで終了だ』
『みんなに新入部員を紹介する。』
『本日から、我がバスケット部のマネージャーとして入部した井上さくら君だ』
『井上君は、旭ヶ丘高校からこの明星高校に転校してきた』
『お兄さんがバスケをやっており、井上君はバスケットが好きなそうだ』
さくら:
『初めまして、マネージャーをやらせて頂きます「井上さくら」と申します』
『転校して間もないので、まだこの学校の事が良くわかりませんがよろしくお願い致します。』
小林:
『かわいい~』
佐藤:
『小林、黙ってろ』
市川キャプテン:
『みんな、井上君の事をよろしく』
『大会も近いので体調管理には十分気をつけるように、それでは解散』
~マネージャー~
次の日(大会まであと2日)
市川キャプテン:
『今日は3vs2速攻の練習をする』
『角田(3年生)・小林(2年生)はディフェンスをやれ』
『さぁ開始だ!』
市川キャプテン・金子(3年生)・健司(2年生)の3人は、互いにパスを行いながら、ゴールリングを守る角田(3年生)・小林(2年生)へと向かっていった。
3人は、ゴールを守る角田と小林を巧みに交わし、パスを受け取った市川キャプテンがシュートを放った。
シュートは見事ゴールリングの中に吸い込まれていった。
再び、数時間3vs2速攻の練習が繰り返された。
さくら:
『市川キャプテン、休憩の準備ができました』
市川キャプテン:
『よ~し、みんな20分休憩だ』
部員達は、心地よい汗をタオルで拭きながら、テラスサイドに向かった。
小林:
『超、美味しそうなケーキがあるじゃん』
さくら:
『先日、横浜のケーキ屋で食べた時、とっても美味しかったから取り寄せたの』
佐藤:
『疲れた時には最高だな!』
小林:
『なんて気が利くお嬢様なんだ、なぁ健司』
健司:
『うん、美味しそうだね』
さくらもまた、健司の事を覚えていた。
さくらと健司は、再び目と目で見つめ合っていた。
市川キャプテン:
『よ~し、休憩はおしまいだ』
『各自シュート練習を行う』
『一人20本決めるたら今日の練習は終わりだ』
吉田:
『やったー、あと2本で終わりだ』
数時間が経つと、続々と『20本達成』の声が聞こえてきた。
市川キャプテン:
『みんな、終わったか』
『明日は、大会前の休日だから怪我のないように過ごすように』
『本日は、解散』
部員一同は、部室に向かって歩き始めた。
そして健司もまた、シュートフォームを頭に描きながら歩いていると、後ろから誰かが呼び止める声がした。
さくら:
『高橋君~』
健司が振り返ると、そこにはさくらが立っていた。
さくら:
『この前のスマホのお礼をさせてもらえない』
『明日、予定が合えば一緒に横浜を散歩しようよ』
健司:
『Ok、明日の予定は何もないや』
さくら:
『じゃ、AM10:00にみなとみらい駅で待ち合わせね』
健司:
『わかった』
さくら:
『明日ね、バイバイ』
健司は、突然のお誘いに困惑していたが、内心はとてもうれしかった。
- To be continued -