【企画参加】合わせ鏡の君Vol.2
山根あきらさんの企画への参加作品です。
お題は「合わせ鏡」です。
1.前回までのお話
霊獣中学校に通う天音(あまね)は、礼拝堂の透明体のピラミッドを発見し、頂上を目印にテレポートしてみるが‥
天音は飛翔魔法で宙に浮きながら、サッカーコート2面くらいの巨大なピラミッドの頂点に焦点を合わせる。
頂点から立ち昇るように🌈が見える。ピラミッドの頂点に向かって、七色の光が収束している。
よし、これなら目標地点の設定は簡単だ。
👩🦳「時空連結!」
天音は目標地点と、自分の現在位置の座標を設定し、目標位置と現在位置の空間を、半径1メートル、つまり直径2メートルの円形を、ごっそり位置替えをするイメージを固めた。
👩🦳「よし、いける‥」
「時空反転!」
天音が呪文を唱えると、一瞬でピラミッドの頂上から1メートル上に移動し、あとは飛翔魔法で、ゆっくりと降り立ち、透明なピラミッドの中を覗いてみるつもりだった。
‥
👩🦳「あれ?」
頂上より上に転送される予定が、なぜかピラミッドの内部の頂上付近の上空に転送された。
👩🦳「!」
間違えた、間違えた、ヤバい、ヤバい、頂上の内部から床下まで、200メートルはある。
ビルの高さなら、25階の高さだ!
ヤバい、ヤバい、とりあえず飛翔魔法で、もう一度体勢を整えて‥
あっ‥、魔力切れだ、忘れていた、時空連結からの時空反転で、一気に魔力を使い果たしてしまった。
👩🦳「ひゃーダメだ!落ちるぅ〜」
走馬灯のように、自分が幼い頃から、母が旅立つ背中にしがみつき、父に引き剥がされ、泣きじゃくる自分、気が狂ったように、魔法と霊獣の勉強に明け暮れた日々、父の笑顔、母の笑顔、父と母の間で手をつなぎ笑い会う日々、再び引き剥がされ、泣きじゃくり、勉強、訓練、勉強、訓練、傷だらけの手、床に滴る汗と涙‥
👩🦳「あっ!」
唐突に、霊獣召喚の試験を思い出し、昨日徹夜で仕込んだ、霊獣を腰の竹筒に入れていたのを思いだした。
一瞬、気を失っていたのか、その間も急速に地面が目の前にせまる。
👩🦳「いでよ水龍!」
竹筒から大量の水が噴水の⛲️ように立ち昇り、🌀渦巻きような形に変化する。
天音が床下に叩きつけられる一瞬手前で、床にウォータークッションのように、天音を包み込み、ぽよんと天音の身体が跳ねた。
👩🦳「うっわー、ヤバかったー」
🌀渦巻きが、少しずつ🐍蛇のような型から、だんだんと、水竜🐉の輪郭を明確にしていった。
🐲「こらー!天音!!」
👩🦳「ごっ!ごめんてぇー」
🐲「まったく、ムチャしおる‥死ぬ気か!」
👩🦳「ごめん、ごめんネビュラ、ギリギリ間に合ったから、オッケーってことで」
🐲「アホーーー!、もし昨日のうちに召喚魔法の詠唱を終えていなかったら、マジご臨終じゃぞ、まったく、この考えなし!、あんぽんたん!」
👩🦳「ひっ!ひどい、もーいいじゃん、とにかく助かったよ、ありがとネビュラ♡」
天音がチュッと、水龍の頬にキスをした。
🐲「!、なっ‥」
(まったくかわいいヤツめ)
👩🦳「あれ?ネビュラ、照れてる?あれれー」
🐲「と‥とにかく!魔力の使いすぎだ、もっと計画的に使え、あんぽんたん」
👩🦳「はい、はーい、気をつけまーす」
🐲「まったく、この子は‥」
👩🦳「それよりネビュラ、なんかよくわかんないけど、ピラミッドの中にせっかく入ったんだから、ウワサの御神体を見にいこうよ」
🐲「!、おいおい、やめておけ、中に入っただけで、懲罰モノだぞ、御神体をかってに見たら、それこそ死刑だぞ!」
👩🦳「またまたぁー、ネビュラはオーバーだなぁ、チラッと見たら、先生たちが来る前に、テレポートで外にでるよ」
🐲「オマエなぁ、魔力切れてるだろ。。」
👩🦳「あっ!」
🐲「あ!じゃねーよ、あんぽんたん」
(つづく)
最後まで読んで頂きありがとうございます。明日には完結する予定です。つづきをお楽しみに
2.EDテーマ
『心海』〜Eve〜
それではまたー