『はるかなカナタ』01〜執行猶予10秒⁉︎〜
貴方はいつも突然、彼方からやって来た。
ハルカは台湾のお客様との会議のため、台南市の繁華街のビジネスに、女身一つで眠っていた。
部屋でハッと気がついて目が覚めた時、身の毛がよだつような、寒気を感じた。
誰かが、部屋の中にいるっ⁈
人間の脳は本来、野生の生活を営んでいた時代からずっと、本能的に身の危険を察知するため、進化してきた。
一瞬で、5W2Hが起動する。
なに?どこ?いつ?どうやって?
そして‥少し冷静になり、
最後に残る、疑問が思わず口に出た。
「‥なぜ?」
アタシ、寝る前に鍵を掛けなかった?、なんで人が自分の部屋に入っているの?
夜這い?
なんなの、どういうこと?
暗闇から警察官のような服を来た
若い男が、腕を組んで仁王立ちしている。
「春野ハルカ、時空干渉罪により死罪、執行猶予は10秒だ」
「1、2、3‥」
まるで片付けをしない
子供を躾ける親のように、
無慈悲なカウントが始まる
「えっ⁉︎えっ⁉︎
ちょっ‥ ちょっと待って!」
(つづく)