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【WACK外伝】盲目の吟遊詩人1-04「街までの距離」

第1章 旅のはじまり

第4話 「街までの距離」

【登場人物】
フーゴ 風の国王子、めんどくさがり
Hiro 🐦フーゴの相棒、神の遣い
石頭 六人衆の頭、石の国王子
六人衆 ガイコツの戦士集団
天空の竜 風の国守護神、心配性

【前回までのあらすじ】
風の国の王子フーゴは、街へ行く途中
石の国の王子“石頭“に見つかり
ガイコツ六人衆に囲まれピンチに
その様子を見守る天空の竜の姿が

フーゴは幼い頃から目が見えない
そのかわりに音の反響で距離を測る

左脇に抱えた竪琴の弦を右手で弾く

びいぃーーーーーん

フーゴは反響音から周囲の状況を知る

・・・

なんかみょうだな‥
人のようだけど、なんか無機質な感じ

フーゴは違和感を感じ、右肩に乗る
相棒の🐦Hiroに語りかける

「Hiro!外の様子を知りたい
 なんかみょうなんだ‥」

「たしかにおかしいな‥
 周囲を6人に囲まれているが
 リーダーらしき男との距離は
 ざっと、1kmほど離れていた
 どうやって指示だしてるかわからん
 だが、みょうに統制が取れる感じだったな」

「Hiro、もしかしたら僕たち
 ハメられてるかもしれない‥」

「なに?!どいうことだ?」

「なんか6人の配置が妙なんだ‥
 捕まえるならもっと近づいてくる
 6人が円陣を組むようにきれいに
 等間隔で僕らの周囲を囲んでる」

「まさか‥!魔法陣か?」

「まるで、僕が“天空の竜“を出すの
 警戒しているような布陣なんだ」

「なるほど‥ただの盗賊じゃなさそうだな、ワシらが何者か知ってるってことだな‥、どうするフーゴ?」

「‥うーん」

フーゴは右手をゲンコツにして
その上にアゴをのせて神妙な顔した

「やばいな、こりゃ詰んだな‥
 どんなに敵が強いヤツらでも
 天空の竜を呼んでやっつけてやる
 つもりだったけどムリっぽいなぁ‥」

「フーゴ、今回は逃げたほうが
 得策じゃないか?」

「だね、でも街まであと一時間‥
 距離にすると、約10kmくらいか‥
 僕は走れないし、逃げるのはムリっぽいね‥」

「どっちにしろワシらだけじダメだな」

「だね、こりゃ仲間呼ぶしかないなぁ‥
 Hiroはノートガルドに知り合い
 いるんじゃなかったけ?
 ちょっと呼んできてよ」

「おいっ!かんたんに言うな
 ワシが急いで飛んでも
 往復で一時間はかかるぞ!
 その間、一人で闘うつもりか?」

「ああ、たぶんいけると思う
 きっと相手は、こっちの天空の竜を
 警戒して、あまり近づいてこないし
 近づいてきたら竪琴でなんとかするよ」

「‥だいじょうぶか?」

「うん、大丈夫だよ!
 どーせ、なるようにかならないしね
 さあ、Hiro行って!
 これからは時間との勝負だ!」

「わかった、ワシがもどってくるまで絶対にやられるんじゃないぞ!」

「うん、大丈夫まかせて!
 じゃあ、Hiro気をつけて
 風の神の御加護があらんことを!」

「ああフーゴもな、じゃあな!」

(つづく)

「仲間との出会い」

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