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NEW ZINE制作過程など

作っていたZINEができて、制作の中で色々発見があったので、記事にまとめてみました。



制作構想

コンセプトと大まかな仕様

コンセプトは、走馬灯の英語をGoogleで検索したときに、「人生が瞬く間に目の前を過ぎる」ってフレーズがいいなって思って、

「Life flashing before one's eyes」は直訳すると「人生が瞬く間に目の前を過ぎる」となります。死の間際や非常に危険な状況に直面したときに、人生の重要な瞬間が急速に思い出される現象を指す表現です。

走馬灯 を英語で教えて!

個展でのステートメントにもあるけど、感覚とか記憶とか薄れていくし、過ぎ去っていくものだから、このタイトルで何か作りたいと思って、とりあえずZINEを制作することを決めました。

美しい光を見つけると、不意に立ち止まり見入ってしまう。
でも、光はいつか必ず過ぎ去っていく。
輪郭は失われ、記憶から薄れてしまう。
愛する人や場所もいつか変わってしまう。大切な言葉ですら風化していく。
確かなものは何もかも目の前から過ぎ去る。
感覚だけを残して。
(以下、略)

マツオカ ヒロタカ 個展「感覚だけを残して」ステートメントより

仕様としては、記憶や感覚的なものを以下のようにとらえたので、それに合わせてトレーシングペーパーを使いたいと思いました

  • それ単体で存在しない(他のものと混じり、影響し合う)

  • 風化したり、薄まったり、不鮮明なもの

完璧なイメージではなく、印象に残らないくらいありふれたイメージで如何に構成するかはいつもやっていることなので、今回それをZINEの中でどうやるかを考えました


ZINEとしてのポイント

トレーシングペーパーをワンポイントで使っているZINEは世の中に腐るほどあるので、本文は全部トレーシングペーパーでいこうと思って、以下の記事を参考に紙を選びました

正直、1枚1枚の写真を見せるというよりも、総体としてよいものにしたいと思って、逆に1枚だけでは展示で使わないような写真を選びました。というかそういう写真しか撮ってない。


制作過程

素材について

表紙:貼合わせSトレーシング 55g A4 + アラベールホワイト <160> A3

本文:トレーシングペーパー A3 55g/㎡ Sトレーシング STP-A3K-55

表紙は本文のペラペラなのを支える意味でも厚めの紙がいいと思ったのと、もともと作例とかで見てていいなっと思ったのでアラベールホワイトにしました。

更にその上からトレーシングペーパーでくるみたいので、小さいサイズの丈夫なトレーシングペーパーを採用しました。

表紙2枚の貼り付けは、強力タイプのテープのりで貼り付けました。

本文のトレーシングペーパーはSAKAEテクニカルペーパーの製品を使いました。

イラストで説明すると、以下の順に製本しました。

  1. ホッチキス止め(本文のトレーシングペーパー+表紙アラベール)

  2. その上からテープ貼付け(表紙貼合わせSトレーシング)

中綴じのホッチキスが見えてるの好きじゃないから、ちょうどいい感じに隠れました。ちなみに中綴じってホッチキスうまく真ん中にいかなくて、結構ショックだったんだが…。僕だけ?


プリンターについて

今回、トレーシングペーパーに印刷することが最初から決まっていたので、それに向けて、どのプリンターにするか検討しました。
トレーシングペーパーにインクジェットで綺麗に印刷するためには、染料インクの方が向いていることに加え、A3まで印刷でき、値段も安くで考えました。

Canon PIXUS iX6830
メルカリで中古のものがあったので、5,980円で買ってみました。
ちょっと難ありだったけど、プリンターの構造を理解する上でもいい勉強になりました。
印刷してみると、多少インクにじみは出ましたが、それはそれでイメージが滲む感じがいいので、そのままにしています。

ちなみに事前に調べてなかったので、大いに失敗した点として、印刷品質がありました。
トレーシングペーパーには、下書きでいいんですね。


制作物の紹介

タイトル「マイライフ・フラッシング・ビフォー・ワンズ・アイズ」

ステートメントがいい感じに透けてます
うしろの写真が2,3枚は透けてて影響し合ってる
ペラペラすぎて、すぐにくるくるになる…

光は留まらない。
どんな時間もいつかは過ぎ去っていく。
あの日見上げた空を、今はもう見えない。
だが、形を変え、滲み薄れ僕の中に灯っている。

光はありふれている。
かけがえのない何かを失くしたとしても、それで全てが無に帰すことはない。
特別で無くても、か細く小さくても、それが光って見えたのなら、
どんな取り留めのない日々の積み重ねも、意味はなくとも無意味ではない。

人生が瞬く間に目の前を過ぎ去る、そのとき何を思い返すのだろう。
きっとこのなんでもない瞬間、ありふれた言葉、意味もない微笑み、いつか聴いたピアノ曲。
光は重なり合い、僕の前を過ぎ去る。

ZINE「マイライフ・フラッシング・ビフォー・ワンズ・アイズ」 Statement


ZINEイベントへの参加

今回作ったZINEは、以下のZINEイベントでお披露目になります。
東京、大阪、茨城、神戸、仙台、京都、広島、金沢、名古屋、福岡と巡回するので、是非どこかの会場で見つけたらお手に取っていただければ嬉しいです。

一応、関西は以下のスケジュールなので、関西の方もよろしくお願いいたします。

2024年6月29日(土)、6月30日(日)(神戸)Mukta
2024年7月13日(土)、14日(日)(京都)kivi
2024年9月6日(金)〜8日(日)(大阪)ISEEALL

もし、ZINE観て気に入ってくれたら、展示のお誘いとかもお待ちしております(条件によるけど)ので。


以上、今回作ったZINEとその告知でした。


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