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【官民共創を考える】連携から共創のアップデートで生まれるビジネスチャンス
この2つの記事の続編です。
企業には企業の言い分も当然あって、公共性を強めれば強めるほど、事業性の幅は狭まってしまう。投資の回収が見込みにくく、さりとて契約期間が短いという手枷足枷をはめられた状況の中で、企業の創意工夫の発揮を求められても、できることが限られるというのは偽らざる本音でしょう。
結果、多くの公民連携は行政が提供してきた従来の公共サービスの担い手を企業に置き換えるだけのものになりました。そこには企業のビジネス上の創意工夫を盛り込む余地はそれほどなく、市民からすると、サービスの向上を実感しにくいものになってしまった。
COVID-19で前倒しになった未来
とはいえ、行政と企業の関係性が今のままでいいはずがありません。少子化・高齢化、何より自治体を取り巻く厳しい財政状況を考えたときに、地方自治法の原点「最少のコストで最大の効果」に立ち戻る必要があります。そう、今は官民連携をアップデートしていく時期に差し掛かっています。
今、私たちは事業的持続性(ビジネス視点)と、公共的持続性(パブリック視点)をバランスよく設計していく官民連携新時代を迎えています。私はこれを官民共創と呼んでいます。官と民がそれぞれの立ち位置を理解しながら、今は距離のある両者の間に、いい塩梅の落としどころを見つけていく作業こそが共創(コクリエーション)です。
幾つかの要素を題材に少し見てみましょう。例えば、顧客に対する考え方。企業の場合はサービスや製品には、明確な消費者像(ペルソナ)が存在します。「誰かに売れたらいいな」では売れないので当然です。ただ、これを公共サービスにそのまま提供すると、サービスの対象から外れてしまう人がたくさん生まれてしまいます。
一方、行政が提供する公共サービスの多くは「市民」とひとくくりにされてしまいます。「みんなのため」は一見良さそうですが、誰にとっても使いにくいサービスになりがちです。ユーザー像がシンプルな企業と、対象が広過ぎる自治体。官民共創時代は、この両者の間、複数のペルソナを設定していくことが大切になります。企業から見ればまどろっこしく感じるでしょうし、自治体からすれば、そんなことをするのか、と驚くかもしれません。
次に続きます。