こんにちは、スカイディスクでAIエンジニアをやっている井ノ上です。
スカイディスクではLLMHubというプロジェクトチームを立ち上げ、LLMを活用した新しい可能性を探っています。LLMの調査や活用に留まらず、社内外への発信も積極的に行っていくような活動をしております。
今回紹介するのは、LLMHHubの活用の一つでAIに漫才を作らせてみたという内容です。思ったより苦戦して面白い結果になったので、今回はその取り組みを紹介していこうと思います。
なぜ漫才を作らせようと思ったのか?
GPT-4がリリースされてから、小説を書かせたり、試験問題を作らせたり、レポートを書かせたり。。。と色んな用途でAIが作ったものが紹介されていました。
しかしAIが作った面白い漫才は私はまだ見たことがありませんでした。(単純に調査不足かもしれません。)なので、自分で試してみようと思った次第です。
また、AIで面白いといったような抽象的な感情を表現する際に、どのような工夫が必要なのか、そもそも可能なのか興味があったので検証を行ってみました。
普通に漫才を作らせてみる
まずは、普通に漫才を作ってもらう
プロンプト
結果
はい。普通に面白くないですね。
少なくとも、人前でこれを披露してくれと言われたら絶対に無理ですね。
頑張って改良する
さっきのはプロンプトが単純すぎたので、面白い結果が出なかったのかもしれない。プロンプトを改良して試してみます。
プロンプト
結果
やっぱり面白くないですね。急に話題が飛んでしまうような挙動をとることが気になります。
より漫才を面白くするために、一般的なアプローチはプロンプトの改良があると思います。Few-Shot-Promptingで漫才を例示することも考えられますが、AIが漫才を創造する感じが薄くなってしまうので、個人的にはFew-Shotは何か違うなと思っていました。
今回はAPIキーも使用できるという状況なので、異なるアプローチを試してみようと思います。AI同士に会話させるプログラムを作成して、ボケとツッコミのAIをそれぞれ作って会話させることで漫才を作る方法を試してみます。
ボケとツッコミのAIをそれぞれ作って会話させることで漫才を作る
まず、ボケ役とツッコミ役にそれぞれ役割を設定しなくてはなりません。
各役割の設定は、こんな感じで設定しました。ChatGPTで使用したプロンプトと同様になるように設定しています。ただし、会話を実現するために、各役に制約を追加しています。(制約が無いと、1人で漫才の台本を全て作ってしまいます)
ボケ役の設定
ツッコミ役の設定
結果
何かちょっと面白くなった気がします。
喜びのサブルーチンあたりは、個人的には面白かったです。AIがAIに感情が無いという事を上手く利用したボケになっています。そして改良前と比較して文脈を踏まえて会話できているように思えます。
さいごに
AI同士を会話させることで、より面白い漫才が作れたと思います。
GPT-4は様々なアプローチを試すことで、結果も大きく変わってくるように思えます。このような業務外の取り組みからイノベーションが生まれることもあると思うので、積極的に様々なアイデアを試していきたいと思いました。
スカイディスクは積極採用中!
今回は業務とは直接関係のない内容だったのですが、スカイディスクは様々なポジションでメンバーを募集しています。今回の記事を面白いと思っていただけたら、是非下記URLから募集要項の確認をお願いします。