B1 20-21シーズン 富山グラウジーズのスタッツ
CS進出を決めた富山グラウジーズのスタッツを並べてみました。昨季と今季の数字の比較も行います。
1.富山の攻撃・守備のスタッツ
富山の特徴は何と言っても得点力の高さ。40分あたりの得点は、リーグトップの88.8点。フリースロー獲得数が飛び抜けて多く、2点シュート・フィールドゴールの成功率と、ペイントエリアでの得点もリーグトップです。おまけに、3点シュートの成功率もリーグ4番目の高さ。
1 on 1の駆け引きが上手く縦に切り込める選手、3点シュートの確率が高い選手(どちらも兼ね備えた選手も)が多く、距離関係なしにディープスリーを決めきれる選手もいれば、インサイドの起点になる選手もいて、内外ともに高い確率でシュートを決めています。
3点シュートの確率が高い選手が相手守備を外に引っ張り出し、インサイドにスペースができるので、ドライブで切り込めたり、センターに良い形でボールを預けたりと高確率の2点シュートに持ち込む多彩な道筋を描けます。また、センターがダブルチームでも止められなかったり、外にパスを出されて3点を喰らうこともあり、分かっちゃいるけど止められないが故に、平均して90点に近い数字を叩き出せているのだと思います。
2.富山の4Factors
4Factorsを見ても、シュート効率の高さとフリースロー獲得率(FTR)がリーグトップで、FTRに至っては平均よりも標準偏差3つ近く離れていて次元が違います。守備面では、ディフェンスリバウンド獲得率が平均に近く、相手のシュート効率・ターンオーバー率は平均を下回ります。
次に、昨季の数字との比較に移ります。
3.昨季と今季の比較① 攻撃面
攻撃面では、40分あたりの得点が13.5点増えています。ペイントエリアでの得点が7.8点増え、2点シュートの成功率とフリースロー獲得数も伸ばしていることと、フィールドゴール成功率が5.1%上がっているにも関わらずオフェンスリバウンドの本数が増えていることからもフロントコートのゴール下で優位に立てていることが垣間見えます。
また、3点シュートの試投数・成功率とアシストが増えていて、相手守備を収縮させて外から崩せていることも窺えます。
4.昨季と今季の比較② 守備面
失点も増えていますが、注目したいのは得点ほど昨季より増えていないことと、2点シュート・3点シュートの被成功率がともに下がっていること。テンポ良く攻撃をすることで、守備に回る数が増えたことで昨季と比べて失点が増えたと解釈することもできます。
ただ、他のチームと比較すると、フィールドゴール被成功数はリーグで3番目に多いです。速攻からの失点がリーグで4番目に高く、セカンドチャンスからの失点は6番目に高いところが弱点かつ改善点です。
最後に、スタッツとは関係ない話を少し。
今季から浜口HCとマブンガ選手が京都から富山に移りました。2シーズン前に同じく京都から富山に移籍したスミス選手とは、2017-18シーズンにHC・選手として同じチームで過ごしてCS進出を果たしたのですが、スミス選手の出場停止が解ける前に敗退してしまい3名でCSの試合のコートに立つことができませんでした。
その時に、CSのクオーターファイナルで敗れた相手が、今季のワイルドカード残り1枠を争ったアルバルク東京だったなとか当時の激闘を色々と思い出しました。2018-19シーズンに移籍した富山でスミス選手はCSの舞台に立ちましたが、浜口HC・マブンガ選手と共にCSの試合に臨むのは初めてになります。3年がかりで掴んだ大舞台への切符に見えてきました。本当におめでとうございます!