B1 2020-21シーズン 地区優勝クラブのスタッツ比較
終盤を迎えたBリーグ2020-21シーズン。この記事では、地区優勝を決めた宇都宮ブレックス(東地区)と琉球ゴールデンキングス(西地区)のスタッツの比較を行います。
比べる組み合わせは以下の6通り。
※1~3は無料記事、4~6は有料記事(初めての試み)にしています。無料記事のパートだけでも楽しめるような作りにしていますので、1~3だけでも是非読んでもらえると幸いです。
1.宇都宮・琉球の攻撃スタッツ(今季)
共通点はオフェンスリバウンド・トータルリバウンドの多さと、セカンドチャンスからの得点の多さ。
宇都宮のディフェンスリバウンドがリーグ10位なのは意外な印象を与えたかも知れませんが、これは本数で比較していることが原因です。獲得率で比較するとリーグ3位の73.0%。試合相手のターンオーバー率がリーグ3位の15.7%なことと、堅守で攻略に時間を要することが理由で、フィールドゴールを打たれる本数が少なく、高確率でディフェンスリバウンドを回収しても本数が稼げないという構図です。
琉球もディフェンスリバウンドの本数は4位ですが、獲得率はリーグトップの76.3%で、偏差値換算すると73.2。リーグ3位の73.0%が偏差値換算では60.9のため、琉球の獲得率の高さは際立っていてダントツの1位ということになります。
リバウンドの話が長くなりましたが、攻撃スタッツの相違点としては、宇都宮は速攻からの得点が多いことと、ターンオーバーが少なくフィールドゴールをたくさん放っていること。
2.宇都宮の昨季・今季の攻撃スタッツ
1が長くなったので、簡潔に行きます。
宇都宮は昨季と比較すると
・3点シュートの試投数が減り、成功率が下がった
・フリースローの試投数が増え、フィールドゴールの試投数が減った
・オフェンスリバウンド、セカンドチャンスからの得点が増えた
・ペイントでの得点が増えた
ということになり、ゴール下での強さに磨きがかかっています。
今季の弱点はフリースロー成功率の低さですが、成功数は昨季よりも多いです。因みに、今季のフリースロー成功率は2番目に低く、成功率7割未満は3チーム(他の2チームは横浜・SR渋谷)です。
3.琉球の昨季・今季の攻撃スタッツ
琉球は昨季と比較すると
・平均得点が5.4点増えて、70点台だった得点力が80点台に上がった
・2点、3点シュートともに試投数が減り、フリースローの試投数が増えた
・2点、3点シュートともに成功率が上がった
・アシストが増えて、ターンオーバーも増えた
ということになり、得点力・シュート成功率が向上しています。
オフェンスリバウンド数は減っていますが、これは比較対象が昨季の琉球であることと、フィールドゴール試投数が減ったことが原因です。今季のオフェンスリバウンド獲得率も堂々の1位で36.4%。昨季の37.6%が凄過ぎたし、フリースローのリバウンドは、フィールドゴールのリバウンドよりも取るのが難しい。
攻撃スタッツの比較はここまでになります。
読んでいただき、ありがとうございました。
ここからは、守備スタッツの比較に突入。
4.宇都宮・琉球の守備スタッツ(今季)
攻撃スタッツに比べて、共通点がわんさか出てきます。
・失点が少ない
・2点シュートの被成功率が低く50%未満
・3点シュートの被試投数、被成功数が特に少ない(リーグ1、2の低さ)
・フィールドゴール被成功数、被アシスト数が少ない(リーグ1、2の低さ)
・相手チームのオフェンスリバウンド数が少なく、セカンドチャンスでの失点とフィールドゴール被試投数も少ない
・速攻での失点が少ない
どちらも守備の固く、共通点も多いことが分かりましたが、次にチーム毎の昨季・今季の守備スタッツの比較に移ります。
5.宇都宮の昨季・今季の守備スタッツ
宇都宮は昨季と比較すると
・フリースローの被試投数はほとんど変わらない
・そんな中、2点シュートの被試投数が減り、3点シュートの被試投数が微増
・2点、3点シュートともに被成功率が下がった
・相手チームのリバウンド数が減った
・ペイントでの失点が減った
ということになり、攻撃スタッツからも読み解けたゴール下での強さに磨きがかかっていることを再認識できます。
フリースローの数字は興味深く、フィールドゴールで得点を重ねにくい状況がフリースローで集中力を発揮させてしまうのかも知れませんし、ブースターのブーイングが封じられた影響の可能性も考えられます。
6.琉球の昨季・今季の守備スタッツ
琉球は昨季と比較すると
・フリースローの被試投数が増えた(被成功率は下がった)
・フィールドゴールは3点シュートの被試投数が減った
・その分、2点シュートに回っているが、被成功率は下がっている
・セカンドチャンスでの失点が減った
・被アシスト数が減った
ということになります。アシスト数が増えて、被アシスト数が減っていることと、3点シュートの被試投数が減っていることからチームの連係が深まったことが垣間見えます。
元から失点の少ないチームでしたが、昨季との比較で失点は若干増えています。失点が少ないという土台の上に、高い攻撃力が加わって、昨季は.659だった勝率が.760(2021年4月24日時点)まで大きく上がりました。
最後に、両チームの4Factorsを載せます。
注目したいのはリバウンド獲得率。琉球はORB%・DRB%の両方でトップに立ち、宇都宮もORB%2位、DRB%3位と高水準です。リバウンドを制して、高い勝率を実現しています。
加えて、宇都宮はターンオーバー率が低く、試合相手のターンオーバー率が高いです。リバウンドとターンオーバーの両面で相手を大きく凌駕して、フィールドゴールの数で差を付けています。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。