リバウンドを制さずにゲームを制するには?
攻撃と守備が交互に切り替わるバスケットボール。
シュートが外れた時に、攻撃側のチームがリバウンドを獲得できると相手よりもシュートを放つ機会が増えます。
そのため、攻撃側のチームは更なる攻撃機会を確保すべく、オフェンスリバウンドに飛び込み(前のめりになりすぎると、速攻を喰らうリスクもありますが)、守備側のチームは相手の攻撃を1本で切るために、ディフェンスリバウンドの確保のためにボックスアウトを含め手を尽くします。
ただ、バスケットボールの試合の勝敗を決めるのは、リバウンドをどれだけ獲ったかではなく、どちらのチームが相手よりも1点でも多く獲ったか。
ちょうど1カ月前の2024年10月3日に開幕したBリーグ。
B1で、
オフェンスリバウンド獲得率 18位(全24クラブ)
ディフェンスリバウンド獲得率 23位
であるものの、10試合を終え勝率.800(8勝2敗)を記録しているクラブが存在します。
そのクラブとは、宇都宮ブレックスです。
昨シーズンは51勝9敗でリーグ最高勝率.850のクラブ。
意外に思われた方もいらっしゃるはずで、昨シーズンはORB% 11位、DRB% 2位でした。
昨シーズンと今シーズンの4Factorsを横に並べてみると、以下のことが分かります。
・リバウンド獲得率はORB%、DRB%ともに増減率で1割以上下がった
・自分たちのターンオーバー(TO)は減って、相手のTOが増えた
・自分たちのフリースロー獲得率(FTR)は増えて、相手のFTRが減った
・シュート効率(eFG%)は昨シーズンと比べると攻守ともに昨シーズンの方が良いですが、自分たちのeFG%が相手のeFG%を4%以上高い
11月2日に行われた西地区1位の島根との試合でも、FTR以外は同じ傾向でした。
リバウンド獲得率が低くても、相手よりも得点で上回れば良いわけですが、
そのためには
1.シュートで攻撃を終える数
2.得点期待値の高いシュート
が重要になります。
4Factorsでも見たように、ターンオーバーは数でも2番目に少ないです。
相手チームのターンオーバー数は4番目に多く、率で見たときは6番目でした。この現象は、相手にオフェンスリバウンドを獲られて守備に回る数が多いため起こります。
得点期待値については、
・相手がターンオーバーで守備が整わない間に得点を重ねているが、相手の速攻は抑えている
・3点シュートを多投し、2点シュートが成功率が高いことから、シュートセレクションが良い
・相手の2点、3点シュート成功率を低く抑え、フリースローを与える数も少ないため、守備1回あたりの失点(相手の得点期待値)でみると2番目に少ない
ということが分かります。
3点シュートが多く、アウトサイドに陣取る選手が多いため、ロングリバウンドを除くとオフェンスリバウンドを獲得するのに不利に働く一方で、守備の戻りが早くなるというメリットも享受できているのかも知れません。
長々と書いてきましたが、タイトルのリバウンドを制さずにゲームを制するには?に対する回答の一例は、
「ターンオーバー(TO)でシュート本数の差を詰める」ことと、相手TOからの速攻で確率の高い2点シュートを狙いつつ、ハーフコートオフェンスではコートを広く使って「得点期待値の高いシュートを多く放つことで、得点差を生み出す」になります。
細かいスタッツについて昨シーズンと比較した表も共有します。
最後に、この記事はスタッツを基に書いただけであることを白状します。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。