ホスト名(パソコン名)とIPアドレスを管理する
パソコン環境を管理する時のキーは、
「ホスト名(コンピュータ名)」
と
「IPアドレス」です。
この二つを管理すると、ツールを導入する時とても楽になります。
・クラウドサービスを使う
・ファイルサーバー、アプリケーションサーバーなど、サーバーを導入する
・リモート接続するためにVPN(Virtual Private Network:仮想専用線)を契約する
など。
また、パソコンの管理を定常化することができるので、管理コストが下がります。
ホスト名(コンピュータ名)を管理する
パソコンには名前が付いています。
ホスト名、コンピュータ名、パソコン名、デバイス名などと呼ばれています。(この記事内では『ホスト名』で統一します)
パソコンは、ネットワーク上において、ホスト名を使って他のパソコンと通信を行っています。
そのため、ホスト目が重複しないように、同じホスト名にならないように注意します。
実は、ホスト名は購入当初からパソコンに付与されています。
「製品名+製品のシリアル番号」のように、重複しない文字列を含んだ長い名前が付与されているのです。
そのまま変えなくても良いのですが、パソコンを管理しているとき、命名規則に沿ったホスト名ならなにかと対応しやすくなります。
ホスト名の調べ方
Windowsパソコンにおいて、ホスト名を調べる方法は3通りあります。(Windows10の場合)
1.設定画面から確認する
下記を順にクリックします。
Winメニューを右クリック → システム → 詳細情報
「デバイスの仕様」の一番上に『デバイス名』が表示されています。
これがホスト名です。
2.コントロールパネルから確認する
Winメニュー → Windowsシステムツール → コントロールパネル → [システム] をクリック
『1』と同じシステム設定画面が表示されます。
「デバイス名」がホスト名です。
3.ipconfigコマンドを使う
コマンドでも確認することが出来ます。
[Windowsボタン] + R → 「ファイル名を指定して実行」画面表示
「cmd」と入力して [OK] ボタン押下。
コマンドプロンプト画面(黒い画面)でコマンドを入力します。
【入力するコマンド】
> ipconfig △ -all [Enter] (△は半角スペース)
ホスト名の命名規則を決める
ホスト名を付けるとき、事前に規則を作っておくと良いです。
Windowsの場合は15文字以内で名前を付けましょう。
15文字(半角英数)を超えると、NetBIOS(ネットバイオス)という機能の制限に抵触し、名前が認識されません。
文字数以外には命名規則に明確な決まりはありません。
自由にホスト名を決めることができます。
今後の運用を考え、使い勝手の良い名前を付けましょう。
ホスト名の命名規約の例
弊社の場合の命名規約をご紹介します。
パソコンへは、2種類の名前付けを行っています。
店舗:店舗名+IPアドレス下3桁
本部:パソコンの種類(デスクトップ(D)、モバイル(M)など)+導入年+通番(3桁)
例)「AZUMATEN001」、「D21001」、「M20025」など
(パソコン管理として、ホスト名と利用者を一覧管理しています)
ヘルプデスク対応がしやすくなる
ホスト名を設定していると、ヘルプデスク業務をしやすいです。
ホスト名のテプラをディスプレイに貼っているのですが、問合せを受けた時、そのテプラに書いてあるホスト名を教えてもらいます。
その後、リモートデスクトップでリモート接続し、不具合を修正します。
名前に規則性があると、パソコンの補修作業をしたときに記憶に残りやすいのと、一覧も見やすいので、パソコンを探すストレスが小さいです。
IPアドレスを固定化する(静的IPアドレス)
次はIPアドレスの固定化です。
通常、家庭でインターネットに接続する場合は動的IPアドレスが使われています。
動的IPアドレスは、常に識別番号が変わっていくタイプのIPアドレスです。
パソコンややルーターなどの機器を再起動し、インターネットに接続し直したときにIPアドレスが変わります。
また、機器を使用している途中でも切り替わることがあります。
IPアドレスが変わるといっても、Webサイトを閲覧したり、メールを送受信する程度ではまったく影響がありません。
固定IPアドレスは、ISP(プロバイダー)側から一度割り振られた識別番号がずっと変わらないタイプのIPアドレスです。
固定IPアドレスを使う場合は、固定IPに対応したプロバイダーと契約する必要があります。
固定IPアドレスならVPNが構築できる
固定IPアドレスを導入することの利点は、
VPN(Virtual private Network:仮想専用線)
を構築できることです。
第三者がアクセスできない、閉鎖的でプライベートなネットワークを構築することができます。
複数の拠点間を、外部から侵入できない状態でネットワークをつなげることができるようになります。
VPNが構築されると、本社と各拠点の社内LANを統合して、1つのネットワークとして使えるようになるのです。
そして、互いのネットワークにつながったPCやサーバー内のデータを自由に取り出せるようになります。
また、ノートPCやタブレットにVPNの設定を行っておけば、外出先からでも同じオフィスにいるかのようにVPNネットワーク内のデータにアクセスできます。
拠点には、VPN専用のルータを設置する必要があります。
一般家庭用の回線と比べて回線使用料が割高です。
実作業はネットワーク提供会社に設定と設置を行っていただくのが良いでしょう。
サービスを契約したあと、自力でルータを設定することも可能ではありますが、難易度がとても高くなるのでおすすめできません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?