多様性社会で自分をアップデートさせたい話
今の多様性社会って「自分がされてイヤなことを他人にしない」ってだけじゃ全然足りないじゃないですか。「自分の知らない気持ちや感覚を想像する」ってところまで求められるのがこの時代で、でもそんなに簡単にできるものじゃないと思うんですよね。他人のことって基本的によくわからないし。
だから、自分にできることと言えば「キャッチャーミットを相手に向けて構えておくこと」だと思っていて。単語に代えると「包容力」って言葉が近いかもしれないですけど、「もし相手からボールを投げてもらわなくてもミットは構えているよ」っていう姿勢は大切だと思うんです。常に自分の心を開けておくって感じかな。そのために知識を蓄えて自分の偏見を取り除いたり、考えを整理しておくのをサボらないようにしておきたいなと思ってます。
あとは相手が心を開きやすくなる行動も覚えたくて。意識的に感謝を伝えるとか、褒める、労うとか、自分をできるだけ機嫌良く見せておくとか、接客業で身につけられるものに近いかもしれませんけど、基本的に「他人の行動を変えようとする行為」にはひずみが生じやすいというか、ちょっと無理があったりするから、自分をアップデートさせていく方が手っ取り早いし効果が出やすいんじゃないかな~って考えてるんですよ。
例えば、相手に対して勝手に期待しちゃって「思ってたのと違うな」って些細なことで気持ちが沈んじゃうことってあるじゃないですか。あれって本当に無意味だなって最近よく思うんです。可能なら脳のそういう働きをする部分を焼きたいくらい(笑)、いらないなって思ってます。
これに対するアップデートは「上手な期待の仕方を覚えること」だと思っていて。僕もよくやっちゃうんですけど「何も言わなくてもきっと気づいてもらえるだろう」って相手に期待しちゃうときってあるじゃないですか。でもそういう期待の仕方って、冷静に考えるとちょっと打率低そうですよね。相手に依存する割合が大きいというか。それでも気づいてもらえたら嬉しいし、ギャンブルしちゃうのが僕らの困ったところだな〜と思うんですけど(笑)
コミュニケーションは宝くじじゃないですし、できるだけ期待通りの回答をもらえるように、言い回しを考えられるようになった方がベターだと僕は思うんです。ちょっと回りくどいけど、そうした方が双方にメリットがあると思うんですよね。「これ新しい服なんだけど似合ってる?褒めて!」とかって言うと、気づいてもらえるし、褒めてもらえる。そんで相手も無理に気を遣わなくてもよくなるし、これでWin-Winじゃないかなって。自分の行動ひとつでふたりにとって良い結果が手に入るならそうした方がいいなと思うんですよね。
まずは相手を知ることがすべての入口だと思いますけど、相手の全部を理解することってやっぱり難しくて、どうしても想像で補完しなきゃいけなくなったりもするんですよね。それが人間の面白い部分だし、すれ違っちゃう部分でもあると思うけど、どうかそれぞれの違いを楽しめるように自分の包容力を育てていきたいなと思ってます。