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第十九話:ゲノムの守護神p53

第十八話で、がん抑制遺伝子の話を少ししたが、その時私は、

宗像は、クライアントの血液を採り、セラピー前後の、これらがん抑制遺伝子の活性度を調べている。
その成果は「SAT療法」「遺伝子を味方にする生き方」「健康遺伝子が目覚めるがんのSAT療法」などの本にまとめられている。

と書いた。

「健康遺伝子が目覚めるがんのSAT療法」P.61に、宗像が4年間にわたってSAT療法を行ったがん患者のがん抑制遺伝子 BRCA2、RB、p53、RUNX3 の発現を追ったデータと解説が載っているので、今回改めて、そのまま引用して紹介する。

SAT療法とがん抑制遺伝子

SAT療法の回数と、これらがん抑制遺伝子の発現度を見てほしい。
言葉による働きかけだけで、こんなにも遺伝子が動くということを、あなたは信じられるだろうか。


第七話でお話しした「心の本質的欲求」、この3つの愛の充足が、がん抑制遺伝子の発現に大きく関係していると宗像は言う。

もう一度、この3つの愛の階層充足について復習しておきたい。

がんの患者さんはよく、「人への感謝の気持ちが大切だ」ということを口にします。他者に感謝する気持ちや、敬愛する気持ちを持つと、それによって愛されたい欲求が満たされるからでしょう。「私のいうとおりにして」「私を認めて」と、愛されることを相手に要求している間は期待どおりには愛してもらえないものですが、相手の存在にただ感謝し、相手の人格を敬愛するようになると、相手も無条件に愛してくれるようになる、そういう仕掛けになっているようです。

人は無条件に愛されて、このままの自分でいいんだと思える。ありのままの自分を許し、愛していると自分自身が満たされ、まわりにその愛を与えたくなる。共に与え合い、見返りを求めない愛の世界。それが私自身が実現したい愛の世界だ。

心の本質的欲求とがん抑制遺伝子

この3つの愛の充足とがん抑制遺伝子発現の関係についてお伝えする。上の図を見ながら読んでほしい。

愛されたい欲求が満たされると、がん抑制遺伝子のBRCA2がオンしやすくなります。BRCA2は、乳がん子宮がんに関係している遺伝子ですが、愛されることで発現しやすくなることから、私は、「受動愛の遺伝子(Passive Love Gene)」と呼んでいます。

先の図では介入3回めからBRCA2の上昇がみられているが、セラピーによって自分は愛されていたんだということに、気づいたのかもしれません。
ここで大事なことがある。
愛されているかどうかなんてのは、あくまでも主観。まわりがどうであれ、自分は無条件に愛されているんだと思い込んでしまえれば、それでBRCA2というがん抑制遺伝子が働きだし、乳がんをはじめとする女性特有のがんは消えていく可能性が高まるんだということを覚えておいてほしい。
逆に言えば、大切な人に愛されているという確信を持てないことで、女性性を否定するかのように、女性器をがんで侵す、悲しみの表現型なのかもしれません。

前回、アンジーの乳房切除のことを書いた。BRCA1というがん抑制遺伝子に変異がみられ、将来の発がんリスクが高かったためというのが手術の理由だった。

ここで、BRCA1、BRCA2 について、理解をもう少し深めるために、ウェブ検索してみたので引用しておく。

BRCA1、BRCA2とはがん抑制タンパク質を生成する遺伝子です。この遺伝子が産生するタンパク質には傷ついたDNAを修復する働きがあり、細胞の遺伝物質の安定性を確保する役割を持っています。これらの遺伝子のどちらかに変異や組み替えが生じると、このタンパク質が作られなかったり正常な機能が失われたりして、DNA損傷が適切に修復されないことがあります。そうなると、細胞はさらなる遺伝子変異を起こしやすくなり、その結果としてがんを引き起こす可能性があるのです。
BRCA1、BRCA2における特定の遺伝子変異は女性の乳がん卵巣がんのリスクを特に著しく高め、さらにその他のタイプのがんのリスク増加とも関連しています。
BRCA1またはBRCA2変異は両親のどちらかから受け継ぐことが考えられます。いずれかの遺伝子に変異のある親から生まれた子供には、50%の確率(2回に1回の確率)でその変異を受け継ぐ可能性があります。
有害なBRCA1、BRCA2変異を受け継いだ女性では、乳がんや卵巣がん、あるいはその両方を一生のうちに発症するリスクは大幅に高くなります。
一般集団の女性の約12%が一生のうちに乳がんを発症します。一方、最近実施された大規模な研究では有害なBRCA1変異を受け継いだ女性の約72%、BRCA2の約69%が80歳までに乳がんを発症すると推定されています。
(引用元:海外がん医療情報リファレンス

この数字を見ると、アンジーの恐れも想像できるのではないだろうか。

宗像の話に戻る。

心の欲求階層充足の原則からいえば、慈愛願望欲求が満たされると、自己信頼欲求が芽生え、自分のあるがままを愉しみ、人の評価はどうであれ、自分が満足するような生き方をすることができるようになっていきます。するとRBがオンしやすくなります。自分を愛することで発現しやすくなることから、これを「自己愛の遺伝子(Self-Love Gene)」と名づけました。

RBです。宗像によると、あらゆるがんに関係するが、とくにすい臓がんとかかわりが深いとのことだ。

自分を愛することができるようになると、人を愛したい欲求が芽生え、それに伴ってp53「究極愛の遺伝子(Positive Love Gene)」がオンしやすくなり、さらに、将来にわたって自分を愛し、人を愛する見通しが立つとRUNX3「愛コヒアレンスの遺伝子(Love Coherence Gene)がオンしやすくなります。」

RUNX3。これは、胃がん十二指腸がんなど、消化器系のがんと関係。愛の「見通し」なのだが、これは状況によっても左右されやすく、オン・オフを繰り返すケースもある。

そして今回のテーマ「p53」。
親に感謝し、親を愛すること、家族の誰か、あなたの大事な人を愛すること、見返りを求めない無償の愛。疑うことをせず、ただただ愛する、その存在自体を愛おしく思う。そんなことができるとオンしてくれて、あらゆる部位のがん細胞の分裂を止めてしまう。がん細胞に通じる血管が新たに作られるのをストップさせる。だから、すべてのがんを消すことも、決して夢ではないのである。

慶應義塾大学のページの中で「p53の機能の回復を対象とした、がんの治療法には限界がある?」と題され、Natureに掲載された1つの論文が紹介されているので、一部を引用する。

<p53の働き>
がんは、遺伝子に突然変異が起こり、がん化を引き起こす遺伝子(がん遺伝子)の出現することや、がん化を防ぐ重要な遺伝子(がん抑制遺伝子)の働きが失しなわれることが積み重なって、細胞が異常な増殖を始めることにより発生すると考えられています。

今回紹介する『p53』という遺伝子は、がん抑制遺伝子の中で最も有名な遺伝子の1つで『ゲノムの守護神』とも呼ばれています。

細胞は、DNAの傷害・がん遺伝子の活性化、細胞の周囲の環境変化などのストレスや刺激を、常に受けていますが、p53は刺激に応じて他の遺伝子を働かせることで、守護神の名の通り、DNAの傷の修復に関与したり、細胞の分裂(細胞周期)の調整を行ったりします。傷が修復できないほど深い場合には、アポトーシスを誘導し、異常な細胞の排除を促すという働きも担っています。例えるなら、p53の働きとは『正常な細胞を守る為の司令塔であり、その役割を果たす為に、様々な部署に的確な指示を送っている』というイメージです。

正常な細胞の維持に大事な役割を果たしているp53ですが、『多くのがんにおいて、p53の働きは失われていること』が明らかになっています。このため、p53の関連する機能を、薬剤等を用いて回復させることで、がんの有効な治療法とする研究がこれまでに行われています。

近年ではp53が組織の形成や、組織幹細胞の制御に関与している知見も得られています。

心の本質的欲求、人から愛されたい、自分を愛したい、人を愛したい、この思いのどこかに自分の課題が残っている。いま、これを読んでいて、あなたがそう感じるとするならば、それをそのまま放置せず、対処していきたいものですね。

愛を育む

養育者に愛され、自分が満足するように生きた再養育イメージをつくると、慈愛願望欲求や自己信頼欲求が満たされて自分のあるがままを愉しむ自分になっていきます。するとBRCA2が動いて、RBが動くところまではいきます。けれど、そこから先へ進展しません。積極愛の遺伝子p53やその愛の見通しの遺伝子RUNX3がなかなか発現してくれないのです。

簡単に説明する。

親、とくに母親をイメージしてみてほしい。
目を閉じて思い浮かべてみてください。そのお母さんはどんな表情をしていますか。
慈しみ深くあなたを見守ってくれていたり、にっこり微笑んでいてくれると安心するよね。愛されてるなーって感じるよね。だから、その見守られている自分を否定することも、きっとないと思うんだ。
たとえば、そんな母親の存在。
愛されていて、ありのままの自分でいい、ここまでは、なんとかできるんだけど、その自分がまわりに無償の愛を与える存在になる。
ここが、なかなか難しいってこと。
でも、ここまでできたら、乳がん、子宮がん、すい臓がんなんかには希望がもてるかも…。

* 母親の話は、これまでも幾度か書いているので、最初から読んでいない人は、話を遡って見てみてほしい。

親のイメージを変えるだけでは、p53やRUNX3を動かせない…。
そこには、

こういう人には、ヒトの時代の記憶イメージを変更する方法では癒されない、さらに以前の嫌悪系の記憶イメージがあることがわかってきました。

ということで、

ヒト以前の、猿類→哺乳類→鳥類・爬虫類→両生類→魚類→無脊椎動物→アメーバなど単細胞→バクテリアなど原始生命→有機物→宇宙の粒子の時代の記憶まで時間を戻していき、ネガティブな記憶イメージをポジティブなイメージに変更していきます。そうすると、愛されたい欲求はもちろん、自分を愛したい欲求も、人を愛したい欲求も満たされ、四つのがん抑制遺伝子すべての発現率が上がります。

遺伝子には生き残りの情報がたくさん詰まっています。つまり、自分という命に継がれてきた祖先(人になる前も含む)は死にかけていて、そのネガティブなイメージが記録されているということ。
宗像は、SAT療法によって進化の過程を遡り、問題のあるところの記憶を書き換えポジティブ化する。
そうすることで、p53やRUNX3もオンできたというのだ。

「うちはがん家系だから」と、がんによって死ぬことを半ばあきらめている患者さんは少なくありません。親、兄弟、親族はもとより、がんで死んだ人が何代にもわたって出ていて、自分も結局は助からないと思い込んでいるのです。両親や祖父母を含む前世代の記憶イメージの変更だけでは効果が出にくいのは、ヒトになってからの遺伝子に対して深いあきらめがあるからでしょう。そういう人でも、ヒト以前の進化の過程や、あるいはさらに以前のDNAをつくり出すもととなった分子・原子の記憶情報イメージを変更すると、がん抑制遺伝子の発現率が急激に上がってきます。

こんなことが起こるんだ、ということだけでも、心に留め置いてもらえたら、私は嬉しい。

アフターコロナに向けて

世界は国家という単位で分断され、経済至上で争いを繰り返している。
地球は壊れかけ、環境変化から、未曽有の災害も頻繁に起きるようになってしまった。
そんな世の中に、新型コロナウイルスが発生し、いま人の命を容赦なく奪っている。
4月7日、緊急事態宣言が出され、日本各地で外出自粛や、学校、百貨店、映画館などの使用、イベント開催の制限・停止が進みつつある。
感染拡大防止のために密閉・密集・密接の「三密」を避け、「人と人の接触を8割減らす」ことが必要、会食するな、人との距離を2メートル開けよ。
人単位で分断されていく。
一時前は、トイレットペーパーがなくなる、そんなデマ情報で、みなが買い占めに走り、奪い合った。
いまでも不織布マスクや除菌アルコール製剤の奪い合いは続いている。
なぜ分け合わない。
ネットにも他人への批判が吐き出されっ放しだ。
日本人は、いつからそんなに自分勝手になってしまったんだい。

先が見通せない、信頼感の欠如…

あなたは、この状況下でなにを学ぶのだろうか。
前回とこの話題について書くにあたって、私は冒頭で上げた3冊の本を見直した。

私たちの身体は約六十兆個の細胞が寄り集まってできています。つまり、単独では生きていけない生命体なのです。進化の過程のどの種のイメージにおいても、分子・原子レベルのイメージにおいても、原子核1個のレベルのイメージにおいても、ひとりぼっちのイメージは嫌悪系イメージとなります。また、仲間がたくさんいても喧嘩し合っているイメージがあると、自分の身体を形成する細胞も喧嘩し合うイメージになってしまいます。まさに、がんそのもののイメージです。

進化の過程に応じて理想の環境条件はそれぞれ違いますが、仲間がいて、しかも仲良し、これが、いつの時代も生命を守るための必須条件であったといっていいようです。そして、それが充足されなかった時代の記憶情報が、現在の自己イメージをネガティブなものにし、健康を害し続けているようなのです。

まさに、ここ最近、そしていまの私たちのイメージではないでしょうか。
独りぼっちは嫌悪系のネガティブイメージで、健康を害する。
それを感じるから、誰かと会食したりしたくなるのだろう。

がんにかぎらず、病気は、運命愛の関係にある相手とうまく関係を築けないことが、非常に重要なカギを握っているようです。運命愛の関係とは、一言でいうなら、問題を一緒に乗り越えていく関係です。何があっても見捨てない、生命をかけて救い合う関係を指します。運命愛の相手とは、たとえば母親や配偶者などですが、身内とはかぎらず、友人や恩師などの場合もあります。その相手と良好な関係を築くことができないと、長い間には、そのストレスが生命や精神に支障をきたす引き金となるようなのです。

がん患者さんのなかには人への不信が強い人が少なくなく、人を愛することはおろか、人から愛されることもあきらめているところさえあります。運命愛の関係を築きたいと思いながら、それが築けないのです。

人を愛することでオンするp53は、人への不信感が強い人の場合はなかなかオンの状態にはなりません。ところが、進化遡及イメージ法を実施することで、それまでバイオデータでは最後まで上がらなかったp53の発現率が一挙に上がるのです。
人は、自分がこの世に生まれてきた意味を生涯にわたって探し続ける生き物のようです。運命愛の関係とは、人間としてうまれてきた存在証明とでもいえる関係なのかもしれません。だからこそ、人はときには命をかけて、運命愛を築きなおそうとするのでしょう。

問題を一緒に乗り越えていく「運命愛」の関係。いまはこれが必要なんだよ!

悲痛な叫びの一方で、オンライン飲み会とか、人との物理的距離を保った上での上手な交流の仕方も増えているよね。
それに、自分のサービスを無償あるいはそれに近い形でシェアしてくれる人たちも出てきた。
将来への投資ととれないこともない。
けれども、儲けを度外視して、価値を提供してくれる人たちも現れてきている。
すごいと思う。

私も、そんな恩恵を少し受けたので、最後に紹介しておく。
「山崎拓巳×齋藤ソフィー【Mental Seedの法則】無料ZOOMセミナー!」
4月4日、セミナー会場での開催を取り止め、オンラインで提供されたコンテンツ。
これがなんと無料
私が申し込んだときはキャンセル待ちだったが、フェイスブックでClover出版の小川会長に伝えたところ、即時キャンセル待ちを解除いただき参加させていただけることになったのだ。
それに、後から実書籍まで、これも無料でいただけるという太っ腹企画。

で、ここに紹介したのは、そのセミナー動画と書籍を、その後1年間、希望者全員に無料で提供し続けるって話だからなのだ。
もう、神だろ。
私もまだ、この「シードの法則」については、これからオンライン講座で勉強するんだけど、セミナーに参加して、いくつかの気づきをいただいた。
小川さんは、この「本」離れの時代にあって、「本を残したい」との思いでClover出版を創業、「新人を育て共に歩む」という思いで、様々な企画を推進されている。
気になる方は、下のURLにアクセスしてみてください。
https://www.event-form.jp/event/8362/mentalseedwebinar

コロナのおかげで世界各地の空気は澄み、スモッグで覆いつくされた地域でも青空が見えたという。
オゾンホールも修復された、そんな話も耳にする。
いまの私の思いは、以下に綴っているので一度見てみてほしい。

アフターコロナはビフォーコロナに戻るのではなく、地球全体が運命愛で結ばれた世の中になることを願って。

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