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チャーリーXCX 「クラッシュ」
懐かしくも新しいチャーリーXCX
ハイパーポップって流行っているらしい。
そもそもは、スポティファイがハイパーポップというプレイリストを作ったことから注目されたらしいのだが、聴いてみたところシンセの音色が80年代風に華やかで、メロディーも起伏に富んだ分かりやすいものだった。
かと言って、ハイプな匂いプンプンかと言うとそんなことはなく、レーベルや業界主導のものではなく、アーティストの自主性が感じられるものだった。
2022年、ポップなものだから胡散臭いという図式はもう既に過去の価値観になっており、インディーかメジャーか?ポップかオルタナか?なんて議論は既にナンセンスで、ポップなものは当たり前に出てくる時代なのだろう。
少々前置きが長くなったが、チャーリーXCXの新作『クラッシュ』が絶好調だ。
彼女もハイパーポップと言われるアーティストでシンセ主導のポップなサウンドを聴かせてくれるのだが、今回の新作『クラッシュ』で表現したポップさは、今までとは段違いの分りやすさと即効性を有している。
新作『クラッシュ』はチャートのナンバーワン
その証拠にUKではアルバムチャートで1位を獲得し、ハイパーポップというサブジャンル云々という狭いシーンで語られるレベルではなく、王道感がありながらも2022年の最新ポップとしての先鋭性も同時に獲得した優れたアルバムに仕上がっている。
サウンドばかりに注目が行きがちなのだが、彼女のボーカルもとても魅力的だ。
どちらかというと、やや低めの声質なのだが、高いキーが出ないわけではなく、落ち着いた声質でポップソングをしっかりと歌いこなしている。
キャピキャピしたアイドルボイスではなく、歌モノとしてしっかりしており、そこが好感度マシマシなのだ。
ちょっと派手目のキラキラしたシンセサウンドと落ち着いた声質の組み合わせは、相性抜群でチープなところは全く感じさせない上質なポップソングを作り出すことに成功している。
50代の私が聴いて、懐かしいさと新しさを同時に感じるサウンドはとても興味深く感じるし、こうした80sのシンセサウンドを引用した音作りが若者に新鮮に感じられていることは、何だかちょっと笑ってしまうところもあるのだが、そんなところが今風でダサカッコイイのかもしれない。
最高にポップだけどきっちりと今の音として成立しており、万人にオススメできる一枚だ。