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大地を再生する竹マルシェ

今回は、昨年5月滋賀のイベントでつくった竹のテントたちについて書こうと思う。琵琶湖湖岸に位置する果樹園のイベントで、放置竹林の竹を使って空間を制作したものである。写真は下のリンクにも載せているので是非覗いてみて欲しい。

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写真ではテントしか見えていないけど、重要なのは見えていない土の中。仮設の竹構造と土中の関係をつなげて「マルシェをつくればつくるほど、大地が再生される建築」を試行してみた。

【建築をつくること = 環境破壊?】

去年の初め「大地の再生」の活動される矢野さんと出会った。「大地の再生」では、土中の空気や水の流れをつくることで、その周辺の環境を再生する手法がある。その活動をされる矢野さんから「人間が入ることで環境が多様になる風景がある、僕はそのような風景をたくさん見てきました。」とお話しいただいた。確かに里山のような環境は、人間が自然環境に対してプラスの働きをしている。
建築をつくる中で「建築行為は必ず環境破壊破壊する」と考えていたし、建築業界でも「いかに環境を壊さないようにつくるか」というような建築のつくり方が思考されていると思う。

【建築をつくること = 環境再生?】

矢野さんの言葉を聞いて、大地の再生を建築設計に組み込めば「建築をつくればつくるほど、環境が良くなる建築」が出来るんじゃないかと頭をよぎった。
そんなことを考えていたら、琵琶湖湖岸で竹のマルシェをつくれないかという話がやってきた。

【大地の再生と竹テント】

大地の再生では、地面に穴や溝を掘り、その中に竹や竹炭、笹を入れて、微生物の分解作用を利用し、土中に空気や水の通り道をつくっていく。詳しい内容についてはこの本がとてもわかりやすい。

この竹を使った「大地の再生」と「定期的に行われるマルシェ」の相性がとても良いと考えた。イベント時の竹テントをつくるためのフェーズは3フェーズ。

① テントの材料である竹を調達をしながら、放置竹林の環境整備。
② 柱を建てるための穴を作りながら、空気中に空気の通り道をつくる。
③イベントが終わった後の竹は、大地の再生の竹材・竹炭として材料とする。
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下の写真で少し分かりにくいかもだが、竹を立てるための穴には、空気を通すための管が地面に設置されており、イベント時に竹を挿せば竹テント、竹を抜けば空気の通り道となる。

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【イベントを繰り返す度に多様になるテントと自然】

イベントは年に数回繰り返されるので、その度にテントをつくる。大地の再生の工程に従って環境改善を行い、その環境改善で出てくる資源を使い空間をバージョンアップさせる未来も描いてみた。マルシェを重ねた暁には、人間と自然がお互いに居やすい空間ができているはずである。

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【最後にちゃんと建築の説明もしておこう】

建築家として、ちゃんと建築の説明もしておかなければ。。今回つくったテントはこの4種類。WSスペース、子供の演出ステージ、物販テント、飲食テント

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誰でも簡単に組立て解体ができるような仕組みでつくっている。実際のイベント時も老若男女問わず、皆さんに参加していただきながらつくった。

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前回の記事の続き、自分のメモとしてレヴィ=ストロースの動画に出てきてきた内容を。「日本の里山は、時には人間に自然を合わせ、時には人間が自然に譲る。そのようなつくり方がなされている。」という話であった。そのようにお互いが成るようなつくりをすると、共鳴し合えるのだろうと思う。そして、大地の再生の現場は、完全にPoiesis的であるし、このプロジェクトの竹テントもそうであったなと感じる。




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