町屋建築の構成要素(見た目)メモ
最近、和風建築のいろんな事例を見たいので、伝統的建造物群保存地区にたびたび行っています。その中で、ここの部分が好きだなと思ったところを思いつくままに挙げていきます!
出格子(でごうし) 〜ディスプレーとしての活用も◎〜
家の前面部分の「少し出ている部分に作った格子」です。
町屋といえばこれですね。
このでっぱっている感じがいいです。
古い街並みには木製が似合います。
そして、この格子を支えている束石(つかいし)がまたかわいいです。
【出格子ショーウィンドウ】
この出格子のニュアンスを残しつつ現代風にアレンジしたものもあります。
出格子を町屋のショーウィンドウとして活用しているっぽいものが下の写真です!格子は細い鉄製の黒にして、ガラス面がより見えるような作りになっています。
この格子はショーウィンドウ的な魅せ方がとても似合うと思います。
平格子(ひらごうし)〜THE町屋〜
飛び出していない平面につけられる格子は、「平格子」と呼ばれます。
平格子も種類もたくさんあるみたいですが、
「格子と商店」の相性がとても良いと思い、
格子と内部空間についてまた次の機会に考えてみたいと思います。
格子越しに見える空間の良さですね。
金属製の雨樋 〜銅製が好き〜
雨樋ってあまり注目してなかったのですが、金属製の雨樋が実はいい仕事をしています。
これも建物のかっこよさを作り出している一つの要素です。
滋賀県東近江にある伝統的建造物群保存地区の五個荘での景観配慮事項として「金属製の雨樋」について書かれていたことから注目し始めた要素です。以前にも、記事に書いてみたことがあります。
特に銅製の雨樋は時間経過とともに「緑青(錆)」もでてきたりと、変化する味わいが楽しめるものとなっています。
三重県亀山市関宿エリアに行った際に、街を歩いているとやたら光っている家があり、近くに行ってみると銅製の雨樋・ひさしのコンビネーションでした。
越屋根(こしやね)〜高低差をつける〜
屋根の上に設けた、彩光や通気のための屋根です。
*上の写真の赤マル部分です。どの家にもあるわけではないです。
屋根が連なっているのが、好きなのかもしれません。
この現代的な家にもとても似合いますね。
「屋根に高低差があること」が見た目的な面白さにつながっているのだと感じます。
この「屋根に高低差がある」ってのはかなりポイントな気がするので、
またどこかで考えることができたらと思います!
越屋根って、屋根の上にちょこっとだけある感じなのかなと思っていたら結構いろいろとあります。
富岡製糸場の建物。
蒸気を抜くために、かなり長く設けられています。
見越しの松〜見越の○○シリーズ〜
見越しの松、それは塀の近くに植えた通りから見える松の木。
建物ではなく庭の話ですが、
滋賀県近江八幡市の八幡エリアに特徴的なものとされるものです。
なんとなくの雰囲気として感じていた街並みの良さですが、
「見越しの松」と言語化されると一気に景観の要素として立ち上がってきますね。
見越の○○と色々とありそうですが、
景観としては木の種類を統一して「松」にしているのがよいのかもしれません。
「見越し」を統一して、樹種は色々って街並みももしかしたらあるかもしれませんね。ですが、「見越し樹木「」は道路にかかっていたりするので剪定して道路にでないようにしているお家が多そうですね。
「そこでは、伝統的建造物群保存地区だからこそ「見越しの松」が残っているのかもしれませんね。」と思ったのですが、、
「見越の樹木」の視点を持って、
新年、大阪の実家に帰った際には、近所の家々には結構「見越の樹木」ありました☆
ただ、伝統的建造物群保存地区は電柱が地中化されていることが多いので、
「見越し」具合がダイナミックにできるとは思います!
「見越の○○」については、「街並みの構成要素に名前を与える」ということがいいなと思い、どこかでこれについても考えてみたいなと思いました。
他にも、和風建築の良い要素がありそうですが、このへんで!
参考
近江八幡市HP 町屋
https://www.city.omihachiman.lg.jp/material/files/group/102/matiyayousiki.pdf
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