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下町芸術祭2023 下町の路地が持つ魅力
下町芸術祭2023に作家として参加させてもらいました。
その際、会場付近の細い路地がとても魅力的でしたので、紹介できたらと思います。
自分としては、細い路地が好きな理由は、「人の気配」が感じられることです。
生活感といってもいいですね。
道路という公共空間に醸し出される「私的な香り」
公共空間の道路の使い方が、公共空間だから私的利用ができないというよりは、
公だから私の含まれているので、少し利用してみてもいいかなという雰囲気がありますね。笑
![](https://assets.st-note.com/img/1702109172071-vo99rF0JOL.jpg?width=1200)
宅前駐輪
例えば、自転車を置く。
細かな路地にある家は庭がなく「土地と道路の境界」即建物というところが多いので、自転車を置く場所がない。
そのため、自転車を前の道路に置く。
自転車を置いたところでそんなに迷惑にはならない場合に限るとは思いますが、
道自体、地域の住民が通るくらい、自動車なども入れない、もしくは入っても通過車両は少ないなどの場所では、自宅前駐輪は問題ないのかもしれません。
(ただし、しっかりと自転車を端に寄せる配慮は忘れない☆)
宅前アクティビティ 〜雨が消すストリートアート〜
特に、芸術祭開催地である神戸市長田区の下写真の場所は、
突き当たりが商店街のため通過車両はない。
そういった場所は、特に私的な要素が強い路地となる傾向がありそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1702108012355-mDcr3Ik5JX.jpg?width=1200)
道路に、チョークで何か数字や絵が描かれていますね。
これは通過車両がなく危険が少ないシチュエーションの路地が、子どもの遊び場となっていることが予想されますね。子どもたちの楽しそうな姿が滲み出ています。
道が移動のためだけでなく、アクティビティの場として活用されている好例ですね。
そうした活動の痕跡から醸し出される「そこに住んでいる人たちの気配」もまた町の魅力なんだと思います。
そういった場所が残っているのも、神戸市長田区の下町エリアの良さですね。
道端花壇
そして、庭がないタイプの家の前には道端に置かれた植木鉢があることがあります。これが、また路地の魅力に一役も二役もかっているところがあります。
1つ目は、シンプリにみどりがある豊かさです。植物自体の良さですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1702109805915-h0PJLh1WmV.jpg?width=1200)
2つ目は、そこに住んでいる人の趣(気配)が感じられるところです。暮らしに彩りを添えるその心。植物を愛する心。その心が、道端を彩っていることがとても魅力的だと思います。
道端花壇を撮影した写真が少なかったので、GOOGLE MAPのストリートビューを駆使したのが下の写真です。ストリートビューを使えば、どんな場所で道端花壇が多いのか現地に行かずとも調査できそうだと思ったのですが、細い路地はそもそもストリートビューを撮影する車が入れないのでオープンソースでの調査も限界がありますね☆
![](https://assets.st-note.com/img/1702110016520-mVCzXL9OGQ.png?width=1200)
道端花壇に関しての名称「路地園芸」 論文も!
道端花壇は、狭い路地が多い下町によくみられます。大阪出身の僕は、以前から大阪市の道端花壇に注目していたのですが、インターネットでしらべていると、都市計画の人たちや、景観の人たちも注目しています。
路地を鉢植えで彩る現象はその「名称」も様々。
「路地園芸」
明治大学農学部 HIROTSUGU KANNO & 環境デザイン研究室さんでは、
「路地園芸」と呼んでいるみたいです。
「路地園芸術祭」
「路地園芸」というキーワードで調べているとありました!「路地園芸術祭」!
地域の子どもが黄色に塗った鉢植えを、路地園芸として見せていく試みですね。
路地園芸芸術祭という言葉から色々とインスピレーションが生まれますね☆
「路地園芸活動」
論文も書かれています。
「路地園芸活動と社会関係資本および密集市街地整備事業の関係性
〜東京都足立区・荒川区を事例に〜」
路地園芸についての考察がとても奥深く、
また詳しくは書いてみたいと思いますが、
・路地園芸は緑豊かな景観を作り出していること
ということと、
・路地園芸を行う中で、近隣住民同士のコミュニケーションがとられている。
鉢植えの株分けや、世話をしながらの会話など
→この人との繋がりや関わりを「社会関係資本」と捉え、
「路地園芸活動と社会関係資本」について考察したのが面白いですね。
他にも論文はあります。興味深い。
「密集市街地における接道部緑化と建築年代及び形態の関係
〜東京都文京区根津地区の鉢植えを対象に〜」
ここでは、街角花壇を「接道部緑化」という言葉で表しています。
名称としては、なんとなく「路地園芸活動」が自分が思っている感じにフィットしている気もします。カタカナにしたい気も。。
ストリートボタニカル、、、
street gardening !
「street gardening 」はもう言っている人がいました笑
細い路地と防災的観点(路地拡張整備)
路地園芸は、狭い路地で行われることが多いと思いますが、
そういった細い路地は防災的な観点から路地を拡張する再整備が予定される場合が多いとのこと。
下町風情が残る細い路地、しかし人命がかかる防災的な観点
![](https://assets.st-note.com/img/1702112627516-bAZpf5BoTQ.jpg?width=1200)
奥に細い路地が残っています。
この視点は、僕が大学生から考えていたテーマでもありました。
先ほど紹介した、論文でもこのバランスを考えている感じがします。
やはり、路地、ストリートが昔から好きマンです。
色々と話は広がってしまいましたが、
下町芸術祭であらためてストリートの良さに、
ストリートが好きな自分を再認識しました。