ものぐさ太郎観劇日記〜「叛乱のオペラ」
流山児★事務所「叛乱のオペラ」見て来た。会場のスペース早稲田は劇団の稽古場でもある模様。客席も含めてOFFOFFシアターくらいだろうか。そこにぎゅうぎゅうに席を作っているのが実にアンダーグラウンドっぽい。始まったら逃げ場がないのは、むりやり共犯関係にする感じでこれまた実にアンダーグラウンドっぽい。
すでに手慣れた感じで2回アンダーグラウンドという言葉を使ったけれど、いわゆるアングラ演劇というものを、それほど見てきたわけではない。紅テントや天井桟敷が大暴れしていたころはまだ中坊にもなっていない(たぶん)し、たぶん初めてのアングラ芝居は下関で当日制作のお手伝いをしつつ見た岸田理生+楽天団(演目はたぶん「糸地獄」?)ではないか。その後上京して見たのは、新宿梁山泊や万有引力、椿組くらいだろうか。唐組は一度花園神社のテントで見たけれど、黒テントは見ていない。発見の会も、早稲田小劇場も。
さて、そんなワタクシが見た今回のアングラ芝居は、初めて見た阿呆陀羅経のようなものだった。それはコラージュのようなその構成のせいもあるし、役者陣の絶妙に粒が揃っていないところとかーーそれはノスタルジーを感じさせつつ新鮮だった。劇場は流山児★事務所が持っている稽古場でもあるようで、やはり「拠点」がある勁さってあるのかなあ、と思ったりもした。
舞台は1936年のトーキョー。
ある部位が突然痛みに襲われる奇病が発生するシーンからこのドラマは始まる。
やがて病院、警察、家庭と奇病は日本中に蔓延。未曾有の叛乱二・二六事件、阿部定事件が勃発、「戒厳令」が施行される。
そんな昭和十一年の様々な庶民のありようを「虚実綯い交ぜ」にして送る音楽劇。
狂言回し的な立ち位置の浅倉さんとか「トワイライト」のとき終演後久しぶりに一緒に飲んだ坂井さんも面白い役どころだったし、以前PVの現場でご一緒した佐野さんの舞台でのお姿を初めて見ることができて、非常に嬉しくまた刺激を受けた夜だった。