ものぐさ太郎観劇日記「ゼツボーのエンゲキ」
中野のスタジオあくとれでテッピン「ゼツボーのエンゲキ」を見たー。
スタジオあくとれで行われた公演初日、誰もいなくなった劇場の隅で腹から血を流して死んでいた主演俳優。犯人は共演者かスタッフか、それともーー?関係者にはそれぞれその俳優を殺す動機はあるが、実行するには困難な状況もある。はたして捜査一課の刑事は所轄の助け?を借りて事件を解決できるのか?
バックステージものでありメタ演劇のようでもあり、メインのキャラクターたちの関係性は生々しすぎる「蒲田行進曲」のようでもあり、複雑に入り組んだ世界と謎解き、時折(いやしばしば)差し込まれる全力のくすぐりに緊張と緩和を繰り返しながら、最後のトリック解説あたりで見事一件落着かと思いきや、そこからもうひと捻り加えてちゃんとエンゲキにしているところが素晴らしい。
今年の春「ボイドタイム」でご一緒した吉田テツタさん作・演出。前説もトップギアだった。あの人間関係のリアルさは、演劇だけでなく何かしら他人に見せる(聴かせる)ものを作っている人(たち)にはしみじみ刺さる(抉ってくる、左斜め上に!)ものがあるのかもなあ、と思った師走のある夜でした。
12月22日(日)が千秋楽。