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見てきたような嘘かもしれないよ「ココロノケモノ」

劇団ミックスドッグスの公演「ココロノケモノ」配信で視聴しました。

人の心には獣が棲んでいる……ハウルは獣が見える者で構成された、犯罪集団だ。心を操り、人を動かす。構成員の杏夏は、陰の仕事で荒稼ぎしてきた。政治絡みに産業スパイ。心の黒豹は、そんな杏夏が好きだった。
ある日、おいしい依頼が舞い込む。怪しげなファイトクラブへの潜入……単なる浮気調査で終わるはずが、相棒の小野寺は満足しない。心の狼が余計な匂いを嗅ぎ付けたのだ。世界を揺るがす計画、先生と慕われる人物の本性、心に蠢く不気味な蛇。狼に巻き込まれ、泥沼に嵌っていく……
杏夏の気がかりは、それだけではなかった。小野寺が呼んだ助っ人は、半年前に別れた倫太郎、その恋人の柚綺。じゃれ合うイタチと猫の姿に、黒豹はすました様子だったが……(チラシより)

心に棲む獣、という設定に心ときめく。以前APOCシアターで見た同じ劇団の「ステダマ」の、付喪神の棲む世界もそうだけれど、単発のお芝居にするにはもったいないくらいぎゅーっと詰まった物語がいい。

ただ、100分にこれでもかというくらい詰め込んでいるせいか、細かいところに引っかかる。不満というより、疑問が次々と湧いてくる。

例えば主人公の杏夏が所属するハウルというチームがそれまでやってきたことがセリフでしか説明されていないので、どのくらい「悪い」チームなのか今ひとつピンと来ない。なんだか全然悪い人たちに見えない。だから、「我々は正義の味方じゃない」うんぬんという途中のやりとりも、どうも軽く感じてしまう。

人間とその心の中にいる獣の性別に関係はあるのかな?(ほとんど同じだったけど、ヘビは違った)獣って、「イメージ」なだけで、具体的なその動物の特徴はどのくらい人間に反映されているのか(ネコもヘビも、具体的な品種?には触れられてなかった)。登場する獣たちのチョイスは、物語が必要とするものだったのかも、だけれど、その理由まではわからなかったなあ。そして心に棲む獣の種類って、どのくらいの幅があるのだろう。哺乳類(鳥類含む)、爬虫類までは出てきた。それ以外は?

などと思いを巡らせることができるのも、お話が魅力的だったから、ではありますけれど。願わくば、連続ラジオドラマのような形でこの世界をもっと掘り下げてもらいたいなあ、と思ったことでした。

最後にひとこと。獣たちを演じた皆さんの、しなやかな、柔らかなそして力強い体の動きに魅せられました。グッジョブ!

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