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読んだはしからすぐ忘れるから!34冊目「面白くて眠れなくなる化学」35冊目「相撲の歴史」

左巻健男さんの面白くて(怖くて)眠れなくなるシリーズはわかりやすい科学の啓蒙書ですが、本書の中で触れられている「ファーブルが昆虫記を書く前に出した子供向けの科学啓蒙書」が非常に興味深いです。訳書も出ているようですが絶版らしいので、図書館で探してみたいと思います。

参考文献
「燃焼と爆発」千谷利三(槙書店)
「素顔の科学誌」左巻健男(東京書籍)
「おもしろ実験・ものづくり事典」同上(同上)
「話題の化学物質100の知識」同上(同上)
「化学なんでも相談室PART2」山崎昶(講談社ブルーバックス)
「水はなんにも知らないよ」左巻健男(ディスカバー・トウェンティワン)
「新しい高校化学の教科書」同上(講談社ブルーバックス)
「野外における危険な生物」日本自然保護協会(思索社)


続いて読了した新田一郎「相撲の歴史」は、去年図書館で出会ってからなかなか貸出期間内に読み終えることができず、何度目かの挑戦でやっと読了できました。もともとは学術論文なので、こういう割と固めの本は内容に乗ることができるようになればグングン読めるのですが、この本もその「乗り方」のコツがつかめず、苦労しました。

記紀神話の力くらべ、御前の女相撲、技芸による年占いが国家的行事=相撲節(すまいのせち)へと統合された律令時代。時代を下るにつれ、武芸大会へと変貌し、相撲人(すまいびと)は固定化する。寺社祭礼への奉納、武士の娯楽を経て、営利勧進相撲へと発展する江戸期。「国技」として生まれ変わる明治以降。千三百年の相撲史を総合的に読み直し、多様・国際化する相撲の現在を問う。

読了後、なぜ乗れなかったのかつらつら考えてみるとーー現在は「すもう」と読んでいる「相撲」の文字が「すまい」とルビが振っていることではないか、と思います。大げさなようですが、ルビがいつも振ってあるわけではないので、「相撲節」「相撲人」という単語が出てくるたびに「すもうのせつ」「すもうびと」と読んでしまい、読んでしまった直後に「いやいやすまいのせちすまいびとだし」と訂正しているうちに文章の流れを見失い、また少し前に戻って読み直す、ということを繰り返しているうちに期限が来てしまっていたのです。

相撲の起源というと例のスクネとクェハヤの戦い(相撲というより力比べといった感じ)ですが、水の神(河童)や七夕との関係も大変興味深いです。また、近世に入って特に盛んになった「勧進相撲」が明治時代に現在の形に近い「大相撲」に変化していった歴史も面白いですね。勧進って改めて思うと

クラウドファンディングのご先祖様

って感じですね(頭悪い言い方ですね)!やがて勧進興行から実質「勧進」の部分が取れて、普通の「興行」になるところがなんともしみじみします。

ほかに、「南部長瀬流が伝える南部四角土俵」「18世紀末以降強い力士を抱えた藩ーー仙台伊達家、雲州松平家、久留米有馬家、熊本細川家、長州毛利家、鳥取池田家、阿波蜂須賀家、姫路酒井家、薩摩島津家、丸亀京極家など」「大衆娯楽として融通無碍にそのときどきの社会情勢によって人々の支持を受けてきた相撲」「相撲とは何か。それは四つの層に分かれるのではないか」などなども気になった内容であります。

参考文献
「無縁・公界・楽」網野善彦(平凡社)
「相撲の歴史」池田雅雄(同上)
「大相撲ものしり帖」同上(ベースボールマガジン社)
「相撲百年の歴史」同上(講談社)
「鎌倉武士の実像」石井進(平凡社)
「二子山勝治・相撲ルーツの旅」NHK取材班(NHK出版)
「相撲社会の研究」生沼芳弘(不昧堂出版)
「シンポジウム日本の神話4」大林太良(学生社)
「中世武士団と信仰」奥田真啓(柏書房)
「古代国家と年中行事」大日方克己(吉川弘文館)
「女相撲史研究」雄松比良彦(京都てき仙居)
「相撲、国技となる」風見明(大修館書店)
「物語日本相撲史」川端要壽(筑摩書房)
「海を渡った力士たち」工藤美代子(ベースボールマガジン社)
「雷電為右衛門」小島貞二(学芸書林)
「相撲史うらおもて」同上(ベースボールマガジン社)
「歴代横綱おもしろ史話」同上(毎日新聞社)
「能の形成と世阿弥」後藤淑(木耳社)
「院政期時代の研究」五味文彦(山川出版社)
「土佐と相撲」近藤勝(土佐の相撲刊行会)
「相撲の宇宙論」寒川恒夫(平凡社)
「近世日本の国家権力と宗教」高埜利彦(東京大学出版会)
「酒呑童子の誕生」高橋昌明(中公新書)
「雨乞習俗の誕生」高谷重夫(法政大学出版局)
「武州の力士」中英夫(埼玉新聞社)
「能楽源流考」能勢朝次(岩波書店)
「横綱物語」能見正比古(講談社)
「相撲部屋物語」同上(同上)
「相撲の誕生」長谷川明(新潮選書)
「中世芸能史の研究」林屋辰三郎(岩波書店)
「いま相撲から学ぶ」針ヶ谷良一(同友館)
「横綱伝」彦山光三(ベースボールマガジン社)
「江戸時代大相撲」古川三樹(雄山閣出版)
「力士漂流」宮本徳蔵(小沢書店)
「武庫川回顧録」武庫川喜偉(ベースボールマガジン社)
「平安朝の年中行事」山中裕(塙書房)
「大相撲の経済学」中島隆信(東洋経済新聞社)

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