読んだり読まなかったりして生きて行く「元素生活」「凶手」「つけびの村」
「元素生活」は、世界を構成する118種の元素を、可愛らしいイラストでわかりやすく解説する手元に置いておきたい文庫図鑑。これ文庫化されたのが7年前なので、現在は新たな元素も出て来ているかも。アクチノイド類の元素とかほぼほぼ人工のものっていうのが驚きです。
大好きなアンドリュー・ヴァクスのノンシリーズもの「凶手」は、好きなあまり原書を入手して読んだりもしたのでした。今回、ふと思い立って再読しました。
殺し屋は、ゴースト、と呼ばれていた。自分の両手だけが、唯一の武器だ。ストリップバーで、彼は踊り子シェラと出会った。二人はお互いが同じ種類の人間であることを感じとり、美人局のコンビを組む。だが、殺人事件に巻きこまれて彼が服役しているあいだに、シェラは姿を消した。彼女を求めて、ゴーストはアメリカのアンダーグラウンドを血に染めて彷徨いはじめる……。鬼才が新境地を拓いた、非情で美しいノワール小説
シリーズ化を望む気持ちといやそれはない絶対ない、という気持ちがせめぎ合う読後感。最初に読んだときも同じ気持ちでした。佐々田雅子さんの翻訳が素晴らしい(他の作家だとエルロイの「ホワイト・ジャズ」も佐々田さんです)!アウトロー探偵バークシリーズは全部が邦訳されていないのが残念です。ヴァクスは去年の年末に亡くなっているのですよねえ(T . T)原書買うかなあ……
3冊目はノンフィクション「つけびの村」。山口県の限界集落で起きた連続殺人放火事件を追ったnoteの記事(もとは週刊誌のために取材して書いた記事だそうです)が評判を呼んで書籍化されたもの。
この村では、誰もが、誰かの秘密を知っている。
2013年7月、山口県の限界集落で起こった5人の殺害、2軒の放火。消えた男の「つけび」貼り紙が騒動を加速させるなか、残されたICレコーダーにはーーうわさ話ばっかし、うわさ話ばっかし……ただ悪口しかないーーこれは村八分の告発か?
死んだ愛犬、燃やされた草刈機。〈うわさ話〉は増殖し、ついには世間を覆いつくす。でも、知りたいのは〈本当のこと〉だ。
筆者はひとり、村を目指した。
地元(といってもこのあたりは行ったこともない)ではあるし、「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」という俳句のような貼り紙などいろいろと興味深い事件であったので、noteの元記事は知らなかったんですが、珍しく幾つかの候補から選んで新刊を購入したのでした。(買った本はそこで安心して実際に読むのが遅くなる、しかも年単位で!というワタクシの悪い癖がここでも発動したわりに、ほぼ一年後という早さ(^^;)で読み始め読了しました)非常に面白かったのです。でもひとつだけ、活字が縦組みにも関わらず数字がアラビア数字で表記されていることが残念。noteが横書きだからでしょうけど、なんというか……気持ち悪いのですよね、この表記。
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