読んだはしからすぐ忘れるから!13冊目「不幸な子供」14冊目「埴原一亟古本小説集」
プチ・ゴーリー熱で、エドワード・ゴーリーの絵本を続けて読んでおります。以前ゴーリーブーム(2000年くらい?)のときに読んでいますが、再読すると本当に救いのないお話で……とてもいいです。シャーロット・ソフィアという少女を襲う過酷かつ無情(無常)な運命。すべてのページのどこかに描かれている化け物も素敵。
続いて今年1冊目の読了本「ゴミ探訪」で初めて知った埴原一亟の「古本小説集」。シンプルな表紙のデザインが好み。作者を投影した岸赤三を主人公にした「ある引揚者の生活」「翌檜」「生活の出発」と、「ゴミ探訪」所収の「塵埃」、浅草十二階と父親の思い出「十二階」、重い病に死線を彷徨う妻のために果汁の多い果物を探し求める「枇杷のころ」、ふとしたきっかけで親しく会話を交わすようになった尾久老人の秘密を、語り手の「私」が垣間見る「かまきりの歌」の7本。どれもとても引き込まれたけれど、この作者の小説のどこに惹かれるのか、自分ではうまくいえないのですねえ。編者の解説文に「本当に書きたいことを読者の目や編集者の目を気にすることなく、自分の気持ちだけを相手に語りかけるような書き方」とあったけれど、うーん、そういうことなのかなあ、ばちーんと嵌まらなかったので、もう少し考えてみたいです。
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