目で見て口で言へ(映画篇)4本目「I AM JAM ピザの惑星危機一髪!(活弁吹込版)」5本目「「幾多の北」と三つの短編」
昨年都内で見た「I AM JAM」の活弁吹込版が横浜のジャック&ベティでかかっていたので行って来ました。久しぶりのジャック&ベティです。吹込版は冒頭今からまさに収録を始めます!てなくだりから始まってニヤリ。オープニングのあの太陽(眉村ちあきさん!)のシーンはやはり破壊的にくだらなくて楽しいです。何の説明もなく登場するゴードンという存在は最後まで謎のままだし、ジャムの両親もいるんだかいないんだかよくわからない(二階建ての一軒家にひとりで住んでるみたいなんですけど)し、「BAR仮説」(fromEテレ2355)大好きなワタクシとしてはたまらない映画といえます。ジャムの旅はいったん終わるようですが、また関東で会える日を心待ちにしております。そして、ジャムに続く物語がこれからたくさん生まれますように(ワタクシにお手伝いできることがあれば全力でやりたいです)♪
続いて池袋の新文芸坐で見たのは「「幾多の北」と三つの短編」です。「幾多の北」は、山村浩二監督が2012年から2014年にかけて月刊誌「文學界」のために描いたイラストと、それに付随する(雑誌の奥付けあたりにあったらしい)テキストをアニメーションに発展させたもの。東日本大震災後に感じた不安や苦悩が、断片的なイメージや言葉で表現されて行きます。第61回アヌシー国際アニメーション映画祭の長編コントルシャン部門でクリスタル(最高賞)に輝き、第46回オタワ国際アニメーション映画祭では長編部門でグランプリを受賞したそうです。
山村監督初の一時間越えの長編と、墨絵の動物たちがコミカルに動き、韻を踏んだような日本語の文章と英語の文章が同時に出て来る絵巻物のような「ホッキョクグマすっごくひま」(山村浩二)、点描で色鮮やかに描かれた地方の葬送儀礼と少女の記憶「骨嚙み」(矢野ほなみ)、殴り描きのようなキャラクターとポップな色使いに、言葉遊びの断片が差し込まれていて、まるでクラブで踊りながら見ているような(クラブなんて行ったことないけど)「ミニミニポッケの大きな庭で」(幸洋子)の3本の短編が上映されました。順番は「ミニミニポッケの大きな庭で」「ホッキョクグマすっごくひま」「骨噛み」「幾多の北」の順番で、個人的にはこの並びがとても良かったなあ、と思ったことです。どの作品も別々のベクトルに尖っていて、それぞれに深く深く刺されたワタクシであります。