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目で見て口で言へ(演劇篇)10本目「デイドリー無」

東中野ラフトで南京豆NAMENAMEのアンソロジー「デイドリー無」見てきました。劇団名はSNSでよく見かけていて、気になっていたのですが、やっと今回見ることが出来ました。ただし、今回の公演はアンソロジー、つまり短編(全部ほぼ二人芝居)三本立てです。

閉館する(たぶん小)劇場の片付けをする小屋主と劇場スタッフ(バイトくん?)のだらだらとした会話劇。不穏な雰囲気がうっすら漂ったりもするけれどーー二人の欲望の行方も罪と罰もあやふやなまま。「グラジ」
レンタルビデオ屋の倉庫で在庫の整理をしているバイト二人。高校時代先輩後輩の関係だった二人は、このレンタルビデオ屋で再会して付き合いだした。けれど実はその再会(いや、最初の出会い?)から微妙にすれ違っていた二人の関係は果たしてどうなるのか?「ブロンクス」
遥か、でもあるようなないような未来。欲望を失って、小さなコミュニティで暮らす人々。廃墟になった(たぶん元)レンタルビデオ屋の倉庫での、女子中学生二人の数年。学校を卒業した彼女たちはーー「コールマイナー」

主宰挨拶にもあるように、定点カメラで眺めているような、何気のない物語の断片(特に三つ目の話)。東中野ラフトというあの小さな空間にこそよく似合うお芝居だったと思うもののーーあそこでやるにしてはバランスが悪い(特に男性陣、えーと簡単に言うと、声がデカ過ぎるんじゃないか?芝居してる感が無駄に突出してるように感じた)ような。不快ではないが、相手役とのバランスが今ひとつでお尻がもにょもにょしたのだなー。市川くんの愛くるしさは全開で非常にニコニコしてしまったけど、あのお芝居をもう少し舞台っぽいところ(たとえば阿佐ヶ谷アルシェとか)で見てみたい気もしたなー。ただし、それが演出の狙いだったのならしようがないことではあります。市川くんの相手役の佐藤友美さん、以前やみ・あがりシアターで拝見したけど、最初わからんかった。役者やのう。

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