プログラムの集大成!採択企業16社による成果発表会!《ひろしまユニコーン10 STARTUP ACCELERATION 2023 DEMO DAY》
広島からユニコーン企業に匹敵する急成長企業を10年間で10社創出することを目標に掲げた「ひろしまユニコーン10」プロジェクト。16社のスタートアップが約7カ月間、世界に大きく羽ばたくべく活動を進めてきました。その集大成として3月21日、成果発表会が開催され、16社各社が7ヵ月間の取り組み内容やその結果、今後の目標などを熱く、時にユーモアを交えながらプレゼンしました。審査には広島県の湯﨑英彦知事も参加し、最優秀賞1社、優秀賞3社が決定しました。
まずは湯﨑知事による開会あいさつ
湯﨑:10年間で10社のユニコーンを県から出すという目標に対して『広島の規模では無理なのでは?』という声も聞こえます。しかし海外の事例などを踏まえると、275万人の人口で10社というのは決しておかしい話ではありません。大きな問題は、できないと思ってしまうこと。可能性を信じ挑戦する姿勢が最も大切なのです。今回、参画してくれた16社を応援してもらいたい。そしてこのプログラムが、新しいネットワークやビジネスを生むきっかけになればうれしく思います。
その後、採択企業16社によるピッチを実施。各社5分間の発表の後には、審査員から感想や激励の言葉が述べられました。
ピッチ終了後は、以下の4人によるトークセッション「ひろしまユニコーン10のこれまでと今後」が開かれました。
・広島県知事 湯﨑 英彦
・一般社団法人広島イノベーションベース代表理事兼運営委員長
ベイシス株式会社 代表取締役社長 吉村 公孝さん
・STORES株式会社 取締役 佐俣 奈緒子さん
・フォースタートアップス株式会社 マネージャー 小田 健博さん(モデレーター)
湯﨑:イノベーション立県を目指す広島県にとってスタートアップ支援は大きなテーマです。県内のスタートアップは数こそ多いものの、パワーが足りない気がしています。昨年度から2年間、このプログラムを続けたことで、大きな市場を獲得するポテンシャルがある企業が増えてきたと感じています。
小田:産学官の連携が重要と思いますが、民間の側で感じる変化はありますか。
吉村:私が運営する広島イノベーションベースでも、ユニコーンになり得る種はできてきた気がします。次は、それが大きくなる場が必要になるのではないでしょうか。
佐俣:スタートアップを立ち上げるという選択肢が、以前に比べ現実的なものになっています。そうした会社の支援者も増えてきていますね。
吉村:自分が創業した時より今の方が環境は恵まれています。だからこそ、挑む人がもっと出てきてほしいです。
小田:ユニコーン10プロジェクトには「挑戦する風土をつくる」という狙いもあります。引き続き、多くの企業に参加してもらいたいと思います。
小田:企業の急成長を実現するために必要なことは何でしょうか。
佐俣:経営・製品・財務の三つの信頼が大切だと考えています。いきなり全てをそろえるのは難しいですが、そこに向けて意見交換できるパートナーを見つけてほしいです。
吉村:結局は経営者のマインド次第だと思います。大きな目標に向かうため、骨の太いリーダーがいないと結局はうまくいきません。マインドを維持するため、起業家同士のつながりも大切になります。あるいは、例えば上場を達成したロールモデルが身近にいると、大きな目標であっても「自分でもできるかも」と思えるのではないでしょうか。
湯﨑:私がこんなことを言ってはいけないのですが、行政の支援は実務面ではあまり役に立たないこともあります。ただ、コミュニティーづくりはできます。広島を中心としながらも、外とのつながり構築に取り組まないといけません。私も起業経験があるので分かりますが、創業者は事業への思い入れが強すぎるがために、客観視が難しい。アドバイスをくれる存在は重要になります。
小田:海外展開の検討も必要と思います。ポイントはどこにあるでしょうか。
佐俣:一つは資金調達面で、グローバルに話せるCFO(最高財務責任者)がいると強いですね。また、事業が海外でも理解してもらえるような工夫も重要です。
湯﨑:実は次年度に海外展開、特にアジア圏への進出を支援する事業の実施を予定しています。ユニコーンを目指すのであれば海外進出は必須になるでしょう。例えば台湾のTSMCが半導体であれだけの成功を収めたのは、自社の強みと弱みをきちんと理解して、足りない部分を補うためには海外での協業をいとわなかったからです。そういう面では、海外のスタートアップが広島に来るというのもあっていい。
広島からユニコーン企業を創出―必ず実現できると信じています。まず1社でも先駆者がいれば、きっかけとなって次々と続いていくはずです。みんなで頑張りましょう。
トークセッション終了後は、いよいよ表彰者の発表です。
最優秀賞に選ばれたのは、コンピュータなどに情報を記録するメモリを従来の1,000倍近く高密度化することで、消費電力を約9割削減できる革新的メモリ材料「単分子誘電体」の研究開発を手掛ける株式会社マテリアルゲート 代表取締役の中野佑紀さん!
中野さんのコメント
「ピッチの経験は少なかったのですが、当社の技術でどんな課題が解決できるかを伝えられた結果だと思います。私たちのようなディープテック(専門性の高い技術)が評価してもらえたことが何よりうれしい」
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続いて優秀賞。当初は2社の予定でしたが、各社のハイレベルなピッチを受け、急きょ3社が選出されました。
まずは、日本酒の新製法「低温浄溜」で地域創生を目指すナオライ株式会社 代表取締役の三宅紘一郎さん。
三宅さんのコメント
「これからも伝統産業にこだわり、広島発の製法として全国に広めたい。将来はお好み焼きと並ぶ広島名物にするのが目標です」
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続いて、独自の万引き防止システムで犯罪のない世界づくりに挑むCIA株式会社 代表取締役の長岡秀樹さん。
長岡さんのコメント
「美しい日本の原風景が残る三次市で生まれたからこそ、社会全体の安全安心を守りたい。この受賞を追い風にユニコーンへ挑みます」
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最後に、世界最多の医療関連感染「カテーテル関連尿路感染症」の防止システムを開発する、株式会社Medlarks 代表取締役Co-Founderの松浦康之さん。
松浦さんのコメント
「元々は起業する気すらなかったが、県のさまざまなプログラムのおかげでここまで来られた。今後も支援を受けながら医療へ貢献したい」
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これにて今年度の「ひろしまユニコーン10プロジェクト」は一段落。しかし16社にとってはゴールではなく、ここからがスタートです。各社の今後の活躍を、皆さんも注目・応援をよろしくお願いいたします!!