キミはその男を知ってるか?
第1回目のRING HIROSHIMAに参戦するやいなや、そのギャラクシー規模の妄想力とジョン・レノンばりの人類愛、エムバペも真っ青の突破力とジミヘン似のワイルドな風貌で、一気にトップファイターの座に駆け上がった超個性派アントレプレナー。
彼の提案した「笑顔寄付システム」はあまりにHOTなタッグの熱狂ぶりに「ザ・グッドパートナー賞」を受賞。「エイドリア~ン!」とおらび倒すロッキーに勝るとも劣らぬ感動のフィナーレを迎えたはずだった。
だが……男は再びRINGに帰って来た。新たなプロジェクトと新たなパートナーを携えて――。
嵐を呼ぶミスターRING HIROSHIMAの第2ラウンド、カオス度マシマシの「獲得言語アプリ編」、またもやゴングが鳴っちゃった!
CHALLENGER「一般社団法人 One Smile Foundation」辻 早紀さん
ということでRINGファンにはおなじみ「一般社団法人One Smile Foundation」の辻 早紀(つじ・はやき)さん。彼のカリスマ的ファイティングスタイルは前回のレポートに詳しい。
歩く台風の目、自動熱狂生成マシーンの異名を持つ辻さんに、まずは前回の「笑顔寄付システム」のその後について聞いてみた。
ネバーエンディング辻早紀劇場! 実装段階に突入した現在のプロジェクトの様子は以下のレポートで確認できる。
そんなOne Smile株が爆騰中のさなか、辻さんは新案件で再度RINGにチャレンジするという。一体何があったのだろう?
困った人を見るとほっておけないのがラブ&ピース男の真骨頂。得意のデジタル機器を武器に改革案を模索するが、その中で閃いたのが子供たちの持つ語彙を可視化させるというアイデアだった。
第2戦の相手は「言語」――新たな強敵を前に燃え上がる辻さんがいたのは言うまでもない。
SECOND「特定非営利活動法人ソーシャル・バリュー・ジャパン」竹之下倫志さん
今回RINGの虎・辻さんのセコンドに付いたのは「特定非営利活動法人ソーシャル・バリュー・ジャパン」の竹之下倫志(たけのした・さとし)さん。スタートアップ・アドバイザーとして非営利領域の資金調達や起業メンタリングを行うなど、まさにプロ中のプロである。さらに教育問題に関心を持ち、自ら「一般社団法人いじめ構造変革プラットフォーム」を設立、代表理事を務めるなどソーシャルビジネスにも造詣が深い。
これは前回に続いて盛り上がりそうな組み合わせである!
数々の起業家と並走してきた竹之下さんに、辻さんというキャラクターはどう映ったのだろう?
ちなみに竹之下さんにはセコンドのプロという以外に、ビックリするような過去があった。まさにRINGに選ばれし男!
元ガチレスラーで現スタートアップ・アドバイザーって、こんな人、世の中にいる!? さらにそんな竹之下さんが組むのも、現ミュージシャンで現カリスマ起業家って、もはや眩暈がしそうなほどの肩書の大渋滞。
なにはともあれ、足してほとんど2000万パワーズな2人の戦いの火ぶたは切って落とされた。
笑顔寄付と言語獲得が合体
辻さん総合格闘家説!?
最初2人は毎週土曜朝の定例会でアイデアを出し合った。アプリは獲得語彙を品詞別に分類することで未学習領域を明確化したり、成長率が確認できる仕様にした。さらにこのプロジェクトは言語障害の子供のフォローだけでなく、発語の抑揚をチェックすることでメンタルの状態を計ったり、認知症の検知にも応用できる可能性が出てきた。
3ヶ月近くのブレスト期間を終え、秋以降、三原の発達障害支援組織を軸に実証実験に入る。その実戦において追い風となるのが前回のRINGの経験だ。
気が付けば「笑顔寄付システム」と「言語獲得アプリ」のダブルRING状態!? いや、ダブルところではない。現実はもっとトンデモナイコトになっている。
チャレンジャーもセコンドも関係ない。いつのまにか関係者誰もがRINGに上がって「ウィ~!」みたいな。この巻き込み力、この混ぜこぜ力、この場外乱闘上等のバーリトゥード・スタイルに観客のボルテージも上がりっぱなしである。ウィ~~~~~~!
もうブレーキなんて取っちゃえ!
アクセルのみでさらなる爆走へ
ということで、やっぱり今回も熱狂の坩堝と化している辻さんのプロジェクト。むしろRINGを通して、ますます辻さん強大化してません?
もはやRING上は辻さんを中心に「ワンスマイル・ユニバース」とでも呼ぶべき猛者どもの饗宴と化している。人と人は重なり合い、事業と事業は混ざり合う。一体何なんだ、このカオス! RING HIROSHIMAの枠組みの中であまりに異色すぎるじゃないか!
やっぱり辻早紀にハズレなし。今日も広島は熱狂日和ダーッ!
●EDITOR'S VOICE 取材を終えて
個人的に辻さんとトークするのは3回目だが、気心が知れてきたからか、こちらも辻ムーブメントに巻き込まれてしまったからか、こんな原稿になっちゃいました。熱狂には熱狂を。狂騒には狂騒を。これってRING脇で観戦記を書いてた記者まで興奮してRINGに上がっちゃった感じ? ウィ~~~!
でも辻さんはこの原稿を気に入ってくれるハズ。だってプロフィールに書いてあった今回への意気込み、コレですからね。
さあ、みんなも一緒に、「ねっきょー、うっきょー!」。
(Text by 清水浩司)