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移住先の物件。まずはVRで見てみんと。【実装支援事業】
引越ししよう!となったとき、皆さんはどのように部屋探しをするでしょうか。
不動産情報サイトで検索して間取りや写真を見る?
不動産会社を訪ねて現地で内覧する?
その2つの“いいとこどり”のようなサービスを実装したのが「ひろしま空き家バンク みんと。」、そしてサービスを開発したのは(株)スペースリーです。
広島への移住を考えている皆さん、不動産会社の皆さん、そして空き家を持っている皆さん。「360°見渡せる写真」にとどまらない、「スペースリー」の効果をご覧ください。
VRでどこでも空き家内覧
(株)スペースリーが提供する「スペースリー」は、空間データを活用するクラウドソフトです。撮影は市販のカメラでOK!編集・公開まで誰でも簡単に行うことができます。
代表の森田 博和さんの「空間ごとデザインされた現代美術をアーカイブしていきたい」という思いが、VRに行きついたのだとか。
その後、VR事業と親和性の高い不動産分野に進出しました。
実装支援事業では、広島県が運営する「ひろしま空き家バンク みんと。」にこの「スペースリー」を実装することで、VRで内覧できる空き家を徐々に拡大しています。
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閲覧する人にも、サイトを運営する人にも便利な「スペースリー」。これを搭載した空き家バンクに対して、広島県への移住を考えている皆さんの反応はどうなのでしょうか。
移住者も、空き家所有者も嬉しい「スペースリー」
これまで“ひろしまサンドボックス”の中で実証実験が行われてきたソリューションの中から、実装に向けて支援しているのが今回の「実装支援事業」です。
「スペースリー」ももちろんそのひとつ。2020年の「フィールドチャレンジ事業」で採択され、江田島市の空き家バンクで実証実験を行ったことがきっかけとなりました。
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江田島市では、問い合わせから成約につながった割合が令和2年度に23.1%(91件の問い合わせ中21件成約)、令和3年度に33.9%(115件中39件)となり、令和4年度も同じくらいのペースで成約されています。
担当職員さんの実感として、「何気ない質問がすごく減った」と聞いています。
「スペースリー」導入前は、6枚ほどの写真と文章の資料のみでした。電話でのお問い合わせに対しては、職員さんもなんとか伝えようと懸命に説明していたそうです。
その点VRなら、そもそも情報量が多く、これまで受けてきた“ちょっとした質問”が減り、内容の濃い問い合わせが増えたのだとか。
“ちょっとした質問”が悪いわけではありません。でも、移住を考えている人もあらかじめVRで内覧した上で生まれたより深い疑問を問い合わせることができ、さらに現地で内覧する場合でも部屋探しに使う時間も節約できるため、その分観光や地域のことを知るための時間に充てることができるのです。
また、空き家の所有者にも評判が良く、VR付きで掲載した空き家が売れたという話を知人から聞きつけて「私の所有する空き家もぜひ載せてほしい」という問い合わせもあったと聞いています。
物件を探している方だけでなく、地元の所有者の皆さんにも受け入れられてきています。
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そして江田島市で成果を生んだ「スペースリー」を、今度は広島県の「みんと。」に実装しています。
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特に首都圏在住の方は、コロナ禍で現地内覧がしにくくなり、申請や契約などオンラインで完結したいというニーズが高まっています。いかに分かりやすく移住できるかは、移住希望者にとってとても大事。だからこそ「スペースリー」はありがたい存在ですし、今後も全国へ拡大していくのではないでしょうか。
私も次に物件を探す機会があったらVR内覧したいです。知ってしまったからには、もう離れられません(笑)。
理想のくらしを求める移住希望者には、現地に行かずとも自分のペースで内覧できる「スペースリー」はとても助かることでしょう。
現時点(取材日時点)ではまだ一部の物件のみでVR内覧が可能ですが、さらに見やすく便利な「みんと。」にするために、順次拡大していきたいと思っています。
自治体のDX化にも貢献
「スペースリー」は、誰でも簡単に編集できることも特徴のひとつ。自治体での利用が広がるためにも大きなポイントになりそうです。
「みんと。」のVR映像は、撮影と編集は事業者に委託していますが、ソフト自体は簡単に画像をはめこんで編集できるという印象です。
県内の市町では、江田島市や廿日市市などで独自に「スペースリー」を導入していますが、全県に広げていきたい。時間さえあれば、予算さえなんとかなればいいものを見せたいという思いは、きっとどの市町でも一緒だと思います。
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空き家は、家財が残っている状態で販売されることも多数あります。
今も技術的には可能かと思いますが、家財だけ消したり、自分好みに家具を置いたりすることが低コストで手軽にできるとさらに利用者によって魅力的なサービスになると思います。
物件に住んだ時のことをイメージしやすいよう、家財を消したり、壁紙をかえたりと、さらにいろいろな機能をリーズナブルに提供できるよう開発していきます。
DXという言葉は浸透してきていますが、DXを進めるためにはある程度コストがかかります。その点、VRは取り組みやすいDX化のひとつとして、自治体にもおすすめです。
●EDITORS VOICE 取材を終えて
引越してから「コンセントの位置見ておけばよかったー!」って思ったこと、ありませんか?(あります。)
特に全国を視野に移住を検討していたら、自分の好きなときに好きな場所で内覧できるのは本当に助かります。
清水さんがおっしゃるとおり、私もお部屋探しは今後VRを希望します!
(Text by 小林 祐衣)