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【連載: Perplexity超え?Gensparkの衝撃 #1】“検索×AI”が9時間の作業を7分に――Gensparkがもたらす新時代の情報収集

はじめまして。.Aiを運営しております木下寛士です。私は主に日本企業のAI導入やDX推進に取り組んでおり、本連載では「AIエージェント革命コンサル」としての実務視点から、いま注目度が高まっている生成AIや活用ノウハウをご紹介しつつ、その経営的インパクトを3回に分けて深掘りしていきます。

連載の第1回目で取り上げるのは「検索特化型AI」として急速に注目を集めているGensparkです。筆者自身も興味を持ち、実際に試してみたところ、たった数分で膨大な情報を収集し、要約してくれる機能に驚かされました。ビジネスにおける情報検索は、経営判断の精度やスピードに大きく影響します。今回はGensparkの特徴、メリット、そして企業がどのように活用できるのかを掘り下げてみましょう。


1. なぜ「検索特化型生成AI」に注目が集まるのか

1-1. 情報検索を効率化したい経営者のニーズ

経営を進めるうえで欠かせないのが、信頼できる情報ソースの収集です。決断に必要なデータや市場リサーチは、Googleなどの既存検索エンジンを利用して探すのが一般的でした。しかし、既存検索エンジンだと広告混在の結果が並び、探し当てるまでに時間がかかります。自社にマッチした情報にたどり着く前に、膨大なリンク先を精査しなければならないケースも多く、非常に煩雑です。

1-2. 生成AIブームと企業導入の加速

ここ数年、大規模言語モデルを活用する生成AIが世界を席巻しています。その波は日本企業の現場にも及んでおり、「どう導入すればいいのか」「どの分野に使うと効果的か」といった問い合わせを多くいただきます。特に検索分野では、生成AIが回答自体を直接提示してくれるので、企業のリサーチ効率を大幅に高められる可能性があります。

こうした背景があり、検索領域に特化した生成AIは「情報収集の手間を削減し、より素早く経営判断を下せる」という理由で、一気に注目度を高めているわけです。


2. Gensparkとは何か?――検索プロセスを劇的に変える新サービス

2-1. 概要と最大の特徴

Gensparkは、米国とシンガポールに拠点を持つ企業が2024年にリリースした検索特化型の生成AIです。ユーザーが調べたいキーワードや質問を入力すると、Gensparkが複数の情報ソースを参照し、それを瞬時にまとめて表示してくれます。

何より驚かされるのは**「まるで解説ブログを読むような形式」で結果を生成する**点です。自社の課題に関連する事例や、新たなビジネスチャンスにつながる情報が、そのまま整形された文章として得られるので、従来のように複数サイトを行き来する作業が激減します。

2-2. 特筆すべき時短効果――9時間が7分に

Gensparkが公開している事例によれば、従来9時間をかけて手動で行っていた市場や技術リサーチを、わずか7分に圧縮できたという実績があります。実際に利用してみると、Gensparkが「Autopilot Agent」というAIエージェント機能を自動的に動かし、複数のソースをクロール・分析し、最終結論をまとめ上げるのを確認できるのです。

この過程は数分ほどかかりますが、人間が手作業で行えば丸一日費やしかねないボリュームの情報を、自動でファクトチェックまで通してリサーチしてくれるというのは、経営者にとって非常に魅力的といえます。


3. Gensparkの主要機能とビジネス活用のポイント

3-1. 検索結果を「解説記事」化するSparkpage

Gensparkを語るうえで欠かせないのが「Sparkpage」という仕組みです。ユーザーが検索し、表示されたサマリーをもとに、Gensparkが独自の“解説記事”をリアルタイムに生成します。広告バナーやリンクが乱立することなく、要点をまとめたページが自動で完成するイメージです。

  • 自社用のナレッジ記事に: Sparkpageは作成・編集・保存ができるため、調べた内容を社内のナレッジベースとして転用できます。

  • 共有が容易: URLを共有すれば、プロジェクトメンバーや外部パートナーと同じ情報を瞬時に共有可能。

  • 画像や動画、地図の埋め込み: 生成したページに追記や修正を加えられるので、社内外へのレポート作成にも応用しやすい。

3-2. Autopilot Agent機能:多段階の自動リサーチ

Gensparkには「Autopilot Agent」という自動タスク遂行機能があります。例えば、あるプロンプトを入力すれば、AIが自動的に何度も検索→要約→分析を繰り返しながら、結論を導き出すという仕組みです。

  • ファクトチェックに対応: ビジネスや研究内容で「この話は本当に正しいのか?」といった検証をしたい場面に使えます。

  • 非同期処理: タスクを走らせたら、別の業務をしていても裏側で処理が進むため、ユーザーのタイムロスが減る。

  • 途中経過の可視化: 参照したソースや分析の過程を履歴として追えるので、経営者の視点からも「情報の信頼性」や「妥当な結論」が検証しやすい。


4. Perplexityとの違い:AI検索エンジンの選択ポイント

検索特化型のAIといえば、すでに有名な選択肢として「Perplexity」が挙げられます。ではGensparkとは具体的に何が違うのでしょうか。現状、主な相違点は以下の通りです。

  1. 検索結果の提示方式

    • Genspark: リアルタイムで「Sparkpage」という独自ページを生成し、1つの記事にまとめ上げる

    • Perplexity: 既存のWebページを抽出してリンク一覧を提示しつつ、要点をかいつまんで解説する

  2. 機能特化の方向性

    • Genspark: 複数のAIエージェントを同時稼働し、検索内容を掘り下げる「Autopilot Agent」が強力。解説記事(Sparkpage)を作成する点に特化

    • Perplexity: インターネット全体からの最新情報収集に加え、大規模な生成AIモデルとの連携を重視。API連携やモバイルアプリといった多彩な拡張性を備える

要するに「リアルタイムで、広告なしの解説ページを生成してほしい」「調べた内容をレポート化したい」「AIに多段階リサーチを自動でやらせたい」という場合はGensparkが便利です。一方で、高度な生成AIモデルを活用したり、PDFや画像ファイルをアップロードして解析したりするのはPerplexityのほうが現状優勢といえます。


5. Genspark導入がもたらす経営効果と実践イメージ

5-1. ビジネス上のメリット

  1. 業務効率の大幅UP
    社内で調べものが多い部署(経営企画、マーケティング、研究開発など)に導入するだけで、検索にかける時間が大幅に削減されます。9時間が7分になるケースもあるなど、人件費削減とスピード経営に直結しやすい。

  2. 専門知識をすぐに取得
    新市場や新技術のリサーチをする際、大量のドキュメントを1つ1つ読む手間が省ける。経営判断の初期段階で「ざっくり全貌」を把握するスピードが上がるので、先手を打った決断がしやすくなる。

  3. ナレッジ共有の促進
    Sparkpageを社内ツールと連携させて共有すれば、調べた情報を社内の誰もが簡単に参照できる。重複作業も減り、全社的な生産性向上につながる。

5-2. .AiのAIエージェントとLarkを活用した連携

これまでは、それぞれの生成AIの回答を比較検討するために、チャット・コラボレーションツール「Lark」のDocs上で複数のAIの回答を2〜4列で比較・編集する手法を取っていましたが、Gensparkを活用することで、その作業フローが大きく改善されました。Gensparkで生成したレポートをSparkpage化し、それをLarkのプロジェクトチャンネルで共有することで、現場スタッフからマネジメント層まで、組織全体で同じ情報基盤に基づいた意思決定が可能になります。

さらに、.AiのAIエージェントと併用することで、Gensparkの検索結果をもとにタスク作成や指示出しを効率的に実行できます。これにより「情報収集~意思決定~実行に至るまでのフロー」が劇的に効率化され、生産性の大幅な向上を実現しています。


6. AI検索導入はスタンダードへ

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