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公営テニスクラブと自治体スポーツ課の衝突

10月になるとテニスがしたくなる。このテニスというスポーツはどこかしら魅力があることは確かだ。しかも秋と春にプレイをしたくなる。秋は10月~11月そして春は4月~5月、これら2ヶ月づつというのがテニスシーズンといえる。なので年間4か月しか適さないスポーツともいえよう。ゲームをすると少し汗ばむ。最新のウェアを着て2時間ほどのプレイの後にシャワーを浴びる。これがたまらなく気持ちがいい。

さらには人によっては仲間と語ることもできる。場合によってはビールを飲んでプレイを振り返る。

山中湖であればそのままコテージのベットに横たわってもいいだろう。乾いたシーツで横になればすぐに寝れる。ぐっすりと寝た翌日は新しい自分に再新再生されることに気づくだろう。

わたしもこの自然の欲求が9月から抑えられなかった。ただし、いまでは山中湖に出かけることもなく、近くの公営テニスコートに見学に行く。そんな贅沢なひと時が過ごせるのではないか。そう勘違いしてしまった。

いつ行っても公営テニスコートを運営するクラブでは外見はそのように楽しそうにしている。ただ裏側の運営ははなはだしいことが起きている。それはお金と権力争い。テニスクラブの運営が行政側の管理と完全に切り離されていないことにある。それによりコート管理において衝突が起きている。公共性のない運営になっている。どういうことだろうか。

まず早朝になにかしらが起きる。早朝とは朝7時のことをいう。以前は朝6時に開始だった。ラケットにボールが当たる音がコートに響く。響くのはコート内だけではない。近所にも響くためうるさくて寝ていられない。日、祝日を問わない。朝の食事の支度をしながらその音を聞きたくはないという近隣の声があがった。そういった苦情がクラブと自治体に寄せられた。ようやく朝7時テニス開始となった。それでもクラブのひとは7時前にくる。

朝7時からテニスをする。するというのはプレイを開始することだ。しかも厳冬でもする。霜の降りる季節でもする。薄暗くても始めるのだ。夏になると5時台には明るくなる。すると4時でも自動車のライトをつけてやりたいと言い出す人もいる。朝の4時にテニスをするひとがいるのだろうか。いるはずはないが、したいというひとはこの公営コートにはいるのだ。

やがて用具をしまってある倉庫の鍵当番がある。

テニスの用具にはボールがある。だれもボールを持ち帰ることはない。しかしだれかが管理しなければならない。すると管理室の下にある倉庫にテニスボールをしまう。それには盗まれないようにカギをかけなければならない。だれがいつ忍んでくるのかはわからないためだ。怪しい人はあちらこちらにいる。ボールだけではなく、テニスに使う用具が倉庫にはそろえてある。

公営テニスクラブの人たちは朝一番でテニスをしたがる。6時であれば6時からコートに立ってボールを打ちたくなるのである。これが朝の健康テニスというものだ。やっているとテニスコートのすぐ外にはみごとな木々が植えられていることに気づく。それらが寒くなっていくと落ち葉となる。やがてテニスコートの上に落ちていくのである。その落ち葉を拾うというのを公営テニスクラブの会員のひとたちがしなければならないのである。自治体の職員はそこまではしない。

拾うのには時間がかかる。10分、15分とかかる。ほうきを使い、落ち葉を網にいれる。一ヶ所に集めて捨てる作業もしなければならない。7時にきて落ち葉拾いをしたのでははじまらない。すると自分たちでカギを開けていち清掃をする。そしてすぐにでもテニスをしたいのだ。

やがて7時になってもはやくコートにきたがる。6時45分くらいにはカギをあけて落ち葉をひろう。ボールを倉庫から出す。そうなっていく。

ところが行政から派遣された職員の人たちが管理室にいる。そのひとたちは行政のスポーツ課のひとたちであって公営クラブの会員ではない。6時に現地には行けない。早くても6時半だという。早いといっても行政の職員が朝6時半から管理室にいなければいけないのだろうか。これには首をかしげてしまう。役所の始まる時間は普通は朝9時である。

しかしながら倉庫の鍵のことでスポーツ課と公営テニスクラブの運営規則とうまく話があわない。そのために長くコートを使っているクラブ側の意向が優先してしまうという。わたしはテニスをはじめるのは朝9時からでもいいと思っている。朝7時からテニスをする理由はなにもない。そのために行政の職員が6時半に管理室に来る必要もないであろう。

普通は9時からである。しかしこういった意見が出るとクラブ会員が行政に働きかけるという。管理室の職員と意見交換をするのではなく、自治体の議員に圧力をかけるという。クラブの言い分はこうだ。

コート管理はこれまで長い間公営テニスクラブがやってきた。行政の職員はしていない。落ち葉拾い、コートの砂の出し入れ、コート整備、備品の発注・管理、そして倉庫にあるトイレの掃除。シャワー室の清掃。更衣室の清掃。行政の人たちはやってきてはいない。

ならばスポーツ課で規約をつくって施行することはできない。公営クラブの管理下であって自主管理をしてきたではないか。スポーツ課の管理にはない。そういった主張が通ってしまうのである。こういったことを自治体の議員に働きかけるのはいきすぎであろう。ただ議員が知らないではすまないこともある。

テニスをするには適した季節である。しかしながら公営コートではさまざまな葛藤が生じているのも事実だ。健康テニスとばかりはいってられない。

市民といえどもテニスならば民間のテニスクラブにはいってテニスをすればいいのではないか。