見出し画像

親離れ・子離れ

40年前と30年前にわたしの親は他界した。時期は違うものの両方から物理的に離れたのは15歳のときだった。15歳になって以降親とは住むことがなかった。そのかわり兄の家に居候として住み込み高校三年間通った。姉も親戚の家で高校三年間そして大学四年間を過ごした。いまではそういうことはめずらしいであろう。

親といっしょに暮さない。暮らすことができないという状況がはじめからわかっていた。そうすると親が近くにいなくても気にならなくなる。自然に親とは離れていった。決して自立心・独立心が強いというわけでもない。高校に通うなら親とは離れなければならないし大学にいくなら一人暮らしをしなければならない。学校の近くに親が住んでいない状況だった。

28歳で結婚をして翌年長男が生まれた。長男はこれといった問題もなく順調に成長をしていまでは仕事をしている。ただいろいろな事情があって長男はわたしと女房といまでも同じ家に暮している。ちょっとそこだけが他の家族と違うところであろう。20歳にでもなればだれでも親元から離れていく。親も子供といっしょに住んでいることが苦になる。ところがどうもわたしの家族はなぜか親と子供が仲がよくて一緒に住んでいる。

この子供が親と仲がいいというのがなかなか考えられなかった。いつかは親元から離れ親の方も子供離れをしていったほうがいいだろう。この文章では親の視点から親離れ・子離れについて書いてみます。親離れ・子離れは20歳までにした方がいい。それが主張です。理由を記してみましょう。

ひとつには親としての責任期限があるということ。20歳になればもう成長をした大人で一人暮らしをするだけの生活の基礎はあるはず。22歳まであと2年間大学の授業料はめんどうみるにしても卒業後は家を出て一人暮らしをしたほうがよい。いつまでも親といっしょにいると離れることが難しくなる。どんなに遅くても22歳になったのであれば親元から離れた方がいい。

それは親が子供にいだくものについても言えます。20歳くらいで一人暮らしを始めずに親元にいると親の方も次第に子供が家にいることが当たり前のようになっていく。いろいろと手伝ってくれるのでよからぬ期待をいだくようになる。ひょっとしたら老後に面倒見てくれるのではないか。そんな勘違いをいだくけど面倒など見てくれはしません。

ですので早めに一人暮らしをするように導いた方がいいでしょう。

次に大学の4年間で親元を離れる準備をさせる。もう大人になったということで親も他人と同じように扱ってもいいくらいでしょう。親だからという特別な感情をいだくことなくお互いに自立をした個として。自立ということは独立ということでもある。きっかけになるのが結婚をするであろうパートナーを見つけること。大学というところはパートナーを見つけるにはとてもいい場所です。たとえすぐに結婚をしなくても候補者としていつか結婚をする相手を探す。

そうして連絡を取っておくことです。気軽にデートをすることでもいいでしょう。そうすると親の方も次第に子供がいつか離れていくだろうと心づもりができる。子供も親離れできるようになります。パートナーが見つかったときに親離れ・子離れができるスタートとなるためそれを支援する。

たとえすぐには見つからなくても20歳になったら別居する。そうして一人暮らしをさせる。はじめは大変かもしれませんが慣れればできます。親元から1時間離れたところに住んでみる。不便なこともあるでしょう。食事の支度をはじめ家事をすべてやらなければならない。でもその方がいいのです。なんでも便利になってしまうと別居できなくなるのです。

いつまでも親がいるわけではありませんから20歳くらいから別居をすることを考えてはじめてみる。会社勤めがはじまれば不便であっても一人暮らしをする。そうやったほうがいいでしょう。

わたしは15歳のときに親離れをしました。ただ親からかなり早く離れてしまったため自分の子供と一緒にいた方がいいのではないかと勘違いしてしまった。それをちょっぴり後悔しています。子供の方から離れて行ってくれればよかったもののこうやって家族3人で暮らしている。それほど変ではないとしてずるずると来てしまった。親・子供双方にとてよくないことがわかっているのに。

20歳を起点に親離れ・子離れしてみる。親にとってもその方が気楽ですし子供にとっても将来のためになる。そうとらえた方がいい。親と子供がいつまでも仲良しでいるなんてちょっと変ですよね。

読者の大学生の方はいかがでしょうか。