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『ごあいさつ』

今回、この「ジュース飲み放題」を観に来てくださって、本当にありがとうございます。良かったら、この文章をパンフレットの最初らへんに書いてある挨拶だと思って最後まで読んでくれたら嬉しいです。

いやぁ、それにしても今年は本当に散々な年でしたね、お互いに。こんなにもやりがいや楽しみが奪われてしまうことがあったでしょうか?

今年、劇団ヒロシ軍はいっちょ気合を入れて諫早・独楽劇場で毎月公演をやる予定でした。だけど、コロナで4月以降の公演がすべて中止や延期になって、全然お客さんを呼んでの公演が出来なくなりました。もう「うぐげあ!」って感じです。

今回の「ジュース飲み放題」の経緯ですが、最初に降りてきたのはタイトルでした。今年の3月に客演予定だったガラパ「甘い手」札幌公演が中止になったという連絡を受けたときに、タイトルが降りてきました。

「The youth no hold me die.(ザ・ユース・ノー・ホールド・ミー・ダイ)」

日本語訳すると「青春は私を死なせない」っていう、何とも劇団ヒロシ軍にピッタリなタイトルが降りてきたのです。

もともと9月に独楽劇場でお客さんを呼んで公演をやる予定でした。すぐにキャストに声もかけ、新作を作るために稽古してました。が、どんどん悪化していく現状に公演を延期せざるを得ない。でも、延期したとしても、いつまでに公演が打てるのだろうか?いや、もしかしたら、もう出来ないんじゃないのか?そんな出来る出来ないの見えない二択が延々と突きつけられ、正直、堪えられたもんじゃなかったです。

だから、もともとやろうとしていた作品は今の「ジュース飲み放題」とは全然違う内容でした。(まぁ、内容はいつか皆様に見せる時のためのお楽しみということで)

なので、タイトルも思い切って「ジュース飲み放題」にしました。ジ・ユース・ノー・ホールド・ミー・ダイをそのまんま言うためのタイトルです。今回、僕がコーラを一気飲みすると思った方、すみません。そんなシーンありません。

場所と役者と観客の3つさえ揃ってれば、演劇って成立すると思ってるんだけど、今、その3つを揃えることがなかなか出来なくなってしまった。劇団ヒロシ軍なんて、観客との一体感と言うか、観客の反応ありきで演劇やってるって言うのによ・・・。もう「うぐげあ!」だよ。

んで、どうしても今回の「ジュース飲み放題」は映像作品としてではなく限りなく演劇作品にしたいと思い、全く編集なし(カット割りとかね、BGMとタイトルテロップは入れてるけど)で60分ワンカットの一発撮りに挑戦しました。

よく「演劇って映像で観ると面白さ半減するもんね」って言うけど、半減というよりも、やっぱり演劇の楽しみ方と映像の楽しみ方は別なんだということに最近、気付いた。どちらも楽しいし面白い。

でも、俺は演劇をやりたいんだ。そして、それを手渡しで皆さんに届けたいんだ。どうか、この「ジュース飲み放題」が一人でも多くの方々に観ていただけることを切に願ってます。

最初から最後までワンカットで撮ったからこその、いろいろハプニングやトラブルもあるけど、そこも含めて楽しんでいただけたら。

あ、作品の内容はいろんな人たちが出てきて、今を生きてる話です。特別なにかドラマチックな展開があるわけじゃないけれど。それでも生きていく話です。

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それでは観てくださいな。

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