楽譜が読めるまで
何か高度な技術を身につけるとなると
それなりに時間はかかります。
そして、そのモチベーションを
保つ一つの要素として
大切なのは強い動機。
今でこそ、ぼくもそこそこ、楽譜は読めますし、
音楽を生業とし、
初見演奏も苦手な方ではありません。
といっても、幼少の頃から
ピアノのレッスンや音楽的トレーニングを
受けてきた経験があったかというと、
それらはほぼゼロ。
何が楽譜を読む動機になったのか・・・。
クラシックギターを弾いてみたい!と
初めて思ったのは、高校生の時に聴いた
ナルシソ・イエペス
(スペインのクラシックギタリスト)の
レコードに感動した時。
たしか、スペインもののアルバムだったか、
かの有名な”アルハンブラ宮殿の想い出”が
収録されていた。
無謀にも譜面も読めない高校生が
このトレモロ奏法の難曲に
挑戦しようと決意したのです。
”アルハンブラ”が弾きたい!
これがクラシックギターを始めた動機。
(道のりが険しいほど燃えるタイプ?)
たまたま運よく、誰も弾いていない
古いオンボロクラシックギターが
当時、実家に眠っていたので
これを使わない手はない。
早速、楽譜を買ってきて練習(解読?)を
開始!
その頃、クラシックギターを勉強するには
正規の楽譜しかなかったと思う。
(今はタブ譜化したクラシック教材を
見かけますが)
それまでロックギターの練習は
タブ譜に頼ったり、耳コピしたりしてきたので
正規の楽譜を読むなんてことは
まるでしてこなかった。
楽譜は小学校の時にリコーダーの授業で
ちょっと読んだことがあった程度なので、
つまり読譜力は皆無に等しい。
しかも、その時、誰かからレッスンを受けてみよう
などという考えが1ミリも思いつかなかったので、
完璧なる独学。
もちろん、ロックギターからクラシックへと
全振りで転向したわけではなく、
両方の練習を続けました。
やっぱ、女子にモテるには
クラシックよりロックの方が有利なような
気がしていたのでキープ!
これを不純な動機という・・・。
こちらが当時、
使っていた”アルハンブラ”の楽譜。
指板上のどこに何の音が
あるかよくわかっていなかったので
地道に音を探して左手のフォームを
書き込んでいったわけです。
まあ、楽譜が読めなかったわりには
方法としては間違っていなかった。
高校生だったぼくがどれだけ、
”アルハンブラ”を弾きこなせるように
なったかは、今となっては
定かではありませんが、
ひどいもんだったでしょう。
何せ、レッスンすら受けたことがなかったですし。
(レッスンを受け始めたのは高校卒業以降)
ただ、独学であったにせよ
最後までやり切ったことだけは確か。
楽譜が読めるようになるには
指板上の音を覚えるだけでは不十分で
リズム譜も理解しましょう。
以下、楽譜を読めるようになるまでの
工程例になります。
・リズム譜を理解する
(リズムの基本ページ)
・指板上の音を覚える
(指板上の音を覚えるページ)
・簡単なメロディーをローポジションで
たくさん弾いてみる
・簡単なメロディーをミドルポジションでも
弾いてみる
・コツコツ数をこなす
・いっそクラシックギターを勉強する
小さな成功体験を積むことも大事なので、
童謡みたいな簡単な曲でいいから
とにかくたくさん弾いてみること。
そして、少し読むという感覚がつかめてきたら
ロックギタリストやジャズギタリスト志望でも
いっそクラシックギターのレパートリーを
勉強してみるのも効果的です。
クラシックはメロディーとハーモニーや
低音を同時に処理しなくてはならないので
非常に楽譜の情報量が多い。
つまり、こういう楽譜に慣れてくると
メロディー譜やコード譜を読むことが
とても簡単に感じてくるからです。
楽譜が読めるようになると
自然とテクニックもしっかりしてくるし、
何より曲を丸暗記する必要がなくなるので
とってもラク!
何年かぶりに弾く曲でも
短時間で思い出すことができ、
再現性も高い。
楽譜が読めると、ギターを弾くのが
ますます楽しくなるでしょう。