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変化和音 ナポリの2
ナポリの2はややこしい。
なぜなら、ナポリの6ともいったりするからだ。
どちらも同じものだが、呼び方が違う。
個人的にはナポリの2の方が
わかりやすいので、
こちらで話をすすめます。
ナポリの2とは変化和音の一種で17世紀、
イタリアのナポリの音楽家がよく使ったことから、
こう呼ばれるようになりました。
心に迫る印象的な変化和音です。
端的に言えば、ナポリの2とは短調の
音階上の2番目のコードの根音が
半音下がったもの。
譜例1
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127913201/picture_pc_daac522138538631a48705c6b5a86394.gif?width=1200)
譜例1のa.が通常Aマイナーキーの
2番目にできる3声和音である
Bディミニッシュ、
b.はその根音が半音下がった(変化した)
Bbメジャーコード、
c.はさらにb.の根音を
1オクターブ上げた
第1転回形と呼ばれるもの。
この第1転回形の場合の根音とトップの
音程が6度関係になり、この転回形で
使用されることが多いことから
ナポリの6とも呼ばれている。
時々「ナポリの6って何?」って
質問されると
一瞬説明に窮することがある。
これは2番目の和音の根音を半音下げて、
さらに第1転回形にして・・・と、
2段階で考えないといけないからだろう。
シンプルに覚えておきたいなら、
ナポリの2がいいでしょう。
「短調の主和音の半音上の
根音を持つメジャーコード」
具体例をクラシックギターの
定番エチュードから探しました。
譜例2はカルカッシの7番、
後半のテーマに戻った部分。
2段目に突如現れる和音は、
構成音からして
B♭メジャーコードらしいとわかる。
(第1転回形になっている)
本来このキーでの2番目の和音は
Bディミニッシュですが
そのルート音(B)が
半音下がるとB♭メジャーコードになる。
主和音(Am)から見れば
半音上(短2度上)の
メジャーコードとなり、
ナポリの2度と
解釈することができます。
譜例2 カルカッシのエチュード 第7番
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127913264/picture_pc_84ef750a0738c0a3903e966910fef7e4.gif?width=1200)
もう1曲はソルの有名なエチュード
「月光」の1部です。
譜例2
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127913300/picture_pc_fe62d37c473cfe13217d104cb35a4619.gif?width=1200)
この曲のキーはBマイナーです。
つまりこのキーにおけるナポリの2は
Cメジャーコードです。
短いエチュードですが、やはり曲の
一番盛り上がるところで使われています。
![](https://assets.st-note.com/img/1705479338863-6V7g82wBnY.png?width=1200)