鄧子恢 私人資本を援助せよ 1949/10/31
(解題)論華中城市建設新方針。這是鄧子恢在中共武漢市代表大會上的報告。鄧子恢文集,人民出版社,1996年,pp.237-258 (新民主主義段階の経済の在り方についての鄧子恢(トン・ツーホイ 1896-1972)の議論である。大変明快に私人資本の発展を認めることを打ち出している。つまり、彼の考えでは、私人資本を発展させることが、この段階、つまり新中国建国にあたっての政策課題だった。こうした穏健な政策がとられていれば、戦後の中国の様相は大きく変わったのではないか。)(写真は礫川公園)
p.237 華中都市(城市)の建設は重大問題であり、二中全会の基本路線と華中の実際の情況を結ば合わせて、調査研究と慎重な考慮を必ず経て、この方針の決定はすることができるのであって、さもなければ重大な政治的誤りを犯すに違いない。(中略)
p.248 三 公営経済と私営経済の問題について
この方面において、我々の方針は公営を発展させ、合作を推進し、支援を援助することである。工業、商業、金融、運輸みな同じである。その中で基本方針は公営を発展させ、合作を推進すること、そして当面の工作の重心は私営を援助することである。
(中略)
p.249 しかし、同様に知るべきなのは、国営経済の発展は一朝一夕にすぐに現れる(奏效 予定した効果が生ずる)ものではない。華中についていえば、今日その比重は大変小さく、東北や華北とは比べ物にならない。それゆえに公営経済の発展に対しては、長期建設の観点を樹立せねばならない。そして今日、単に公営経済に頼る野では、都市の中で当面の切迫している問題を解決できないのは、単に工業に頼っても解決できないのと同様である。目前の切迫した問題を解決するため、中心をぐるっと回るか(ぐるぐるまわるだけで何もしないか)、あるいは私人資本に頼り助けて、私人資本の積極性を工業、商業、
p.250 金融、運輸事業にもたらすか。こう言える。現在の情況の下、公営企業を回復発展させる一切のことを尽くすほか、我々の工作の重心は私人資本を援助するところに置かれねばならない。
(中略)
p.251 これをまとめるなら、今日我々は私人資本に対して制限(節制)政策を強調するのではなく、制限解除(放手)政策を強調する。資本家の発展を解除し、
p.252 彼らが利益を得て良いとする(讓他們圖利)。この種の解除政策で資本家に儲けさせることは、人民にとり良いことはないのか?良いことがある。第一に、商工業を次第回復発展させ、社会の財富が増えれば、当面の四大切迫問題(小稿の一で、失業問題、農民生活問題、財政困難問題、工業発展準備問題の4つを華中都市工作が当面する切迫問題として挙げている。pp.243-244 訳者注記)が解決する。第二に、公営経済が次第に発展し自己を壮大にするための時間を獲得できる。第三に、政治上民族資産階級と団結し、我々の敵である、帝国主義、封建主義、官僚資本主義をさらに孤立させ、「民主個人主義者」を探し出せないようにすることで、かれらの破壊(搗亂)活動は容易に我々が鎮圧でき、人民民主独裁(専政)はさらに強固になる。このゆえに、全体的に言えば、私人資本の発展を解除することは、まさに中国人民の政治経済利益と符合している。
私人資本の発展を解除することに危険はないのか。ありえない。行きすぎて、私人資本主義がもし氾濫したら、新民主主義の範囲を突破して、発展して国家経済と人民の生活(国計民生)を操縦するに至り、独占資本主義に向かうであろうか。しかし今日の中国では、この道は塞がれている。というのも第一に、今日の国家は人民の国家で、政権は人民の政権で、国家と政権の指導者は労働者階級とその政党ー中国共産党である。第二に、中国経済の生命線(命脈)である、銀行、鉄道、郵便電信、鉱山、大工業などかつて官僚資本主義の手中で操られたものは、現在では国家が没収して所有しており、人民の手中で操られている。第三に、中国の労働者階級は長期革命闘争の中で共産党を結成し血肉不可分離の関係にあり、労働者階級は共産党とともに歩んでいる。第四に農民と広大な小資産階級もまた共産党と歩んでいる。第五に、国際形勢は日増しに社会主義に向かっており、帝国主義は崩壊没落の過程にある。これらの条件のもと、中国私人資本の発展が新民主主義の範囲を超えることはありえず、また独占資本主義の道をたどることもありえない。
もちろん私営を援助することは、公営が不要であることではない。公営を放って置いたり、先に私あとで公というのでもなく、これらの考え方ややり方はいずれも間違っている。公営を発展させるのが我が党の基本方針で、これは絶対に揺るがしてはならない。今日、私営を援助することを強調したのは、まさにこれが当面の切迫した問題を解決するからであり、経済を安定にし、政権を強固にし、公営経済が壮大に発展する時間を得るためである。
p.253 公営経済が壮大に発展することによってのみ、われわれは人民利益に沿った新民主主義建設を完成でき、着実に社会主義に入ることができる。私人資本の発展を解除することは、私人資本を管理しないということではない。逆に公営経済による私人資本に対する指導を強化し、国家と国民生活に不利となる私人資本、すなわち投機をするような資本に対しては、断固として闘争し制限し取り締まらなければならない。
(以下略)
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