王志安と柴静の「封殺」
封殺はその人物が書いたものの発禁の意味にも使う。王志安は2019年に,また柴静は2015年にそれぞれ「封殺」された。
王志安(1968-)の「王局拍案」を見ていて、柴静(1976-)のことを、ふと思い出し出した。王志安は社会的な事件を追及してきた調査記者。2017年に中央テレビ局(中央電視台)を退職後、ネットなどを通じて活動を継続していたが、2019年6月4日に、自身のネット上の主要アカウント3つが突如停止され、中国での活動が事実上出来なくなった(封殺された)。2020年、彼は日本に移り、2022年からは「王局拍案」ほかのSNS媒体を通じて、情報発信を続けている。王の報道姿勢は客観的でバランスもとれているが、権力者におもねる所がない。封殺はそうした彼の姿勢とその影響力を、中国政府が嫌ったもののようにみえる。それでふと2015年の柴静の「封殺」を思い出した。
王志安 wiki
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柴静は、中央テレビ局(中央電視台)に2001年に入局して、報道番組を通じて影響力のあるキャスターとなり、『看见』(広西師範大学出版社)というベストセラーを出した(2013年1月)。その後、退局してビデオ番組『穹顶之下』を自費で製作、人民網で公開した(2015年2月28日)。『穹顶之下』は公開後2日間でアクセス数が2億に達するほど多くの国民的関心を集めた。内容は大気汚染問題を扱ったものだ。たしかに政治と企業の癒着・腐敗、情報公開の必要性、現行法制の欠点の指摘など、政府にとって触れられたくないことも述べている。他方、市民レベルで何ができるかを述べた啓発的部分もある。折から人民代表大会などの政治的な時期ではあった。理由は不明だが、直後の3月5日、中国政府の指示で人民網上の彼女の文章や映像は一瞬にして消滅した。この封殺は、大気汚染問題はまさに痛いところと判断したのかもしれない。あるいは政府からは距離を置く彼女が影響力を増すことが、中国政府としてともかく問題だったようにも思える。心配であるのは、この封殺後、以来すでに8年以上、彼女の動静がつかめないことだ。彼女が元気であることをここでは祈りたい。
柴静 wiki
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追記(2023年8月18日ー19日)
コメント欄にあるようにPeterさんの情報では柴静さんが、再び新たな映像をもって現れたとの情報がある(2023年8月13日~)。Peterさんの情報と同一かは確かめていないがPeterさんの情報後、調べて以下を見ている。