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劉少奇 宋亮同志への手紙 1941/07/13

《答宋亮同志》載《劉少奇選集上卷》人民出版社1981年pp.218-222 這封信原載中共中央華中侷的内部刊部《真理》第二期。宋亮即孫冶方,當時在中共中央華中侷黨校工作。

p.218  手紙を受け取りました。あなたの意見は正しい。
 中国(共産)党内には最初の一時期、陳独秀時代からそれ以後、党員の一部の中に、党員が理論について深く研究することに反対する意見があります。(党)学校の中においてさえ、多くの党員が理論に特化して(専門)学習するとき、あわせて「大学のような(学院式)」研究に反対だと強調します。(これは)一生懸命(埋頭)読書する党員を「学院派」だと名指して、実際闘争中の鍛錬を強調するものです。おそらく実際闘争の経験さえあれば、深淵な理論研究は不要で満足できる、革命を勝利に導くことができると考えているのでしょう。おそらくマルクス主義の理論は、相当長期間本気になって専心研究しなくても、把握できると考えているのでしょう。この種の意見、そして過去における一部の党員の別の種類の意見、つまり実践を軽視し、実践を離れた理論研究、本物の学院式研究(を重視する意見)は、まさに(互いに)対抗しあっています。この二つの種類の意見はともに誤っています。一つは実践を過度に強調して、理論の重要性を軽視し、理論の実践に対する指導作用を軽視しています。今一つは理論を過度に強調して、実践の重要性を軽視し、実践が理論の源泉になることと優越していることを軽視しています。彼らは理論と実践の関係を正確に処理することもないし、正確に関係付けることもないのです。
 党員が(党)学校において学び、理論研究に従事する時、主要な任務は、p.219  理論的に深いレベルで把握することであり、学校生活の鍛錬ではありません(この種の理論を学ぶ鍛錬関係は、理論の研究のなかで我々党員の思想意識を次第に変えるので、またとても重要である。鍛錬とは学習を通じて意識・能力を高めることをいう。-福光)。その時、学生はひたすら読書すべきであり、ひたすら理論研究に従事すべきです。そうしているからと言って「学院派」になっているということはできないばかりか、そうすることが学生の主たる仕事です。党員がひたすら読書研究する、この事実を「学院派」と表現しないだけでなく、どの党員もマルクスレーニン主義を研究するときは必ずそうすべきです。なにがしかマルクスレーニン主義の修養をした人は、みな必ずこのように読書研究する段階を経ているはずです。マルクス、レーニン本人はなおさらです。これまで、ひたすら読書する人を「学院派」としたのは完全に誤りです。学校内でことさら(この言い方を)提起するのは、とりわけ有害です。
    学院派は欧州学術界およびマルクス主義者の中の一派閥で、一つの専門用語です。この派の人は実践的理論研究から離れ、実践、それに理論と実践の関係を軽視しています。その結果、マルクス主義の理論を死んだドグマ(教条)にしてしまい、実践の指導ができません。これは当然まちがっており、反対すべきものです。中国のマルクス主義者および我々党員のなかに、今日この種の人がいます。例えば、一部の党員は、切迫した組織問題や実際問題に対していつも一種とても不真面目な態度をとり、注意研究せず、それらを軽視しています。これらの問題の中にマルクスレーニン主義原理は含まれていないと考え、これらの問題の研究から何か意味のあるものに到達できないと考えています。彼らはまた資本論の厳粛な態度での研究がこれらの問題を解決するとは考えません。彼らはマルクスレーニン主義の学説がこれらの問題あるいは行動のガイド(指南)になることを、知らないか忘れています。実際の生命あるマルクスレーニン主義は、これらの問題の中に含まれているし、全ての人々の社会での具体的実践の中に含まれていますが、書物の中の公式や、すべて抽象的神秘的なところには存在しないのです。
 中国党内での上述した二種類の意見の対立(対抗)は、当時、前の一種類(つまり実践を重視する人たち)が勝利し、p.220 党内には理論研究に専心することに反対する雰囲気(風氣)が作られ、結果として党内の理論水準を引き上げることが阻止されました。これ(この雰囲気)は必ず正され反対されるべきです。このことと我が党が今日に至るも、理論上の準備修養がなお一般に十分でない現象とは、密接に関係しています。それは党内に極めて悪い影響を与えています。当時、党内の理論と実践これが同時にともに重要だという正確な意見が、発展していなかったのです。
(劉少奇はこのあと中国の党の理論準備が十分でない理由を3点あげている。第一はマルクス主義の著作が輸入されたもので、輸入されて間がないこと。第二はマルクス主義が中国に伝わったとき、中国の革命情勢は成熟していると中国の革命家は考えていて全力量を革命活動に投じたので、理論研究と闘争経験を総括する時間が長期にわたってなかったこと。第三としてマルクス、エンゲルス、レーニン、スターリン、いずれも欧州人で中国人ではなく、彼らの著作に中国の事情はあまり反映しておらず、また中国の歴史は欧州各国の歴史具体的に異なっているために、解釈や実践に多くの困難があること。この3点の指摘は、率直で明示的である。そして理論の不足や弱点は克服されたわけではないが、我が党には豊富な実践闘争の経験があり、今後最大の努力を加えて弱点を克服すると結んでいる)

#劉少奇 #孫冶方    #マルクス主義

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福光 寛  中国経済思想摘記
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