モーゲージ担保証書と債務担保証書 CMOs vs CDOs, 外観と実態, Invest.
Michael Schmidt, CMOs vs CDOs, Same Outside, Different Inside, Investopedia, Updated Jan.2022 2022年9月30日閲覧 (抄訳)
ウオールストリートの最も重要な革新の一つは、(多数の)貸付を一緒に集合させて、そしてそれを別個の利子生み商品instrumentsに分割したことである。この担保化そして仕組み金融の概念(の生成)は、担保モーゲージ証書CMOs(Collateralized Mortgage Obligations)そして担保債務証書CDOs(Collateralized Debt Obligations)の市場に先行した。1970年代初めに至って、その概念は定式化された。それはモーゲージを再包装することにより、1980年代にスタートするMBS産業をうみだすことによってであった。
モーゲージ(訳注 物的資産担保の貸付 住宅担保貸付)のプールにより担保されているモーゲージ担保証券MBSs(Mortgage Backed Securities)では、すべての利子を元金は投資家に単純にパススルーされる。CMOでは、投資家に単純に利子と元金をパススルーするのではなく、特定のキャッシュフローを生み出す。最初のCMOは、投資銀行のFirst BostonとSalmon Brothersにより、Freddic Mac(Federal Home Loan Mortgage Corp.)のために発行された。モーゲージ貸付のプールを用いて、異なる利子と満期を持つトランシェに分け、その後このトランシェに基づいた証券を発行するもので、元のモーゲージは担保となっている。
CMOに比べるとCDOはずっとあとに登場した。(そして)モーゲージだけでなくより広範な貸付の領域spectrumを含んでいる。両者には多くの類似点があるが、その作り方には、集められる貸付のタイプ、そして彼らを求める投資家のタイプなど、はっきりした違いがある。
鍵となる点
・CMOは、集められ投資物として売られたモーゲージのプールを内蔵しているcontainsモーゲージ担保証券MBSの一種である。
・CDOは、同様に投資物として売られた貸付やその他の資産のプールで裏付けられた金融商品finance productである。
・CMOとCDOには多くの類似性がある。CMOはそのキャッシュフローは、モーゲージの特定のプールから来ているものとして理解はより容易である。CDOのキャッシュフローは、自動車ローン、クレジットカードローン、商業ローン、そしてCMOトランシェからさえ裏付けられ得る。
・MBSは、銀行から購入した自宅ローンを束にしたものから作られた債券に似た投資物である。
CMOは、住宅モーゲージを取引する第三者により発行されるMBSの一つのタイプである。CMOの発行者は、住宅モーゲージを集めて、ローンプールに再包装し、それを担保にして新たな一組の証券を発行する。発行者は、貸付の支払い先を再指示し、元利支払いをプールにいる投資家に配分する。その過程で、手数料と利ザヤを回収する。
CMOで発行者は、トランシェを使うことでモーゲージからの所得を予測可能な源泉に切り分けることができる。依然として投資家には、一定の事前返済リスクがある。これはプールにあるモーゲージが早めに返済される、借り直される、あるいはデフォルトになる、リスクである。(ただし)MBSとは異なり、投資家は進んでCMOを取得することで、どれだけの大きさの再投資リスクをとるかを選択できる。
(中略)
CMOsとCDOsとの間には多くの類似点がある。CDOsはCMOsが設計されたあとに、形作られた。CMOsは、民間の関係者により発行されるほか、半政府の貸付機関(FNMA,GNMA, FHLMCなど)により担保されるbackedが、CDOsは(あくまで)民間製private-labeledだ。
CMOsとCDOsとは外側の外装は同じだが、内側は異なっている。CMOsは、キャッシュフローはそれがモーゲージの特定プールからのものなので少し理解しやすい。他方でCDOsのキャッシュフローは、自動車貸付、クレジットカード貸付、商業貸付、そしてCMOsのいくつかのトランシェからさえ担保されうる。
CMOsの市場は2007年の不動産の爆発で一定の影響を受けたが、CDOsの市場はより激しく打撃を受けた。CMOs市場のわずかな部分がサブプライムとみなされたが、CDOsはサブプライムCMOsをその核心的な保有物としていた。最低の格付けで最もリスキーなCMOsトランシェを購入し、その他のABS資産と混ぜていたCDOsは、サブプライムトランシェが暴落したとき、ひどい打撃を受けた。かつてそうでったようにSECからの監督強化が再びなされるような失敗ではないが、歴史はときに繰り返すのである。
CMOsとCDOsとは、貸付を一緒にプーリングして、投資家が望んで取るリスクの大きさのところに合わせる点では、同じ役割を演じている。
CDOsはABS市場の相対的に小さいセグメントで、2002年にはわずかに3億4000万ドル発行されただけだった。他方で全CMOs市場は4兆7000億ドルだった。2002年のあと、CDO市場は資産に担保された証券化が成長するとともに、膨れ上がった。そして発行人はよりリスキーなCMOトランシェの購入に進んだ。不動産市場は急膨張し、CDO/CMO市場も急膨張し、全CDO残高は2007年に1兆7000億ドルのピークに達した。この象徴的な成長は、不動産バブルが爆発すると突然停止し、CDO市場は2013年には8億5000万ドル前後にまで減少した。
(以下略)