モーゲージ担保証券MBSの概観, MBS Fact Sheet from SIMFA
MBS Fact Sheet 概観 from SIMFA HP 2022年9月24日閲覧
モーゲージ担保証券(MBS Mortgage Backed Securities)とは、モーゲージ貸付(訳注 物的財産を担保とする貸付)を担保とする、証券の支払いのための基金の源泉とする、固定所得証券である。MBSは、銀行や信用組合といった金融機関が、借り手にモーゲージ貸付を及ぼしたときにすでに作り始められている。貸し手はその後、同じ性格の貸付の集団を集合させて自ら証券を創出するか、あるいは貸付を集めて集合させることpoolingを行っているモーゲージ担保証券の発行者に、この貸付を売却する。貸付は、MBSの発行者になる信託に売却される。証券化されると、MBSは投資家に売却されるか、投資物として保有される。
単純化されたMBS取引図
mortgage mortgage MBS
借り手 → 銀行 → 信託 → 投資家
証券化のプロセスは貸し手に元の貸付の返済を30年間待ち続ける代わりに、より多くの資金を得ることを許す。TBA市場の革新によって、貸し手は貸付に先立って、先渡市場で、その貸付を売却すらできる(訳注 これはTBA to-be-announced 取引が、貸付売買取引で一般的であることを指している。TBAとはクーポン、満期、保証政府機関以外の詳細が後日発表、後日決まるという意味)。証券化はこのように貸し手がその資本をより早く回転することを許している。他方で証券化は、MBSの投資家に、モーゲージ市場のリスクと報酬という特定の水準に接することを許している。残高14兆ドルのモーゲージ貸付から、およそ9兆ドルがMBSとして証券化されている。MBS市場は、合衆国財務省の債務より大きな、固定所得市場最大のセクターになっている。
モーゲージ貸付の集合poolから最も普通に作られる証券は、モーゲージ・パススルー証券あるいは参与証書participation certificatesである。名称が示唆するように、モーゲージ・パススルー証券の発行者あるいはサービサーは、貸付が集合されているモーゲージ債権者から月々の支払を回収し、利払いと元利払いの双方を表すそのキャッシュフローを、投資家に月々の支払で「パススルーする(そのまま支払う)」。(ただし)以下に示したように、投資家へのパススルー利率は、最初のクーポンレートからサービス手数料と(もしあれば)保証料とを控除したものである。サービス手数料は、通常サービサーと呼ばれる、貸付への支払いを回収する主体に支払われる手数料である。保証手数料は、政府出資企業あるいは本当の政府機関である、ファニイメイ、フレデイ・マックそしてジニーメイにより発行された証券に支払われている。ジニーメイの場合は、投資家に対して元利払いを保証している。
Coupon rate 6.00%
servicing fee 0.25%
Gfee 0.30%
Pass through rate 5.45%
MBSはまた、元利払いを別々のトランシェの分配することを含んでいるが、Collaterized Mortgage Obligation(CMOs)あるいはResidential Mortgage Backed Securities(RMBS)として発行されている。CMOsとRMBSの多階層構造は、投資家に短期、中期、長期という満期の選択権を与える。加えて、信用リスクに様々なレベルでさらすことも併せて、発行者に、標準的パススルー(証券)で通常可能であることに比して、より広範な投資家への接触を許している。CMOとRMBSは様々な所有者にとって支払いの単純な優先度でありうる。あるいは時機、信用損失、そしてそのほかの多数の変数に関わることで大変複雑にもなりうる。